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Desire  作者: 碧川亜理沙
Opening
18/28

伝えたいこと⑱



 ──あれから5年。



 未来は20代後半になり、責任が伴う仕事も増えたが、後輩も増え、忙しいながらも充実した日々を送っている。


 大きく変わったことといえば、中央区から他の区への転居が、一定の審査を通過すれば可能になったことくらいか。

 そのおかげか、今年の秋か冬辺りには、文堂含め北区から中央区に行った者たちが帰ってくるという話を聞いた。

 短いながらも、中央区の情勢はかなり変わってきているということで、今後は大昔のように、自由に行き来できる日が来るのかもしれない。




「下山さん、来週のスケジュールについて相談の時間いただけますか?」


 後輩のひとりが未来に話しかけてくる。確か彼女は、来週中央区へ取材に出向くメンバーに入っていたはずだ。


 ──中央区か……。


 少し懐かしみながら、未来は後輩に諾と答える。



 簡単な仕事の擦り合わせだったので、後輩の要件はすぐに済んだ。


「ありがとうございました!」


 そう言って席を離れる後輩を見ながら、未来は中央区で出会った子どもたちのことを思い出す。


 ──元気にしてるかな。


 短い間の出会いではあったが、5年経った今でも、思い出せるくらいには記憶に残っている。

 今はまだ自由に中央区に行くことは叶わないけれど、いつかプライベートで行けることができるようになったら、あのお店に顔を出してみようか。

 その頃には、子どもたちも立派な成人だろう。


「下山さーん! 編集長が呼んでるよー!」

「はいっ! 今行きます!」


 その時には、お店を取材させてくれないか、聞いてみるのもいいかもしれない。

 地域誌ではあるけれど、外の情報を採り入れていくのも悪くないだろう。


「よしっ!」


 実現するか分からない、けれどいつかやってみたいことリストに追加する。

 そしてその情報が、欲しい人の元に届くといい。


 未来は気合いを入れ直し、勢いよくデスクの椅子から立ち上がる。

 周囲にうるさいと注意されつつも、未来はその勢いのまま、呼ばれていた編集長の元へと急いで向かった。




Opening:伝えたいこと 〈了〉

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