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妖精たちの花のみつけかた

 わたしの読んだばかりの内容も付け足すと、スズネとヒイロ、それにその隣でアマツキが悪魔ノート天使ノートをひろげて、会議している。


 なにか進展があったらしく、ミレイがにこやかだ。

 わたしは読んでいる間、集中していて会議には参加していなかったため、いま話しを聴く。


「それで、なにがあるの」

「少し待っていてください」

「はい」


 いま思案中らしい。

 ミレイと顔をあわせるも、笑っているだけで、ミレイもよくはわからないらしい。


 話しのいくつかは、わたしのノートの書き込みからの話しがある。

 それにしても、これでよく話しが通じるな、という会話である。


「魔力で花が」


「種で反応して」


「探してみるのと、上手く組みあわせて」


 いや本当に話しが通じているかは、怪しいかもしれない。

 別の内容かもしれない。


「ねぇミレイ、これ話しわかってるの」

「わかってるんじゃないの」

「ミレイはどうなの」

「なにか探すのよきっと」

「つまり、なにもわからないのね」


 ミレイは会議には参加していなかったらしく、カウンターで端末を触っている。


「それで、魔力が探知して」


「種と花があって」


「探してみるときには、どうする」


 会議が長引きそうなため、一度席をはずして、お化粧室にいってきた。

 ついでにメディを探してみたけれど、みつからない。


 飲みものの差し入れでも必要かしら。

 でも、図書館内はできるだけ飲みものは控えてくださいとなっている。

 自習室と休憩室はいいですになっているため、みんなを呼ぼうかな、とも考える。


 一度戻って聴いてみよう。


「ねぇミレイ……」

「あ、きたわね」

「メディは?」

「たぶんもうくるわよ」


 そう話していると、メディもくるところだった。


「きた」


 こちらに来て座るのと同時くらいで、声がくる。


「できたよ!」

「です!」


 置いてあった悪魔ノート、天使ノートは書き込みだらけになっている。

 要約してもらわなくてはいけない。


「魔力で探索してこう!」

「うん……よくわからないわ」

「アマツキ、もっと説明してほしいわ」


 ヒイロとアマツキは、顔を見合わせたあと、スズネに任せることにしたらしい。


「種と魔力のある青い花が同じ魔力が、流れてるんじゃないかっていうんです」

「うん」

「そのため、その二つの魔力を探索につかえるんじゃないかな。でも、足跡のように残っているかな。それなら、だれかがスキルを少し改造すればいいかも。前に共鳴とかの話しも聴いたよ」

「共鳴ね」

「そう、花を種で共鳴させればいいんです!」


 そういう話しになったらしい。


「香りとかも聴こえたけれど」

「花の香りもなにかに変換してみるとか」

「そうね! いけるかも」


 なんだか、メディの言っていた通りになってきた。

 でも、だれのスキルを改良すればいいだろう。

 未来視やクラフトでは、共鳴や探査には向いていないかもしれない。


 スズネのは謎だし。


「でも、どのスキルを利用すればいいのかな」


 そこで、悩んでいるらしい。


「ヒイロはどうなの」

「魅了から、なにできるかしら」


 ヒイロが自身の悪魔ノートを開きながら、考えている。

 メディはまだ口を挟まないでいる。


「ぼくは、まだ練習中なんだよね」


 アマツキがそういえば、スキルの覚え途中だった。


「スキルっぽいのはできてたよね」

「そうなの!?」

「属性とか条件とか、よくわからない」


 アマツキがヒイロとスキルの練習をしていたらしい。

 こういうとき使い鳥の灰鐘がついていてくれれば、詳しく聴けるけれど、アマツキは使い鳥はいないんだった。


「ヒイロは、みていてわからなかった?」

「そうね。そもそもわたし見分けつかないかも」

「そっか」


 たしかにスキルの見分け方や分類は、ムズカシイ。

 実際は、細かくすると同じようなスキルもあったりはすると黒鉄が言っていた。


「でも、天使スキルの分け方はわからなくても、アマツキの訓練にもなるしやってみようか」


 メディがそう提案する。

 ミレイをみると、なんだかそうなりそうだったのだと、わかる。


「アマツキ、スキル試す?」

 ヒイロが不安そうに話しかける。

「うん! いきます!」


 なんだか、アマツキもだんだんとたくましくなってきた。

 でも、できれば可愛い天使でいてほしい気持ちもある。


 メディは教えてみる気があるらしい。

 当てはまるのが、アマツキかもと予想していたようだ。


「でも、シンパシーのスキルならわかるけど、花や香りと共鳴するってちょっとわからないんだけど」


 悪魔たちが通常もつシンパシーは、瞬間的に相手の魔力が触り気持ちがわかるものだ。

 けれど、それは相手の色がわかるくらいの気持ちで、言葉の総てを感じているわけではない。


 スズネが、荷物や本を少し片付けている。


「どうしたの?」

「場所移動しませんか」

「あ、そのほうがいいかしら」


 ここが図書館だと思い出す。

 スズネが必要なものだけ分けるため、その通りに、いくつかの本だけを残して、あとは返却に戻していく。


「レンタルしてくるね」


 ヒイロがもうわかってるらしく、何冊か抱えていきレンタルの手続きをしている。

 アマツキもその隣で手伝う。

 本を戻しおえて、レンタルの手続きもする。


「場所どこがいいかしら」

「自習室じゃ、試すには危ない?」

「できれば、もう少し集中できる場所がいいわね」


 さっそくミレイが周辺の案内を確認している。

 商業施設、喫茶店、公園などがあるもののメディもミレイも悩んでいる。


「ここにしましょ」


 わたしが指したのは、悪魔教会だ。


「そっか」

「わたしへの言伝や子どもたちの様子も知りたいからいい?」

「そうね」


 アマツキとヒイロがおまたせ、と走ってきた。


「教会にいきましょう。わたしの用もあるし」

「うん、そうね」

「ネネの用ってなに?」

「え……うん。仕事みたいなもの」

「そっか」


 アマツキに気を使わせてしまった。


 でも、教会なら静かで集中できるし、シスターなら天使スキルについて、なにか知っているかもしれない。

 ここの地域の教会は、けっこう前だった気がする。


 シスターは相変わらずかしら。


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