泣き虫魔女と村人たち
先日のエッセイの件では、あたたかいお言葉や評価をたくさんいただきました。
これ以上感想が届いたら毎日泣くハメになると思い閉じたのですが、活動報告でも慰められてます。
……水分補給が大事な季節に泣かせないでくださいありがとうございます。
こちらは、そのお礼の短編となります。
お口に合うかわかりませんが、書かせていただきました。
<初めて読まれる方向けに>
リオナ :村に住む幼女(7歳)
村長 :村長(60歳)
小桃 :本編メインキャラ(17歳)
ももねえがこの村に来てから、たぶん……1週間? それくらいかな?
………どうしよう。
なんか、よくわかんないけど、どうしよう。
……ええい、こういうときは、そんちょう!
「いた! そんちょー!」
「ん? リオナか。そんなに慌ててどうしたんじゃ?」
「ももねえが…ももねえが、泣いてるの!」
「ふむ、またか。どれどれ……」
……え? 驚かないの? なんで?
「泣いてるんだよ? かわいそうだよ?」
「そうなんじゃがな。まあ大丈夫じゃ。ほれ、村人がもう集まっとる」
「え……あ、ほんとだ」
ももねえのまわりに、村人がたくさん集まってる。
ちょっと離れて見てようかな……
…………うそ!
ももねえ、たかいたかいされてる……!
「そんちょう。ももねえ……慰められ……じゃなくて、あやされてるよ?」
「うむ。前も泣いとったんじゃ。何が悲しいのか聞いたらな――
『すまほが恋しい』って言ってな。
さっぱりわからんし、面倒くさくなってワシもあやしてやった」
「……あやすって、なにしたの?」
「ん? ワシはおんぶして村中歩いたぞ。
恥ずかしくなったのか、泣き止んでくれたわい」
「それ、イジメてない?」
「泣きやんでくれるならええじゃろ。……ほれ。もう泣きやんで、モジモジしとる」
「……いいのかな、それ」
「リオナも今度見かけたら、あやしてやれ。
そんなことされたら、小桃は一生――いや、“ずっと”覚えていくじゃろうな」
「う、うん……」
……今度泣いてたらどうしようかな。
あっ、頭ナデナデしてあげようっと!
私「よもや、この名前がこんな風に役立つとは……よもや、よもや……!」
小桃「巻き込まないでくれる?
……わたし、完全に被害者じゃん!」
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いつか本編の人気が出たとき、
「ここで小桃をあやしたの、オレ(アタシ)だよ」って自慢してもらえるように――
がんばります。




