レベルを上げよう
翌朝、俺とザルテは、宿屋の前に来ていた。
「なあ、本当についてこないのか?」
「うん、俺はここでしばらく訓練してから王都を目指すよ」
「うーん、なんなら訓練手伝うぞ?」
「なっ!いいよ別に、王都に依頼の報告もあるんだから早く戻った方がいいって」
「だがなぁ…」
「心配してくれるのはうれしいけど大丈夫だよ。近くに俺でも簡単な狩場があるって言ってたじゃないか」
「それもそうなんだが……わかった。じゃあ頑張れよ!」
「うん、ここまで案内ありがとう」
「いいってことよ!王都についたら冒険者組合にな!いつでもまってるから!」
「はいはい」
「じゃあまたな!」
「またね」
再会を約束し、ザルテは王都へと向かっていった。しかし…
「説得するのめんどくさかった~!!」
どんだけ心配性なんだよ!いくら子供だからって心配しすぎ!ったく、一人で行動したいのにザルテに居られても迷惑なだけなのに。
「でも、基本的にはいいやつってことなんだよな」
優しいからあんなに心配できるってことだろう。案内以外にもいろいろ世話になったし。
王都についたら、何か恩返しでもしようか。
「なにはともあれ、一人になれた。さっそく大草原に行くか」
別に、ゴブリンの森でもいいが、他のモンスターも確認しておきたいし、もし、ザルテが戻ってきても不自然がないようにしておきたい。
「確か大草原にはスライムくらいしかいないんだっけ?」
ザルテの話だと大草原にはいてもスライムくらいだそうで、初心者にはもってこいの狩場だそうだ。やっぱり、スライムは弱いモンスターと認識されてるんだなぁ…育てれば結構強いのにな。
とにかく、大草原だ!
ーーーーーーーーーー
大草原についた俺は、さっそくモンスターを探してみた。
「おっ、ミドリスライム発見」
少し離れた所の草陰に緑色のスライムを見つけた。
見る限りだと明らかにモンサモのスライムと一緒である。
「やっぱりモンスターは同じってことか」
となると、この世界には俺が持ってる激レアモンスター達と同じモンスターが存在しているかもしれない。いずれ、あってみたいものだな。まぁ、レベルが上がれば召喚できるんだけど。
「さてさて、まずはあのミドリスライムを倒すか」
ミドリスライムのステータスはブルースライムと同じで、功防20前後。レベルが最大でも90ほどだった。俺のブルースライム+99なら余裕で倒せる。
「ブルースライム召喚っと、いけ!あのスライムに攻撃だ!」
ブルースライム+99を召喚した俺はミドリスライムに向かって攻撃を指示した。
ミドリスライムも気づいたようだが時すでに遅し、すでに猛スピードで接近したブルースライム+99の突進によって、一撃で倒されてしまった。
同じスライムでも差がありすぎだろ…
「よし、次行こうか」
そんなこんなで、ミドリスライムを5体倒したところでレベル上がった。
ステータス
アキト(12)
LV4
体力16
魔力11
攻力11
防力11
モンスター866/1500
アイテム/装備品352/1000
ガチャポイント165133
ジェル26269308
イベント
ショップ
地図
「よし、これであいつが召喚できる」
あいつとは、俺がこの世界に来る前からパートナーモンスターに設定していたモンスターだ。様々なイベントでこいつには助けられてきた。レベルが上がったことで魔力が回復したし召喚するか。
「召喚!フルメタルブルースライム!」
召喚で出てきたのは、青銀色のしたスライムだ。大きさも普通のブルースライムと変わらない。しかし見た目とは違ってとんでもない性能を秘めている。
フルメタルブルースライム(UR)
Lv80(Max)
コスト10
体力1500
魔力500
功力1680
防力2000
スキル青銀の鎧 青銀の槍撃
あいかわらず強いな…なによりすごいのがコストだ。モンサモのモンスターにはN、R、SR、UR、ARの順にレア度がある。その中でもURとARはコストが高く基本コストは20~40となっている。しかしこのフルメタルブルースライムは基本コストが20~30のURの中で唯一コスト10のモンスターなんだ。もちろん強さも他のURモンスターと引けを取らない。
「こいつの使いやすさは異常だもんな…その分手に入れるのにすごく苦労したけど」
このフルメタルブルースライムを手に入れるのには本当に苦労した。当時、『青銀のスライム迷宮』というイベントがあったのだが、その中のイベントモンスターとして出てきていた。他のモンスターは倒せば手に入ったのだが、このフルメタルブルースライムだけは違った。手に入れるには、ドロップ率1パーセントのアイテム『青銀の大宝玉』を手に居れなければいけないこと。ブルースライムを+99にした状態で稀に進化するメタルブルースライムが必要なことだった。
モンスターを進化させるには『進化の魔石』というものが必要なのだが、イベントによっては~の魔石や宝石といったものが必要になるときがある。だが、その時のイベントでは、素材の他にもブルースライムを進化させなければいけなかった。それもただの進化ではなくイベント限定の進化だ。普通ブルースライムは進化するとビックブルースライムになるのだが、そのイベント期間はブルースライムを+99の状態にして進化させると稀にメタルブルースライムが出来上がるのだ。ただし、稀になので失敗するとビックブルースライム+99となってしまう。
俺がブルースライム+99を持っているのにはこんなわけがあったのだ。とにかく、途方もない作業を繰り返す事で、イベント最終日になんとか完成させることが出来た。あの時の喜びは人生で一番だったかもしれない。
「こいつは俺にとって最高の相棒だ」
「キュキュ!」
「やっぱりそうなくのか…よし!続きも狩るぞ!」
「キュ!」
こうして俺はフルメタルブルースライムと共に大草原でスライム狩りを開始した。