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悪魔な転生魔法使いはどこにいる

 ミレイとメディは、統括エリアマネージャーになり、重なる時間が増えた。

 どちらとも、忙しそうにこなしている。


 ネネは、まだその手前なため、そこまで忙しくはないが、代わりに寂しい。


 メディは最近、誰かを探してまわっている。

 同僚の (ギャルな)娘が教えてくれる。

 特に、堕落悪魔と話している、と噂をきいた。


 堕落悪魔は、仕事をせず、怠惰な実ばかりを食べて暮らし、そのうちギャンブルしたり、魔力つきるまで、魔力交換をして生活してしまう、いわゆる堕悪魔だ。


 わたしが、何回か絡まれたことのある悪魔も、よくそういう堕落悪魔たちが多い。


 決まって変質者的な要素を持っている。



 今回も、はやめに仕事を終えたネネは、メディを探す。

 統括の仕事は、忙しいときには、時間が夕方以降も動きまわっているし、部下たちの働きがいいと、いつの間にか終わってしまい、はやめに帰る場合もある。


「メディどこだろ。ついでにミレイも」


 探すうちにいつかの公園についた。


「あ、懐かしいかも」


 メディと会った公園だった。

 黒バラ園と呼ばれている。


「あ、悪魔ネコだぁ」


 チビ悪魔ネコが、ベンチの側にいた。

 座ってなでてみる。


「ゴロナァ」

「よしよし」

「ゴロナァ」


 か、かわいい。


「ニャ」


 思わず抱きとめようとすると

 背後に何か気配を感じた。


 バッと、振り返り、腰から魔改ナイフをとりだして、相手にかざす。


「う」

「あ」


 相手の姿をよく観ると、メディだった。


「よく魔力探知にひっかからなかったね」

「こっちも探知してたよ。」


 ナイフを元にしまう。


「そっか、魔力的反作用で、干渉して、お互いにわからなかったのかな」


 すると


「あ、仕事終わったんだ」

「そう。うわー懐かしい!」

「そうそう、このベンチ懐かしいよね」


 "この悪魔メディナナタリアに出逢ったのは、このベンチだった"

 "この悪魔、ネネに出逢ったのはここだった"


 瞬間シンパシーが重なった。


「ふふ、同じこと考えたね」

「そうだね」

「あのとき、わたしミレイがいてくれてたけど、寂しかったの」

「うん」

「あのころ、よってくる男悪魔は変態特性ばかりで、このロリ系の顔見当てで」

「うん」

「その顔いいよな、ドーン (規制)とか、

 一度でいいから、バーン (規制)とか、

 さわらせてドカーン (規制)とか、そんな感じのやつがずっと続いてて、ムカムカしてたの」

「うん」

「でも、メディは優しくて、観てくれてて、安心して」

「うん」


 あっと、ネネは想う。



 コレは、告白するターンなんじゃないかな。

 そうだよ、これで告白すればいいんだよ。


 いままで百以上されてはきたけど、わたしから告白したことは、ただの一度 (ミレイの練習)だけ。


 とたんに、ネネは言葉がでてこなくなり、次第に緊張してきて、顔が赤くなり


「どうした?」

「う、ううん。うん、え。うん、な、なんでもないよ」


 そしてネネは言葉が続けられなくなる。



 だ、だめだぁーーーー!



 どうすれば、いいのこれ。


「そうだ」

「うん」

「ネネは、悪魔から転生したいと想う?」

「いきなりだね。どう答えればいいかな」

「うん」

「わたしは、ずっと悪魔だし、女王の娘だし、ヒトもなんか楽しそうだけど、いまのまま、ミレイやメディがいるのがいいかな」

「そっかぁ」

「どうして」

「うん、ある悪魔から言われてね。転生者は、想いが強いから、きっとヒトの世界に、何か残してきたんだよ」

「うん」

「少し想いだしたんだ。たしかに、悪魔になる前に、想い出を忘れてきた気がする。だから、残してきたものが気になってきて、転生魔法使いを探すことにした」

「そっかぁ」


 ネネは黙ってしまう。


「ネネ?」

「うん」

「だから、そのネネを放っておいたり、ミレイを忘れてるわけではなく」

「待って。ちょっとだまって」

「え」


 髪をはらって、メディの眼をみつめる。

 徐々に距離を近づける。


「そのまま」



 ネネは、メディにキスをした。


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