【十二章】孤独の獣の守るべきもの 3
【削除のお知らせ】
クロス・ガーディアンを読んで下さっている皆様にお知らせです。
この度、読みづらいということと、ラストがグダグダしているという理由で、クロスを削除することにしました。
8月10日より、毎日一話ずつ削除をしていく予定です。
リメイク版のアップ予定は今のところ未定ですが、なるべく努力はしたいと思います。
ではでは、いつかまた会いましょう(´艸`)
有澤透真
海沿いのラブホテルに力の赤い車、FREEWAYは停められていた。
姫の好む淡いピンク色のシーツが、きっちりと綺麗に敷かれたベッド。
その上には姫がガウンではなく、体にタオルを巻き付けてちょこんと座っていた。
どうやらお姫様は、白いガウンではなくピンク色のタオルの方が気に入ったらしい。
そこへ、ガウン姿で濡れた髪をがしがしとタオルで乱暴に拭いている力が現れた。
自分から誘ったものの、時間が差し迫って来ると、やはり緊張して怖じ気づいてしまう。
姫は直視できない力の姿を視界に入れないように、眼を伏せて顔を逸らした。
「……姫」
名前を呼ばれただけなのに、疚しいことでも隠しているかのように困った顔で肩をすくめた彼女。
力は肩にタオルを引っ掛けて姫の向かい側に、ちょうど人間一人分をあけて座った。
怯えている彼女を見る眼は、いつも以上に真剣だった。
「こっち見て、姫」
姫は、恐る恐る、力に眼を流した。
しかし、その先にいたのは優しく微笑んだ力。
彼女は気が抜けて、ガチガチに硬直していた気持ちが僅かに軽くなっていくのを感じた。
「……姫」
甘いテノールの響きが、更に甘さを増して囁いている。
少しだけ、力が大人びて、そして魅力的に見えて、姫は胸を高鳴らせた。
その見つめ合った優しい眼差しが、急に思いがけない言葉をぽつりと、でもはっきりと言った。
「俺が本当に十八歳になったら……」
「結婚して下さい」
驚きを通り越しすぎて、驚嘆の声すら出て来なかった。
姫は息を引いたまま、グチャグチャに絡んだ思考で言葉の意味をもう一度整理する。
結婚――
要するに、プロポーズ。
力は、頭が真っ白になって眼が点になってしまっている姫に、連ねて告げた。
「一生、俺の隣にいてくれ。姫」
やっとの思いで、理解が出来た。
心臓が張り裂けそうな程高ぶって、
笑顔なのに、涙が次々零れ落ちた。
選択肢は、初めからたった一つしか存在しない。
「……あたしの、旦那様になって下さい」
――
二人は距離を埋めて、
抱き寄せ合って、
体を重ねた。
恥じらいも、
理性も、
必要のないものを一つ残らず捨てて。
軋むベッドの上で、
ありのままの姿で、
求め合って、与え合う。
激しく突き動かして、
それを受け入れて。
「……っ、……はァ…ん!」
ベッドが揺れ続けて、
刺激に襲われて、
体が反り弾かれる。
「我慢しなくていいよ……。気持ちいいんだろ……」
グロスを舐めて、
そのまま唇を塞いで、
舌で体を愛撫する。
攻めて、
「もっと出して、……エッチな声」
攻められて、
「……や…ッ、……あぁんっ!」
息を大きく荒げて、
「……ッ、……ハァ、ハァ」
泣きながら叫んで、
「んッ……、やッ! いやぁっ!」
迫る快感に耐えきれずに、
「……もう、無理!」
「あっ、あっ、……!」
絶頂に捕らわれて、
「――んぅッ!」
「――ッ! あァァッ!!」
体を震わせた。
「……っ!」
心と体で交わされた、
約束。
――
疲れ果ててベッドに横たわる力の寝顔は、幼くて愛らしさを感じさせる。
姫は、思わずライオン頭をナデナデした。
さっきまで自分を抱いていた時の獣っぽさは抜け落ちてしまって、ライオンというより、まるで猫のような表情だった。
「……おやすみ」
何よりも一番幸せを実感できる時。
けれど、
これが一日も持たない幸せだったなんて、この時点では知りもしなかった。




