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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:93 時の魔人

 そんな風に異世界でひっそりと政治家下げが行われている中、精霊は働いてくれていたみたいです。


「近く、セレノ、村あるした」

「向かいますか?」

「ンーン、他、発見、待つする」


 精霊がここに伝えに来るからだって。そりゃそうか。ご飯を食べてまったりモードってことだね。

 ハヤテは仕事をするつもりなのか、屋根の上に陣取ったよ。僕も念のために、上空で散らかってるのです。いやあ、火事が心配だし。だってフーちゃんは森がハゲても、全然気にしてなかったからさ。


「ばっちゃま、フィギュア、遊ぶする~」

≪それならドラゴンセットも出そうじゃないか≫


 食卓は結構大きいので、遊ぶスペースが取れるよ。ドラゴンセットだけじゃなく他のも出したら、フーちゃんがいらん(・・・)ことを始めた。


「フヒッ、へっへ、フーちゃん、そりゃあいくらなんでもっ」

「あはははドラゴンさんが可哀想でありますよ」

「面白いなるしたっ」


 お茶をこぼすルァッコルォを、口を開けて身をよじるポーズのドラゴンの上に乗せた。ドラゴンのほうは可動フィギュアだからね。ポーズも自在だ。みんなでキャッキャしておられますよ。平和ですなあ。


≪お婆ちゃんが役に立ってない件≫

「んん~……、ンッ!」


 もう今の時点でプルプルしてるじゃん。スゴクいらんことを思いついたらしい。

 ドラゴンのお腹辺りを曲げるフーちゃん。キンタマを殴られた、くの字の王子をそこにセットした。そして少し離れた場所に、えぐり込むようなアッパーを放つお婆ちゃんを置く。


「ブヒョーーーーッ、きゃきゃきゃきゃっ、ッグフ、きゃきゃきゃ」

「お止めくだされ! フ、フーちゃんっ、お止めくだされぇぇっ!」

「──ッハハハハッ、あぁあぁあああぁぁっ、ダ、メ、フーちゃぃひひひはははは」

≪平和なのになんてヒドイありさま!≫

「ジュピピチチッ!」


 そんな爆笑中の僕らの所に、ハヤテが焦った様子で乱入してくる。まあ、ビックリするか。地面からエルフが生えたもんね……僕もビックリしたよ。

 ニョキッて急に現れたし。


≪誰か来たけど……今は無理かぁ≫


 そんなわけで、僕が挨拶するしかないよ。超美形のエルフ兄さんに。気後れするよ? こんなの。キレイな顔しかいないのかよー、エルフってぇー。

 ゆるっとしたローブを身に纏ったエルフ兄さんが、ゆるっと手を上げてこんにちはしてきた。


≪こ、こんにちは。ポーです。ポヨヨの森のポヨポヨポー≫

「おおっ、君は言葉を理解しておるのだね。ウム、こんにちは。私はセレノの森のモラレス。連絡を受けたので参ったのだよ」

≪あーっと、そのぉ、申し訳ないです。今は爆笑中で、お話になりません≫

「構わぬ。私も見せてもらおう」


 とか言ってカオスなジオラマセットに近づいたモラレスさん。それは笑い転げる人を、1体追加するだけの行為だったよ……ぶほょぉっとか言ってたし。四つん這いになって床を叩いてる。どうすんのさ。キレイとカワイイが笑い転げるこの惨状。

 なにがどうなって地面から生えるのか、ってのを聞きたかったのに。


「やれやれ、ようやく落ち着けた。これほど笑うなど久しくなかったことだ」


 そう言って、改めて自己紹介をしたモラレスさんに、手紙を渡した。


「リィロレッタ、手紙預かるしたー。おさ宛てぇ」

「うむ。確かに預かった。リィロは元気にしておったか?」

「元気でありましたよ。お子さんが物凄く可愛らしかったであります」

「なー。この子、ニーナちゃん」


 ワワンパァがニーナちゃんのフィギュアを見せた。


「おお! 確かに確かに。ラマザン陛下の特徴も受け継いでおるのだな」

「ラマザン? 誰あるする?」

「東大陸の王様じゃ」

「ゴエモン様でありますよ?」

「あ、思い出すした。ラマザン・ムビした~」

≪いや、だから……ソレは秘密だってば≫

「「「……」」」

「大事ない。セレノの森も知っておるゆえ。だがポーの言う通り気を付けてくれ」


 知ってるのはセレノの森とスー家だけだってさ。そしてその極秘情報を、僕らが知ってることに驚いてたので、経緯を説明する。銀コケシのことだね。


「なるほど……ゴエモン殿の時代から現代まで、活動しておる可能性が高いのか」

「手紙の内容もそのことでしょうな」

「ふむ、長衆の会議になるやもしれぬな。分かった、すぐにでも届けよう」


 そう言ったモラレスさんは、表に出てチュルンと地面に消えてしまった。


≪あー、その技、どうなってんのか聞きたかったのに≫

「地面に吸い込まれたで!?」

≪来た時は生えたんだよ!≫

「ど、どうなってるのでありますかっ?」

「ンー、おそらく速いする。歩く、走る、以上。速いなる」


 フーちゃんの話では、地面に干渉できる精霊なら、地中を移動できると思うってさ。フーちゃんは飛べるから、やったことはないそうだけど。

 地面に干渉すると、こんなこともできるよーって見せてくれた。


「ルーちゃん、そこ、走る」

「分かり申した」


 走るルァッコルォが、後ろに進んでる。仕組み的にはルームランナーなんだろうけど……地面は動いてないや。


≪スゴイ!≫

「不思議じゃ!」

「なんか気持ち悪いですな……」

≪そういう道具があったよ。室内で走って運動するヤツなんだー≫


 速度とか距離とか脈拍とか、そんなのを合わせてどれくらいの時間で、どれくらいのエネルギーを消費したのか分かる、って説明したら引かれてしまった。


「肉体美というのは分かりますが、そこまで必要なのでありますかぁ? エェ~?」

「自然、一番」

「食べ物まで制限するとか異常じゃあ」

「うん。カナシイなる」

≪大食い選手権とかもあるよ≫


 速さとか力強さとか、よく考えたらいろんなのがあるね。


≪この世界はないの? なにかを競って1位を決めるみたいな大会≫

「東大陸じゃったら魔力使用なしの武術大会くらいじゃね」

「魔法、魔術、使う。被害大きいなる」

「もう終わってますので次は来年ですな」


 見てみたいかも。フーちゃんは、そわぁってなってるから参加したいのかもしれないね。南大陸や西大陸のことは知らないってさ。

 そして魔法と魔術って違いがあるんだなーって、今知りました。説明求むっ。


「えっとねえ──」


 ワワンパァ教授からの説明によると、アビリティとスキルみたいなものっぽいね。ゲーム的な。

 魔法はアビリティで、そのキャラ固有の能力。フーちゃんの精霊魔法みたいな。

 魔術はスキル。法陣術とかみたいに、技術体系ができてるものだそうな。なんか別にさあ、全部魔法でいのでは?


「魔法を万人が使えるようにした、人族はスゴイのであります」

「発想、柔軟。スゴイする」

「世紀の大発明じゃもんね」

≪おお、それは確かにスゴイ!≫

「あとご飯、天才する。スゴイ、美味、天才! 究極お肉術っ! 天才っ」


 なにやら人族は、いろんな分野の技術を躍進させたみたいだね。エルフは魔法がスゴイとか、ドワーフは物作りが飛びぬけてるとか、獣人系は全人類を虜にするとか。褒め合いながらテレテレしてる。


 それぞれの種族が、それぞれに敬意を持ってるみたいで良かったぁ。

 ○○至上主義とかいなくて良かったぁ。

 いたらいたで、フーちゃんみたいな人たちが、お仕置きしそうではあるけど。


「狼煙、再点火行くする」


 煙が減ったから火力アップさせるってさ。


≪行ってこようか?≫


 みんな行くってさ。僕だけでいい気もするけどね。まあ断るほどでもないし行きましょうか。セレノの森には伝わったので、2ヶ所分でオッケー。フーちゃんが青と緑の色付け玉を持ってきた。僕は薪係り。


「セレノ、近く、いこと……コロロ、クララ、遠いあるぅ?」


 その質問に答えられる人物は、ここにいません。時間だけが回答を知っているのです。


 そんな時間くんに、もてあそばれた僕たち。

 暇すぎて暇すぎて爆発しそうになったころに、やっと2つの村の所在地が判明したよ。言われてた通り、確かに暇だったもんなあ。帰郷を嫌がったのも納得だった。フィギュアとハヤテを愛でるだけでは、3日という時間は長すぎたのです。


 おのれ、時の魔人めぇ。フリガナを「ひまじん」にしてやる。


 そして村の場所だけど、どっちも微妙に遠いっていうね。ここからコロロとクララまでは、同じくらいの距離。そしてコロロとクララも同じくらい離れてるという、ホントもう実に面倒くさい距離感だった。


 メンドクサイ。


「ね? 面倒なるしたっ」

「暇じゃったしぃ……」

≪しかも今日は日が暮れそうだし、出発は明日だね……≫

「こうなったら、是が非でも世界樹だけは見たいであります!」


 それは楽に見れるといいなあ。でも明日の行き先は、世界樹じゃなくてクララの森です。

 お使いクエストはゲームの中だけでイイヨ……。

次回≪MISSION:94 選択≫に、ヘッドオン!

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