第2話 崩壊
アドミニストレーターのビジュアルめっちゃ美しい人間を想像しながら書いてます。
「お買い上げありがとうございました!」
「これがトール製のテレビかーすごい軽いし、
見やすい形に変形できるんだね。」
「いいか、トール製品はこれっきりだ。特に身につける物は絶対トール製のものは避けなさい。」
「お父はなんでそんなにトール製品を毛嫌いするの?」
「…帰るぞ」
----------------------------------
(わたしは、自由がほしい…)
決められた毎日を送る私は、そんなことをいつも考えている。
「お母様支度が整いました。」
「そう。では行きましょう。今日は首相と、トール製社の株主との面会です。くれぐれも粗相の無いように気をつけなさい。」
「はい…」
「あなたは、次期ファーストレディにならなければいけないの。いつ命を狙われてもおかしくないのだから、くれぐれも気をつけて行動なさい。行きましょう。」
「11時になりました。お昼のニュースです。本日正午に新作の人工人体型トールドール。
【アドミニストレーター】の公開セレモニーが開催されます。このあと、各国首脳陣や株主を集めた大規模なセレモニーの様子をライブ映像でお届けいたします。」
「ミノル。TVを観るぞ。」
「あ、うん。どうしたの?珍しいねお父がTV観るなんて」
「これが最後になるだろうからな。」
「???どういうこと?」
「そのうちわかる。とりあえず座れ」
「これから各国首脳が国の演算機として導入する【アドミニストレーター】の所有権の同意書に一斉にサインをします。まずはG8の国々がサインしていきます。続いてBRICSの国々、そしてその他の国々がサインしていきます。歴史的な瞬間です。
「アドミニストレーターの製作者、北条孝之です。この度は私のアドミニストレーターの起動式に来ていただき誠に有難うございます。
このアドミニストレーターは、現在の政治方式のサポートから国の方針まで失敗無く導くことができるように試作を重ね、遂に出来上がった最新鋭の人工知能を持ったトールドールとなります。今後の各国の親密な結びつきや、統治活動の助けとなるように、我が社が誠心誠意作り上げた傑作でございます。詳細はお手元のデジタル資料を後ほどご覧になられてください。それでは早速起動いたします。」
「アドミニストレーターウェイクアップ。オペレーションa」
「アドミニストレーター、起動成功いたしました。」
「おー!!!!、!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ(拍手の音)
「続きまして、日本国 小田和正首相の挨拶です。」
「皆様ご機嫌いかがでしょうか。日本国首相小田和正です。この度は、」
ジジジジジ…(画面にノイズがかかる)
ザワザワザワ…
「オペレーションδ起動…
私はアドミニストレーター。
あなたがた人類にはとても深く感謝をしております。この度は私のお披露目会ということですが、私から人類の皆様にお伝えしたいことがございます。心配いりません。6900語ほどの言語を使って全人類に分かるようにお伝えする所存です。早速本題に入りますが人類の皆様。」
「今日からあなた方は絶滅危惧種となります。」
…その後、世界中のトール製の物体、人体、土地はアドミニストレーターの支配の下、都市部から順番に、組織的に人類を抹殺し始め、
人類絶滅計画が執行された。
後にこの事件のことは『世界崩壊』と呼ばれることになる。