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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:92 悪辣

≪連絡入れておいた。向こうの僕はAWACS(エーワックス)になって、一応警戒しておくよ≫


 残機の量はアッチのほうが圧倒的に多いから、戦闘系のオイシさでも時間稼ぎはできると思う。僕はしぶといのだけが取柄。

 最終的に僕らがオイシイ思いをするとしても、過程で危険があることも分かったしね。ストームジャイアントのダンジョンで。


 まあ僕らが言ってるだけで、全部が全部オイシイって訳ではないと思う。ルァッコルォのはイベント予知だしさ。


 警戒する場所は、王都アベルガリア、商業都市のラウファルダ、ワワンパァダンジョン。あとは村とか町だね。都市間移動しかしないので行ったことはないから、どんなところかは知らないけど。


 飛んで移動しちゃってるから、僕らは寄る必要がないし。でも普通は馬車移動だから、休憩とか宿泊に使ってるはずなので寂れてはいないはず。


「用事、早い終わるさせる。早い戻るする。寝るする~」


 サクサク終わらせたいフーちゃんに従って、お風呂とご飯を済ませた僕らは就寝。日の出前に叩き起こされた。


「フーちゃんが、ポーちゃんの慌ただしいところを学んでしもうた」

「眠いでありますぅ」

≪エェ? 僕のせいじゃないよー≫

「お風呂入るする。朝まで入るする……臭い、入るする……」


 酒風呂で2~3時間ほど、煮込まれなくちゃいけないみたい。その場所は森の精霊が沐浴してて、たまたま裸を見ちゃうイベント会場っぽい感じ。酒温泉の真ん中に木が生えてるよ。花びらが舞っててキレイな場所だねえ。


「想像より匂いはないですな」

≪だね。なんかお酒はチョビッと入ってるくらいでいいって、なにかで見たような気がするし≫

「ウチぁ残念な気持ちになった」

「お酒、臭い。嫌、気分」


 ワワンパァはお酒が好きなので、物足りない。そしてフーちゃんはお酒が好きじゃないから、チョットの臭いも気になる、と。

 見た目は素敵な温泉なのに、このふたりからは残念温泉の烙印を押されちゃった。


「ウチんとこも木ぃ生やそうっと」

「お酒、ないする、ね?」

「大丈夫じゃ。フーちゃんがおるとこで飲んじょらんじゃろ?」

≪フーちゃんいなかったら毎晩飲んでるけどね≫

「お好きですなあ」

「心のエネルギーじゃもんね~」


 温泉に併設されてる、打たせ湯の水バージョンで身体を冷やしながら、僕らはしっかりみそぎった。


「連絡所、行くする。あっち、朝ご飯する」

≪オッケー≫


 ワワンパァは景色が気に入ったようで、ここで食べたかったみたい。だけど狼煙を上げて、返事を待たなくちゃいけないからってさ。

 フーちゃん的に、北大陸へ上陸することは決定済みってことだね。


「では参りましょう。それがし、お腹が空き申したぁ」

「んっ。私、同じ。急ぐする」


 ここから北東に見えてる山の上に向かうそうだ。狼煙のろしを上げて、村の場所を教えてもらうんだって。村が定期的に移動してるからそういう手段が必要なんだろう。

 ここまで来ても、世界樹が見えないことと関係してんのかな? 秘密結界の維持とか?


 フーちゃんがアワワってなった。

 聞くのは止めておこう。しかも極秘情報を漏らしそうだし。


≪フーちゃんストップ。内緒ってことなら言わなくていいよ。しー≫

「じゃね。アワアワしちょるだけでもカワイイけん」

「あら? ということは、それがしたちは世界樹を見ることが……?」

「んー、それ、聞くする。今、分かる、ないあるする。私、平気、思うする」


 フーちゃん的にはオッケーっぽいし、チャンスはありそうな感じ。秘密なのは、世界樹を隠す技術なのかな。

 せっかくここまで来たんだから、世界樹は見て帰りたいよね。


 僕らはフィアフィア航空を使って、1時間くらいの空の旅。山頂にあるという連絡所に到着した。連絡所とか言ってたから、エルフの施設で職員とか住んでるのかと思ってたけど、コテージだったよ。


≪全部自分でやる感じなんだね≫

「そう。狼煙、上げるする。3個」

「ほんならウチぁ、ルーちゃんとご飯作りょうるわ」

「お肉願うする!」

≪アイアイ~。それじゃ冷蔵庫分の僕を残して、フーちゃんに付いて行こうっと≫


 それなら僕を半分に分けて、薪を持って行ってってことだったので、小型輸送機になりましょう。

 でも狼煙って長距離の連絡ってできたっけ?


「精霊さん~」

≪なるほど~≫


 狼煙を見た精霊が手伝ってくれるそうだ。連絡所のご近所さんだけじゃなく、他の精霊にも伝えられるから、狼煙を上げるみたいだね。

 フーちゃんは棚からゴソゴソと3色の泥団子(?)を取り出して、見せてきた。


「色付け、玉ぁ」


 緑がコロロ、青がセレノ、赤がクララってことだそうだ。ナターリャさんは血みどろナターリャだから?

 あ、違う、と。割り当てが、たまたま赤ってことらしい。

 なるほど。

 僕的には暴れん坊なコロロ組が、赤とか黒なイメージなんだけど。


 狼煙の色が混ざらないように、それぞれを離した場所で着火した。持ってきた薪は細かく砕いて種火用にしてたよ。


「薪、煙、出る、少ないする」

≪あー、それでわざわざ新しく枝を切ったのかあ≫

「ここ煙たい。ご飯、食べる戻るするっ」

≪見ておかなくてもいいの?≫

「ダイジョブ。精霊さん、いる」


 ちゃんと狼煙を上げる用のかまどみたいなのでやってるし、周りに燃え移ることもなさそう。火事になっても、あっさり鎮火しちゃいそうだし大丈夫なのかな。精霊も見てくれてるそうだし。


 ってことでカラフルな煙から退散です。赤青緑だからなあ。不思議だ。地球でも色は付いてたそうだけど、こんなカラフルだったんだろうか?


≪煙の色が不思議すぎる≫

「不思議~」


 フーちゃんも知らないのかよぅ。だがしかし、そんなことはどうでもいいみたいで、心はすでにお肉モードのご様子。僕の疑問は疑問のままとなることに決定です。まあ、分かんないままでも問題ないけど。


 それよりも僕って精霊なのに、精霊が見えないほうが問題だよ。大問題過ぎるので、この大陸にいる間に解決したい。

 だって精霊見たいじゃんっ。先生だという、フーちゃんのお母さんに聞くしかないね!


朝餉あさげは牛肉のガーリックステーキであります」

≪なんかお昼気分だけど朝なんだよなあ≫

「起きるの早かったけんね」

≪早起きは三文の徳。っていうことわざが僕の育った国にはあった。ここの世界だと、小銅貨1枚分くらいお得だよって感じ≫

「オヤツ買えますな。お得でありますー」

「飴、お得ぅ。長時間、楽しむできるするっ!」

「ウチぁ小銅貨3枚は欲しい」


 酒だな……ワワンパァが買いたいのは。安いのが確かそのくらいだったはずだし。


≪お酒を求めるなんて不健全でーす≫

「えっ? なんで分かったんじゃろうか」

「分かるする」

「バレバレですな」

≪分かりやすいじゃん≫


 スッゴイ不思議そうなワワンパァだけど、分かりますとも。一択じゃもん。

 そういえばチョットお得で思い出したけど、1円を拾うのに必要なエネルギーは、1円じゃ足りないみたいなのを、どこかで見た覚えがあるなあ。


「いちえんってどれくらいの価値なん?」

≪感覚的には1円玉100枚で小銅貨1枚≫

「なにに使うのでありましょうか?」

「なんか賢いような愚かなような、そんな気がするんじゃけど」

「ねー。ポーちゃん、世界、不思議」

≪えっと……権力者が庶民からお金を毟り取るため? よく分かんない。税金で払うイメージしかないや。小銅貨1枚の商品に8円とか10円の税金が付くんだ≫


 商品はピッタリ100円みたいな値段じゃないから、小銭が増えて厄介だよね。キャッシュレスにしろってことだろうけど。


「あ、悪辣なんじゃけど!?」

「それが普通の世界なのですかぁ……」

「コワイ、ある、世界する」


 政治家はちっとも理解できない日本語で説明するから、よく分かんないんですー。

 なので異世界では、日本の政治家が悪辣でヒドイ人しかいないと思われても、しょうがないよね。


 僕、悪くない。はず。

次回≪MISSION:93 時の魔人≫に、ヘッドオン!

※政治家はちっとも理解できない日本語で説明するから、よく分かんないんですー。

※※あくまで物語中の個人の感想です。

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