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死線
「私は私を許さない」
鉛臭い空気の中、そう言って彼女は消えた。
「おい、起きろよ」
聞き覚えのある声に意識が引き戻される。
どうやら親友の結依が起こしてくれたようだ。
とっくに休み時間がはじまっている。
「寝不足か?というかこの前言ってたストーカーは大丈夫なのかよ」
そうだ、私はここ最近帰り道視線を感じる。
不気味な視線、どこか冷たく、狂気を感じさせるかのような視線。
初めは気のせいだろうと無視をしていたがこの前私は見てしまった、カッターを持った少女が私の家の前に立っているところを。
女が女に命を狙われるというのも謎だがこのようなことがあり、絶賛睡眠不足中だ。
「うん、別に平気だよ」
「本当に?何かあったら言えよな」
結衣は優しい。
私はその生丸い優しさに浸かっている。
「大丈夫だってー」
1日が終わった。
あいにく視線は感じる