もう1つの脅威
ゴブリンキング倒したことで、またレベルが上がった。しかし今はステータスを確認している場合ではない。
「一刻も早くここを離れないと」
他のゴブリン達も、メタスラが殲滅して戦闘が終わったのだが、今回は派手にやりすぎた。
「まだ、誰かが来ているわけではないようだけど、さっきの雄たけびや、衝撃音は村にも聞こえているはずだ」
このままここにいると、村人達が来る可能性がある。一刻も早く王都に向かうか…いや、一端村に戻って様子を見よう。
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村に戻るとやはり、あわただしい雰囲気になっていた。
「あっ!君!アキト君だったね。大丈夫だった?」
「えーと、何かあったの?」
村の衛兵が慌てて俺に声をかけてきた。
「ゴブリンの森付近で、大型のモンスターが戦っている可能性があるんだ。何か見てないかい?」
「そういえば、大きな雄たけびが聞こえたような…」
「うん、それはこの村にも響いていた。あの声はゴブリンキングの可能性がある。今この村は、超厳重態勢にはいっている。王都にも援軍を呼ぶために馬を走らせた…とにかく今は村からでないこと!わかったね!」
「う、うん」
「よし、それじゃあ俺は村長に話すことがあるからこれで!」
そう言って、衛兵は村長の家に向かっていった。しかし…
「ゴブリンキング1体で、超厳重態勢か…」
ゴブリンキングは、もう倒してしまったのだが…
モンサモプレイヤーとしては、この程度で焦りすぎな気もするが、この村にとってはゴブリンキングは脅威なのだろう。それよりも…
「援軍が来る…か。誰が来るんだ?」
この村にとっては脅威でも、王都にとってはどれほどの脅威になっているかわからない。もしかしたら、またザルテが…いや、ザルテだとゴブリンソルジャーより強いぐらいだ。ゴブリンキングには勝てない。
「となると、軍隊で来るか、もっと強力な冒険者が来るか…」
やはり、しばらく様子見のほうがいいだろう。どうせ、ゴブリンキングは倒していないんだし、王都の戦力がどんなもんかも見てみたい。
「森の様子を衛兵たちが確認しに行くみたいだし、俺は宿に戻ってステータスの確認でもしてるか」
俺は楽観視していた。まさか、ゴブリンキングよりも大きな脅威が、降り立っているとも知らずに…
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宿についた俺はさっそく部屋でステータスの確認をしていた。
ステータス
アキト(12)
LV12
体力30
魔力25
攻力25
防力25
モンスター863/1500
アイテム/装備品365/1000
ガチャポイント165342
ジェル26269834
イベント
ショップ
地図
「やっと普通のスライムと同じぐらいのステータスか」
レベル12でやっとスライム程の強さにはなれた。本当弱すぎだろ俺!…いや、この世界全体の人がこうなのかもしれない。となると、やはりザルテは相当な実力なのだろう。少なくともレベル50は行ってるんじゃないか?もしくは、人によってステータスの上がりが違うのか?
ああ、自分以外のステータスは見れないんだろうか。
「とにかく、王都から来る援軍を見てからこの世界の戦力を把握してみるか…あっ、ゴブリンキングがいないんじゃ、実力を確かめられないじゃん」
強い敵がいなければ、援軍が来ても意味がない。さっきそう思ったばかりなのに、単純なことに気付いていなかった。
「まあ、その人達にどれぐらいの実力か見せてもらえばいいか」
今の俺は見た目は子供だ。冒険者にあこがれる子供を演じれば、実力ぐらい見せてくれるだろう。
「楽しみだなぁ、さて、素材の整理でもして―――――」
ダンっダンっダンっダンっ!!
「坊や!大変だよ!」
「どうしたの?」
いきなり、宿屋のおばちゃんがあわただしく、部屋に入ってきた。どうしたのだろうか?
「大変なことになっんだよ!今、広場に村人全員を集めるように言われたんだ!」
「いったい何が起きたの?」
「炎龍が出たんだよ!」
「えっ!炎龍が!」
どうやら、ゴブリンキングより厄介なことになっているみたいだ。