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最中さんは甘すぎる

作者: 瑞 雪平

 俺は平凡な高校生活を送っている。

 ただ、隣席の茶髪ロングで小柄な美少女――最中花林(もなかかりん)は不思議でしょうがない。


 何故なら……毎日お菓子を大量に持ってきて食べているからである。

 授業以外はグミ、チョコレート、クッキーなど市販のお菓子をひたすら無表情で食べる。


 最初はお菓子好きな人だと思ったが、食べる量が違った。

 授業が終わったら、すぐさまお菓子の袋を開け、小さな口を大きく開けてモグモグと食べ、次の授業までに必ず1袋を完食をする。

 俺はその姿を毎回飽きずに見ていたら、たまにだが彼女が俺に気づいて――。


「同志よ、そんなに食べたいなら少しあげる……」


 と言って一口食べたお菓子を俺に渡す。

 彼女はいつも大量にお菓子を持ってきて羨ましそうに見てる――お菓子好きな男子だと勘違いされて

俺を同志と呼ばれている。

 

 何故いつも食べかけを渡すのだ……。

 前に「気にせず食べて」と言うと、表情が暗くなり、落ち込んで手を震えながらお菓子を食べていく……かなりショックだった。

 今は彼女に支障をきたさないように、食べかけのお菓子を貰い、口に運ぶ。

 それを見た彼女は「うん、うん」と頷いて表情が明るくなる。


 決してやましく食べているわけではない、彼女の為に食べている。

 だが、周りを気にして食べているのは本音だが……。

 

 昼食になるとお互い机をくっつけて一緒にお弁当を食べるが、彼女は変わらずお菓子をお弁当にしている。

 しかも手作りの焼き菓子だ。

 日によって種類も違う――シフォンケーキ、チーズケーキ、ガトーショコラとかなり凝ったのを作っている。

 作ってきた1ホールを絶対に完食する。


 いつも思うが、大量のお菓子を食べているのに小柄な彼女の体型は一つも変りもしない、ニキビも肌荒れもしていないで肌艶が良い。

 偏食で不健康だと思うが、全くそれがなく健康そうに見えて不思議だ。

 今後は大丈夫だろうか……。


 授業が終わり、放課後になると彼女は急いで道具を鞄に入れて片づけ、俺にも早くしてくれと急かしてくる。

 準備ができたら俺の手を握って――。


「同志よ、私たちの癒しの時間はこれからだ」

  

 引っ張るかのように駆け足で学校を出ていく。

 今日は近場の喫茶店で毎週限定の特大パフェがメニューにある。

 彼女は毎週楽しみに待っていた。


 喫茶店で――。

 

 彼女は特大パフェを3つを頼んで嬉しそうな表情で口に運ぶ。

 

 …………うん、食べ過ぎだ……いったいどういう胃袋をしているのだ……。

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