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悪魔なネネのキスはしたのに

 「あんた悪魔バカぁ!?」

「え!」

「キスしたのに、告白しないで、ハグしただけ!? バカなの!?」

「だってぇ、その、ミレイも来たし」

「そこは、だまって押したおすなり、デビルラブリーホテルに誘うなりして、お願い♡ はやくエ○○してとか!」

「そ、そんな恥ずい! 恥ず死で爆する」

「もう! 子どもつくってわたしにネネの小さな子ども見せてよ。ネネの悪魔の子どもくらいわたし育ててあげるわよ!」

「えと」

「だから、はやくメディを押したおしてやってきなさい」

「そんなぁ。だって、その、えっちぃのとか、まだ、だって、その」

「もう! モジモジしたって、子つくりはできないの!」



 昨日、仕事終わりに、想い出の公園でメディとキスしたことを伝えると、喜ぶどころか、ミレイに怒られてしまう。


 ひどい。


「じゃぁ、ミレイはできるの? メディと、その、そういうえっちぃのとか、は、裸になって○乗りとか」

「そんなの、できるわよ。メディが命じてくれれば、どんな変態プレイも、上手に、ピーーーー(規制)」

「いやーーーー! やっぱり聞きたくない!!」

「そう? じゃ、今度メディとするための、練習しよっネネ♡」

「うん、れ、練習する」

「やったぁ、じゃラブリーホテルに一緒にいかなきゃね?」

「え、ラブリーホテル? 待って、どの練習 (告白)のこと?」

「決まってるわよ、練習 (えっちぃプ○○)して、アナタにエ○エ○な経験させてメディを誘惑するためよ!」

「待ってぇ (泣)、それ違う気がするーー!」

「ふふ、楽しみ♡」

「待ってまってまって!」



 朝からそんな会話をしたあと、

 今日は、統括 中央 会議(ミーティング)の日であり、本部の統括マネージャーたちが、中央広場に集まった。


 そのなかに、ミレイとメディの姿もある。


 注意事項やエネルギー体の回収状況などを説明して、解散となる。

 解散して、転移などをつかい、それぞれ持ち場となるエリアに移動するなか、

 後輩ギャル悪魔が、隙間時間でメディと話している。


「なんだろぅ」

「気になるよね」


 ミレイが近くにきて話す。


「じゃ、帰り時間にまたね」



 仕事終わり魔力探知でメディの姿を探して、たどりついたのは、ビルの屋上だった。

 屋上の物陰に降りると、後輩ギャル悪魔のスズネとメディが話している。


 どうやら待ちあわせをしていたようだ。


「ちょっと、何あれ!」


 よくみるとスズネは、ヒトの九ノ(ここのは)学園の制服を着ていて、超ミニスカートだ。


 その場でくるんくるんして、スカートをひらひらして、ギャルポーズを決めている。

 首元にリボンをしているがブラウスの胸もとのボタンが少しはずしてあり、胸が強調してある。


 ブラが見えそうだ。


 翼も器用にたたんで服のなかにあり、まるでヒトの姿だ。


 眼は涙ぐんでいて、話すときの表情は真剣だ。

 口もとは、ピンクのリップグロスで、キラキラしている。


「ちょっ! むぐ」


 口を抑えられ、びっくりすると、後ろでミレイが手を伸ばしていた。


「しーー」

「な、に、よ?」

「こくはくだよ」

「え」

「だから、告白だよ。きっと」

「え!」



「あ、手をつないだ」


「何か渡した」


「頭下げてる」


「首ふってる」


「あ、なんか泣きそう」


「もう一回頭下げてる」



 バッとふりかえるとスズネはこちら側に、走ってきた。


「あ、もしかして」


 屋上にある扉に手をかけるとき、一瞬こちらを観た。

 でもそのまま扉から中にはいり、階段を降りる、足音が聞こえてくる。


 ネネはいまにもメディのところにいきたそう。


「ミレイ、あの()、頼んでいい?」

「いいよ、メディのとこいってきな」

「うん!」


 走っていくネネ。

 ミレイは、扉からスズネを追いかけていく。

 メディに近づくネネ。


「あ、ネネいたのか」

「うん」

「あの娘に、告白されたよ」

「うん、なにか渡されてたね」

「これ」


 悪魔界でもそれなりに貴重な魔導石を編みこんだブレスレットだった。


「魔力をこめたおまもりだって」

「うん」

「途中、泣いてて、切なくなった」

「断ったの?」

「うん、あの娘まだ若いし、これから、もっと出逢えるよ」


 ネネは、メディ以上の魅力あるやつなんて、ほぼいない、と言おうかと考える。

 でも、言葉はでてこない。


「うん」


 ミレイが、あの娘をなぐさめて、戻ってくるまでの間、あまり話さないことにする。



 するとメディが話す。


「このブレスレット大切にしよう。悪魔になってから、プレゼントとか、あまりないから、嬉しい。」

「そっか」

「あ、ネネにはいつも、お世話かけてるね」

「いやー、大したことしてないよ」

「ありがとう」

「う、うん」


 ミレイが戻ってきた。


「いやぁ、すっかりあの娘、落ち込んでたよ。そうだよね」

「うん。そっかぁ、様子大丈夫そう?」

「もう大丈夫。ミレイさまーって言って抱きついてくるから、わたしがハグして首にキスして、見つめてたら、わたしにも告白してきたよ」

「は、え、うん。まぁ、うん」

「ミレイ、モテモテだね」

「ふふ、今度一緒にベットでくっついて添い寝する約束したから、そのときにゆっくりしてあげるわ」

「も、もう、何のことか、わたし聴かないからね!」

「メディは聴きたい?」

「いや、やめておくよ」

「そっかぁ、あの娘ギャル系かと思ったのに、性格は清楚(せいそ)で素直で、いつものヤバいは、ただのキャラつけだったから、あれはイケるね」

「あんまり、その堕落悪魔にさせないように、注意して、ミレイ」

「そうね、気をつけて誘惑するわ」

「み、ミレイって、ほんとそのエ○悪魔だね。なんか、感心してきたよ」

「ありがとう」

「それじゃ、戻ろうか」

「うん」

「そうね」


 ネネは、後輩ギャル悪魔の今後の誘惑生活を考えてしまい、頭が痛くなってきた。



 なんか、ミレイをみていると、恋愛に悩みまくっている、自身が、ダメだめ悪魔に思えてくるのだ。


 せめて、ミレイの半分くらいの積極さと、若干、エ○○よりの行動をしたい、とネネは決意する。


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