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ギルティセブン  作者: 阿部曜一
Anfang Verbrechen
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第一章第三節 会話〜違和

 目を開けると、俺たちは昔よく遊んだ森の中にいた。しかし…

「な、何が起きているんだ…」

 俺とアルスは呆然としていた。目の前に広がっていたのは、見たことのないほどの炎と煙だった。

「とりあえずギルドに行ってみよう」

 状況が把握できないまま、俺たちはギルドへと向かった。

 道中、倒れてくる樹が何度も行く手を阻もうとしたが、俺の精霊の力でそれを跳ね除けながら進んだ。それと同時に火事の沈静化も進めていった。だがそれもあまり効果はなく、炎はますます大きくなっていった。

「くそ、どうなっているんだ…」

「ユーク、これじゃきりがないよ。精霊の力で道を作って一気に駆け抜けよう」

 アルスの提案に答えて、俺は水の精霊を使って目の前の炎をかき消した。

「今だ、走れ!」

 俺の声を合図に俺とアルスは走り出す。振り返る余裕もないが、俺にはわかる。俺たちが走った後の道はすでに炎で焼き尽くされてる。背中に熱が伝わってくる。まるで炎に追いかけられているようだ。

「もう少しで森を抜けるぞ!」

 俺たちはただ走った。そして間も無く森を抜けた。そこで俺たちが目にしたのはまたしても信じられない光景だった。

「ギルドが…ない…?」

 俺たちは確かにギルドに続く道を通ってきたはずだが、俺たちの知るギルドがそこにはなかった。その言葉通り、瓦礫一つ残らず()()()いた。

「なんで…みんなはどこに行ったんだ!?」

 アルスは動揺を隠せないようだった。その時、異様な気配を感じた。

「この気配…あの時と一緒だ…!」

 コンティネント・Mに現れた魔王の手下、七魔柱(ギルティセブン)のルシファーと似た気配だった。

 俺が身構えると、森の炎がさらに激しさを増した。そしてその炎から男が現れた。

「まだ生きてる奴がいやがったのか」

「誰だ!?」

「俺はサタンってんだ。まぁ今から死ぬ奴に名乗ったところで意味ないんだけどな」

 サタンと名乗る男は大笑いをしていた。

「ギルドはどうした!みんなはどこにやったんだ!?」

「さぁな。お前らは今まで食った牛の数なんて覚えてねえだろ?それと一緒だ」

「この…クソ野郎ー!!」

 俺は考えるより先に体が動いていた。

「ユーク!ダメ!!」

 そんなアルスの言葉も聞こえない俺は、まっすぐにサタンに向かって走り出していた。

「精霊よ、我が命に従い、その力を解放せよ!ヴァッサー!!」

 その声に青色の精霊が反応し、激しく光る。そしてその光から大量の水が出てきて津波となり、サタンを襲った。

「くっ、この力、お前…まさか…チッ。次に会うときには必ず殺す」

 サタンはそう言い残して姿を消した。サタンが消えた後、森の炎は瞬く間に鎮まり、後に残ったのは焼け焦げた()()()()()()だけだった。

「なんで…なんでこんなことに…」

「ユーク…」

 俺たちは茫然自失していた。仲間と故郷を同時に亡くしたのだから、仕方ない。

「アルス、戻ろう。このことをみんなに報告するんだ。それに、他のギルドがどうなっているかも気になる」

「そうだね」

 そうして俺たちは魔導具を使ってコンティネント・Mに戻った。




 俺たちが戻った時、ギルタリアが先に戻っていた。

「おかえり、ユークにアルス。どうやらあまりいい結果ではないようだな。」

「あぁ…」

 俺はできる限り詳細に説明した。森が燃えていたこと、ギルドが消滅していたこと、そしてサタンという男が現れたこと。

「なるほど、そっちもか。ギースにも魔王の手下が現れたらしい。俺が戻った時にはギルドは破壊され、メンバーのほとんどが負傷していた。幸いにも死者は出なかったらしいが…」

「じゃあ、もしかして、他のギルドにも現れたのかな…魔王の手下…」

「そうかもしれないな。とりあえず今はみんなが戻ってくるのを待とう」

 俺とギルタリアが会話をしていた時、アルスは何かを考えてる様子だった。

「アルス、どうした?」

「いや、ユークが使った技のことが気になってさ。サタンって男も気にしてたみたいだったし」

「あれのことか…実は俺にもよくわからないんだ。咄嗟(とっさ)に出てきたというか、気がついたら使ってたというか…」

「技?アルス、そのことについて教えてくれないか?」

 ギルタリアが不思議そうに聞いてくる。

「ユークが呪文みたいなのを唱えた時、精霊がすごく光って大量の水が津波になってサタンを襲ってたんだ」

「津波を発生させる精霊術か…聞いたこともないな」

 俺たちが話しているとアイリスが帰ってきた。それに続いてヴァンとハイムも帰ってきた。

「何の話をしていたの?」

「あぁ、何でもないさ。それより、君たちのギルドはどうだった?」

「残念ながら、敵襲を受けたようだったわ。ほぼ壊滅状態といっても過言ではないと思う。でも死者はいなかったようで安心したわ」

「メリアも同じような状態だった。聞いたところによると魔王の手下が襲ってきたという証言があった」

「シャルナは数人死者を出したようだがギルド自体はあまり破壊されていなかった」

 俺たちはこうしてそれぞれのギルドで起こっていたことを報告しあった。その時、残る一人のサトシが戻ってきた。

「ごめん、みんな待たせちゃったね。ちょっと立て込んじゃってさ」

 サトシが笑いながら駆け寄ってきた。そしてみんなと同じように状況を報告したのだが…

「ギルドは無事、死傷者もなし、しかし魔王石だけが消えていた、と…他のギルドとは状況が少し違うみたいだな」

 ギルタリアは首をかしげていた。それも無理はない。俺たちのギルドは度合いは違えど少なからず被害が出ているのに、ヤパンだけは魔王石が消えただけで済んでいたからだ。

「それにしても、メンバーの誰にも気づかれずに魔王石を奪うなんて、ある意味一番厄介かもね」

「姿を消していたのか、それとも…」

 アルスとアイリスが考えていた時、ギルタリアが割って入った。

「こうなったら行ってみるしかないな。どうも嫌な予感がする」

「そうね、いつ魔王の手下が現れるかわからないし、みんなで行きましょう」

 こうして俺たちは、サトシの故郷、ヤパンに向かうことにした。

ここまで書いといてふと気づいたんです。ここから始まるんだな、って。これめっちゃ話長くならない…?

多分順調に進んでも1年くらい書き続けるんじゃないかなとか思ってます。

蛇足ですが今某妖怪アニメ見てるんですけど、白犬さんかわいいっすね。前作みたいに「〜ヅラ」って言わなくなったから少し寂しい気もするけど…てか白犬さんの弟が本当は蛙だったなんて…かわいいからヨシ。

あとがきが長くなりましたが、次回はいよいよ旅(?)が始まります。やっと本編がスタートするって感じです。

乞うご期待!

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