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ネネとメディのあのときの密会

 ヒイロが転生を覚えた。

 まだ未熟ではあるけど、これでクイーンに依頼されたお仕事のほとんどに区切りがついた。


 ヒイロとミレイと分かれてから、黒鉄がきたため、それにこれまでの報告書を簡単にまとめて、渡した。

 羽根で器用に持っているバックにしまうと、ひとこと、大変だったねと言われる。


 すぐにいなくなるあたり、ほかにも用事があるのだろう。

 黒鉄たちもまだまだ暇にはならないらしい。


 ルルファイスとヒイロが打ち合わせる間、アマツキと話していた。

 アマツキは、天使スキルで覚えられる範囲でいいから、メディとわたしのスキルを教えて欲しいのだという。


 わたしのクラフトはいいのだけど、基礎スキルからも訓練したいらしいし、閃光も覚えるらしい。

 なにか急いでいるのとたずねると、天使アヤネのサポートになりたいという話だ。

 メディと驚いた。

 ずっとヒイロのことを気にしていたから、天使界には、あまりいきたくないのだと思っていたのだ。


「アヤネが待ってる気がする。一天使じゃ心配だよ」

「ヒイロはいいの?」

「この一年、できるだけのことをしたいな」

「そっか」


 スズネとアマツキが、泊まるところを探すというから、そこで分かれてから、アマツキが急に男の子にみえて、そのことをメディに伝えてみたら、元々そうなんだよと笑っている。


 わたしやヒイロとは違うみえかただったらしい。


「それで、メディはこれから」

「ネネの部屋いっていいかい?」

「え……いいけど」

「話そう、話したい」


 どきっとする。


 部屋にくることじゃない。

 みえた表情が、なにかとても真剣だからだ。



 部屋に招いてからも、落ち着かないのはわたしで、シャワー使うねというと、メディもそのあとで入るらしい。


 順番を逆にして、メディに入ってもらい、食事を準備していてもなんだか不安だ。

 どうしてだろう。


 ヒイロの転生は、これからはルルファイスにお任せすることになる。

 ライリアとレミリアもいるから、わたしがなにかを造るなどは、あまりないだろう。

 スズネもこれからすることがあるから、と言っていた。


 けれど、メディはまだ忙しいはずだ。

 以前より騒がしくはないけれど、悪魔の仕事は、黒鉄が飛びまわり、いつでもある。



 シャワーからメディが戻ると、ネネも入るんだよね、と聴かれて曖昧に返事した。



 脱衣室のカギをかけて、脱いで宝石を置く。

 水音をさせて浴びている間も、なにか気分がそわそわする。


 ずっとメディにアプローチし続けて、その間は、なぜか遠慮がちで、これまでのよくわからない悪魔たちとは、やっぱり違うなと感じていた。


 けれど、旅をしているといろんな側面を知れて、改めて好きなところが増えた。


 それなのに部屋にきてくれて、一緒に話そうと言われると、なんだかひどく不安だ。

 なにがあるんだろう。

 気をまわし過ぎているのだろうか。



 少しゆっくりめに入ったあと、髪も乾かしてからでると、メディが食事を準備してくれていた。

 フルーツメニューに、スープつきだ。


 やっぱり変に、アタマを使い過ぎているのかもしれない。


 食事の際も、ヒイロとアマツキとの旅の話しをしていた。

 キッチンで片付けに入ると、メディも横に並ぶ。

 変わらない。

 そう想う。


 でも、片付けおわり、ふいにこちらをみている気がして隣をみるとメディが手をまわして、わたしにキスをする。



 なにかカチリと音がしたように感じる。


 アタマが妙にしびれている。

 毒でも、入れたのだろうか。

 とても甘い毒……



 ベットにいつ寝たのか、夜だったのか、朝なのかもわからない。





 悪魔メディナナタリアが朝食をつくる音で、目を覚ました。


「ネネおはよう」

「うん……おはよ」

「それで、一年くらい仕事でいなくなることになりそうなんだ」

「そう……なんだ。昨日の話しは……それ?」

「そうだね。一年後返事があるといいな」

「あれ……なんの話しだっけ」


 なにも覚えていない。





 あの話しから、そろそろ一年だ。

 たしか、明日のはずだ。

 何度も確認した。



 ミレイとメディが慌ただしく、出張だからといってしまい、中央にわたしは残った。

 教会のこともあるし、ヒイロとアマツキのこともある。

 その間に、スズネは統括エリアマネージャーとして、ばしばし仕事していた。


 何度か、わたしのお世話にもきた。



 明日だからと、いろんな報告をしようと構えていたら深夜、部屋にだれかきた。


 スズネかもしれない。


 最近は、けっこうな頻度でわたしの部屋にくる。


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