物書きとして。
ーー私は悩んでいる。
小説とは何なのだろう? 書いてて楽しいが何かが違うのだ?
何が違うと聞かれれば、頭を悩ませるが間違いなく何かが擦れているのだ。
私の小説は曖昧でとても良い作品とは言えないのだ。
マイナス思考だと思わないで欲しい。
単純に一人称と三人称が理解できていないのだ。
勉強すればいいと簡単に言う人もいるが、どんなに読んでも書いていて違和感しかないのだ。
楽しく書いていた筈がいつの間にか迷宮に為っていると言った感じだ。
一人称は感情を書ける代わりに他の人物の心を描けない。
三人称は神視点だが、一人称のような自由はない。
悩み抜いたあげく纏まらない、まるで水と油を一緒にしているようなこの気持ち、いつからだろうか?
小説を知らずに小説を書き始めた私の初めての苦悩は知る人から見れば、私の作品は座三で拙く、表現の乏しい駄作にしか見えないとハッキリ言われた。
悔しくて悔しくて、色々な思いが混ざり白いキャンバスを全ての色で乱暴に塗りたくるような感情に襲われた。
そんな私はひたすらに書き続けた、いや、書くことしか出来なかったのだ。
未だに解らぬ小説の真意を知りたい、深意と真意の狭間に揺られながら、書き綴られた作品を読み直せば、涙が溢れでる。
私はバカだ……楽しい作品を書く筈がいつの間にか他人の眼を必要以上に気にしていたのだから。
何故だろうか、いつの間にか迷宮に居た筈の心は太陽に照らされ温もりに包まれていた。
暖かいと感じる物があると気づけたからだろか?
否、あるのではなく……ずっとあったのだときづかなかったのだ。
色んな人がいて色んな意見があり、その先に人がいるのだと忘れていた。
だから忘れないように此処に記そうじゃないか。
私はバカだから小説を好きになったのだ。忘れるな、楽しいから書くのだ。
辛いだろうが評価は今の実力である。其れを塗り替えるのは私だ。
そして、明日も笑えるように書こうじゃないか。私が読みたい作品は私の中にあるのだ。
それを描きたいから此処にいるのだとわかったのだから。
私は小説を書く。プロでもアマでもなく、一人の物書きとして。