5 戻ってくれば準備も会話もできるのか
「ダンジョンの中でわかったこととかはないか?」
テキスト情報以外に萌音が見たこととかがあるかもしれない。
少しでもわかることがないとずっとダンジョンから出られないぞ……
「他に情報はないのか? ほら、誰かと話をしたとか……」
『うーん……入り口にいたおじいさん以外は人はいなかったよ、あとはぼんやり暗い迷路みたいな建物を探してただけ』
「じゃあ他には宝箱を一つ見つけただけなんだな?」
『そう、お兄ちゃんよく知ってるね! 見えるの?』
「こっちでできるのは、萌音の行動の一部が文字情報でちょっとわかるくらいみたいだ……それも全情報かわからない」
『そうなんだ、お兄ちゃん見ててくれてるんならちょっと安心』
くぅぅ……萌音……今すぐ抱きしめてやりたいのに……
『なんかね、ここから出るためには一番奥まで行かないと行けないんだって』
「ああ知ってる、頑張れそうか?」
『うん、お兄ちゃんが見てくれてるなら大丈夫だよ! 戻ったらギュってしてね』
「当たり前だ、いくらでもやってやる。だから早く攻略しなくちゃな」
『うん、じゃあ早速また行ってくるね!』
「あっ待て待て! まだだ」
『えっ? 何?』
「アイテムを装備してないだろ? せっかく剣と盾があるのに装備しないと意味がないんだ、装備できるか?」
『装備? アイテムって貰ってもすぐフワって消えてなくなっちゃったからどうしたらいいかわからないよ』
消えてなくなった? それじゃ装備できないじゃないか……
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名前:モネ
性別:女
職業:なし
装備
なし
スキル
なし
アイテム
・アイアンソード
・アイアンシールド
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ステータスには表示されてる。なんでなんだ……?
ー装備可能アイテムがあります、装備しますか?ー
ん? テキスト情報だ……
装備? 俺がさせてやれるってことなのか?
「する! アイアンソードとアイアンシールドを装備させてくれ」
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名前:モネ
性別:女
職業:なし
装備
・アイアンソード
・アイアンシールド
スキル
なし
アイテム
なし
====================
『あっお兄ちゃん、剣と盾が出てきたよ』
「なるほど……そういうことか」
『どういうこと? よくわからないよ』
「装備の変更は入り口で俺しかできないんだ、萌音はアイテムを手に入れてもすぐには装備することができないんだ」
『えーーそうなの? いいものが手に入ったらすぐに使いたいのにぃぃ……』
「こればっかりはしょうがないだろ……そういう仕様みたいだ……」
決められたこと以上のことはできない、ますますゲームの世界だ……
『武器をつけたら強くなった気がするよ……じゃあ私行ってくるね!』
「ああ、無理するなよ……ずっと見てるからな」
『うん、ずっとだよ! 私のこと見ててね!』
ーダンジョン・スタートー
また萌音と連絡が取れなくなった。
二度目のダンジョン攻略が始まったんだ。
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