ゴブリンに転生したので報告します。
ゴブリンに転生して早5年。
のんびり自給自足を楽しんでいる。
あっ申し遅れました。
自分は来田可香三と申します。
ちなみに男です。
享年32歳、ビル火災に巻き込まれてしまい、死んだと思ったら異世界でゴブリン転生。
神様には会わなかったが、
①前世の記憶持ち
②「小説を読もうで」転生物読み捲り
③小説の影響で雑学習得
皆さんお分かりでしょう、、、
「転生キタァーーーー(°∀°)」
「チートやったるでぇ\(^o^)/」
叫ばずにはいられなかった自分を恥じらいてはいないのですよ。ハイ。
でも現実は厳しいよね。
この世界でゴブリンは土妖魔と言う種類にあたり、言わば害獣扱いなんですよ。
人族の作物は荒らすわ、集落は襲うわ、と救いどころがないのは小説と一緒なんですよ。
ちなみに土妖精はノームと呼ばれ土地を豊かにすると崇められてます。
そんな害獣扱いですから、定期に狩られます。
殲滅ですね。
えぇそれはキレイサッパリと「汚物は消毒だぁー!」と言わんばかりに。
剣や魔法でザクザクブシャーですよ。
なんで生きてるか?そりゃ他ゴブリンを囮に逃げたから。
えっ?仲間を助けないのか?
だって基本ゴブリンは脳筋ですから襲撃されても、逆に襲いかかるんですよ。
それにせっかく異世界に転生したのに、早死にするつもりはありません!
だって自分、
「スキル持ってませんから、、、残念!!」
…………そこ!古いなんて言わないで下さい。
まぁノースキルのゴブリンですから、逃げたのは勘弁してくれませんか?
それからは一人?いや一匹で自給自足ですよ。
動物狩ったり、果物採ったり、家を作ったり、なんとか5年生き延びてきましたよ。
経過で言うと、
一年目、転生、襲撃、ぼっち
二年目、狩り、採集、ぼっち
三年目、建築、農業、ぼっち
四年目、襲撃、逃走、ぼっち
五年目、修行、救助、ぼっち?
いやー四年目に冒険者に襲われたのはビビりましたね。
やっと家と畑作って一段落ついたからと家で休んでたら、
①扉からノックの音
②開けたら目の前に美人のお姉さん
③お互い悲鳴
④お姉さん抜刀
⑤自分逃走
以上!
また逃げたのかって?
一対一なら対応したかも知れないけど、他の冒険者も居ましたし。
えっ!対話しなかったのかって?
日本語話せるけど異世界語はわかりませんよ。
だって話し相手いなかったし(ToT)
スキルだって「木工」「農耕」「採集」「料理」「解体」「薬剤」と生産スキルメイン、攻撃向けは「槍」「土魔法」「罠作成」これだけです。
まぁ生産チートは目指せるかもと喜んでいますが。
敵前逃亡の理由は
①家の中だったから槍は持ってなかった
②魔法は詠唱に時間がかかる
③生活空間に罠は張らない
と納得頂けたでしょう。
えっ?警戒しろ。ごもっともです。ハイ。
無事、逃げ延びて隠れ過ごす事一週間。
戻ってみれば、家も畑もメチャクチャだったのは辛かったです。
これを教訓に自分は強くなるための修行を開始しました。
色々やった結果、オークやコボルトなどの獣妖魔を一対一なら勝てるまでに成長しましたよ。
そんなんでドヤ顔するなって?
これだから素人は!
いいですか?自分は「ぼっち」なんですよ。フォローしてくれる人がいないので囲まれたらアウトなんです。傷を治すのも自分で処置するんですよ。基本能力がゴブリンより高い相手に勝つには数の暴力でゴリ押しするのが本来のゴブリンなんです、分かりましたか?
えぇ、分かって頂けたのならいいんですよ。こちらも感情的になってしまいすみませんでした。
はい?救助ってなにを助けたかって?
えー冒険者です。テンプレです。あの美人のお姉さんです。
川に水を汲みにいったら倒れてました。
どうやら夜襲に遭ったらしく他の冒険者は全滅。お姉さんも瀕死でした。
慌てて自作の回復液を飲ませ、薬草を貼りつけてから新たな家に運びました。
いやー金属の鎧は重たいですね。
お姉さんは?軽かったです、ハイ。自分死にたくないので、ハイ。
お姉さんはしばらくしてから目を覚ましました。
いまだに言葉は分かりませんがボディーランゲージで少しは意志疎通は出来たと思います。
警戒はされてますが、食事と回復液は食してくれてます。
介抱して三日目、お姉さん全快だそうです。回復液が思ったより効果が良かったみたいでした。
美女と害獣、長い時間は居れません。
お別れの時です。
お姉さんに他の冒険者の遺品を渡して、森の終りまでお見送り。
何か言ってましたがやっぱり分からず。多分「ありがとう」と言われたと思います。お辞儀されましたから。
さて家に戻ってみれば、ゴブリン一匹。だった三日ですが他人と居たのは久しぶりに楽しかった。
本当に楽しかった。
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本当に、、、寂しい。
それでも自分はゴブリン。
今回の様なイレギュラーでなければ人族と関わりは持てない。あとは駆除の対象ですし。
だったら他のゴブリンと関わり合えばと思うが何か違うですよ。ワガママですみません。
まぁ落ち込んでも居られない、日々の生活もありますから、明日に備えて寝ます。
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あれから月日も経ち転生してから六年目。
あれから大きなトラブルも無く、畑に狩り、今では飼育もこなしてます。完全に農家ですね。
ん?番犬がわりのハイウルフが吠えてますね。冒険者かなぁ。それともオークか。面倒くさいです。
ちなみに家畜とペットは餌付けで付いて来てくれました。
外に出れば、あの助けた美人のお姉さんがいます。
はぁ?なんで?自分はマヌケ面をしたままハイウルフをなだめ、ボディーランゲージ。
えーと、お別れの際に渡した回復液が良かったから、売って欲しいと?
『ゴブリンに金貨』って、要らないですよ。使えませんから。
そんな困った顔しないで下さい。
まいったなぁ。
それじゃ収穫を手伝ってもらいましょう。
身体で払って貰います。言い方が卑猥ですね。
さてと、あーそんな取り方ダメですって。
こうですよ、こう。
いや、ゴブリンに指摘されたからって凹まないで、は無理な話か。
そうです。いいですね。ハイ助かりました。
報酬の回復液を貰ってお姉さんニコニコ笑顔。
ん、良かった良かった。
また森の終りまでお見送り。
勿論、他の冒険者に見つかるヘマはしませんよ。
あーあ、またお姉さんは来てくれるかなぁ。
少し楽しみが増えました。
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さてゴブリン生活も七年目。
今年の目標は異世界語の習得とします。
お姉さんと話したいですからね。
ひとまず報告?は以上になります。
なんですか?
お姉さんとのラブコメ?
他の冒険者や獣妖魔との戦闘シーン?
生産チートはどうした?
自分、文才ないので勘弁してくれませんか。
それでは次回があればご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ...
懐かしいと言ったの誰!!
※補足です。
この異世界ではスキル習得は誰でも出来ます。ただし習得に得意不得意があり、時間がかかります。
またゴブリンなのに魔法を覚えたのは種族特性です。でも通常のゴブリンは覚えません。脳筋ですから。
小説の書き方も分からない素人作品を読んで頂き本当にありがとうございます。
アドバイス頂ければ幸いです。