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三人のプレイヤー

「ごしゅじんどうかした?」


「いや、ちょっとな…」


なにやら固まっていた俺を心配してピュアが声をかけたが、考え事をしていて受け答えもあいまいになってしまう。もう一度、スマホに表示されているメールを見る。


ーーーーーーーーーー

こんにちは、プレイヤーの諸君!運営様だよ!


今まで一言も言わないでごめんね。でも、もうだいぶこの世界にも慣れてきたでしょ?なので、基本的な説明はしません!まあ、普通なら早く返してくれだの、助けてくれだのと色々言ってくるんだろうけど、君達・・はあまりそういうことは言わない人だと思ってるよ。なんせ、私達運営が選んだ選りすぐりのプレイヤー達だからね!


選りすぐりとは言ったけど具体的にどんな基準で何人の人が来てるかくらいは教えるよ。

私達は、あるそれぞれ三つの内の一つがより優れた人をイベントに招待したんだ。その優れたものは、運、努力、ずる賢さの三つだ。それぞれの分野でより優秀な三人を今回はこの世界に招待してる。そして早速、その中の一人がイベントクリア条件の討伐対象の七天魔将を一人倒した。この結果に私はとても驚愕したよ!

なんせその七天魔将を倒したのが、召喚されてたった数日のことだったんだから!

他の二人もめまぐるしい成長を遂げているようだし、これなら安心だよ。引き続きクリアを目指して頑張ってくれ!


おっと、もう一つ伝えておくことがある。実は、この世界には特殊モンスターというのがいてね。ある特殊な条件で進化するモンスター達なんだよ。その一体一体は強力で、私達運営でも予測できないことがある。

もし、見つけることが出来たなら頑張って捕まえてみるといいよ。システムにも捕らわれないほどの力を持ってるんだ。このイベントをクリアするのもあっという間になるかもしれないね。ただ、とても強力で、捕獲するにも普通の方法では難しいと思うから健闘を祈るよ。


では、三人のプレイヤー諸君!頑張ってくれたまえ!

ーーーーーーーーーー


「なんというのか…突っ込みどころ満載というか…」


とりあえずこのハイテンションな運営様のことは気にしないでおくとして、内容としてはとてもいい情報をもらえた。


「プレイヤーが三人…ね」


この世界には何人のプレイヤーがいるのか気になっていたけど、まさか運営から教えてもらえるとはな。

一人は俺で、もう一人が勇者、もう一人は不明だが、めまぐるしい成長を遂げているらしいからそのうち出て来るだろう。


「そして、選ばれた基準が運、努力、ずる賢さか…なんとなくわかる」


まず俺は、努力で選ばれたのだと思う。このモンサモが開始された日から、欠かすことなく毎日プレイしていたのは俺ぐらいだ。それに飯やふろ以外はほとんどプレイしていた。おかげで俺は親から何してんだみたいな目で見られていた。一日中毎日継続していた、これが俺の努力として選ばれたという事だろう。

では、勇者は何だろう?さすがに、あの勇者がずるをしているとは思えないから運で選ばれたのだろう。運がなんだというのかと思うかもしれないが、これが侮れない。


「運はモンサモでも重要なパラメーターのひとつだ」


例えば、俺がノーマルガチャを10回引いたとしよう。引いたモンスターの内二体がR以上だった。

それに対して、運が強い奴は10体中、5体はR以上を引くだろう。これで、俺とそいつとでは大きな差が出る。本当にそんなやつがいるのかと思うやつもいるだろうが、実際運だけでモンサモの上位プレイヤーになった奴を何人か俺は見た。運営が運を基準にするのも頷ける。


「となると、最後のプレイヤーはずる賢いのか」


最後のプレイヤーがどんな人なのかはわからないが、とても厄介な存在になるのは確かだ。このずる賢さとは、『そのゲームのためならどんなことでもやる』プレイヤーということだ。ゲームで最上位を目指したいがためだったり、大好きなゲームのためだったりと理由は様々だが、このタイプのプレイヤーは何が何でも、どんなことをしてでもゲームを攻略していく。


こちらも例を出すならまず、このモンサモ以外のゲームにもある、『課金』というものが良い例だろう。

真にゲームを愛する者は惜しみなく金をそのゲームに使う。時に俺のように、途中でなんでこんなことに金を使ってたんだろうと後悔するものもいるが……うん、あの時は若かったんだよ…


とにかく、途中で折れることなく真にゲームを愛し課金するものは、ほとんどが悔いや後悔がない。これもそんなことを言っている奴らを見てきた俺の感想だ。ちなみに俺はこのゲームでは課金をしていない。してたのは前のゲームだ!前のゲームで課金の恐ろしさを知った俺は課金なしで頑張ることにしたのだよ。

ま、まあ話を戻して、ずる賢いには『課金』以外にもさまざまな方法がある。あるゲームでのオークションでアイテムをだまし取ったり、システムをすり抜けて裏技を見つけたりとなんでもありだ。


「ある意味、三人目のプレイヤーが一番の最難関となるかもな」


ずる賢いはずる賢いでも、そのプレイヤーが賢いのには変わらない。俺という存在をどんなことをしてでも見つけに来るかもしれない。ま、俺もそう簡単には見つかるつもりはないけど。己のためにも。


「さて、いい情報も手に入った。今日はまず、冒険者に行って依頼の確認をしたら、適当にザルテ達から逃げるか。訓練は出来るだけ受けたくないし」



今日もなんとか平和でありますように。…これフラグ?


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