2 ダンジョンスタート
「萌音? 隠れてないで出ておいで!」
どうせまたいつもの悪ふざけだ。変なことをして俺を困らせて楽しもうとでも思ってるんだろ。
それにしても一瞬で姿が消えたのはどういうことだ?
目の前にいたのに……
さてはマジックでも覚えたか? 将来プリンセスなんちゃらとかってデビューするつもりじゃないだろうな。
そういえば姿が見えなくなる前に変なかたまりを見つめてたな……
ない……あのふわふわ浮いてた黒いかたまりもなくなってる……
どういうことだ?
一体何が起きてるんだ……
『あれ……』
萌音の声だ。でもなんか変だ、声が俺の頭の中から聞こえてきてるような……
「どこにいるんだ? 隠れてないで出てこいよ」
『隠れてないよ〜ここどこ?』
「どこって……何やってるんだよ、遊んでないで出てこい」
『本当に遊んでないんだってぇ……お兄ちゃんの声はするのに姿見えないし、なんなのここ』
何か起きてる……? 本当に何か起きてるのか……
耳を触ってみたけど、イヤホンとかをつけられてるわけじゃない。
萌音に一回こっそりワイヤレスイヤホンつけられて急に爆音でアニソン流されたことがあったからな……でもその類じゃなさそうだ。
声は間違いなく頭の中から聞こえてきてる……
何が起きてる……萌音はどこに行ったんだ?
「萌音、聞こえるか? 本当にふざけてるんじゃないんだな?」
『本当だよ……怖いよ……ここはどこなの?』
「周りに何か見えるか?」
『目の前に大きな扉はあるよ、それ以外はブロックで囲われてて牢屋みたい……』
牢屋のように塀で囲われてて、あるのは扉のみ……
どう考えても扉を開ってことだよな……
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名前:モネ
性別:女
職業:なし
装備
なし
スキル
なし
アイテム
なし
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今度はなんだ?
急に頭の中に変なのが表示されたぞ……
名前に「モネ」ってあるけど、まさか萌音のステータス?
なんかゲームのステータスみたいだな。
「萌音、変なステータス画面は見えてるか?」
『ステータス? 何それ、扉しか見えてないよ』
萌音には見えてない……?
「ほら、RPGとかのステータス画面ってあるだろ、頭の中にそういうの映し出されてないか?」
『ゲーム? RPG?? よくわからないけど頭の中からはお兄ちゃんの声がするだけで何も見えないよぉ』
俺にだけ見えるステータス画面だと……なんだこれは……
『とにかくここ開けてみたらいいのかな』
ん……萌音が扉を開けるつもりみたいだ。
「ちょっと待て、まだ色々確認してからの方が……」
ーダンジョン・スタートー
頭の中に「ダンジョン・スタート」って表示された。
「おい、ちょっと萌音、まさか扉を開いたんじゃ?」
返事が聞こえない……
「萌音? 返事してくれ、聞こえないのか?」
ダメだ……返事がない、連絡が取れなくなってしまった。
あいつ勝手に扉開いたんじゃ……
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