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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第3章 東の国の獣たち

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MISSION:63 指揮蟹島

「アウゥゥ?」


 里は日中でも薄暗いので、早朝だとまだ夜って感じ。フーちゃんは揺すられて変な声を出してる。


「朝でありますよー」

「フーちゃん眠そうじゃねえ」

≪なんかこういうの初めて見たなあ≫

「ァエ? 早い、ない? 朝ぁ? オハヨ?」

「うひゃぁ……なんて可愛らしいのでありましょうか!?」

「じゃろじゃろっ?」

≪コレはレアイベント襲来ッ!≫


 寝ぼけてフニャフニャ言ってるフーちゃんの可愛さよ。そして寝ぼけ状態のフーちゃんとは、僕じゃあ意思疎通ができそうにないね。メッセージを見ても把握できない状態になってそうだし。


朝餉あさげにしましょう」

「ルーちゃんはご飯作れるん?」

「作れるでありますよ」

「お任せ、する~」

「もしかして皆さん……」

「ウチぁ作れるけどドールじゃけえ味見ができんのよ」


 僕とフーちゃんは作れないって伝えた。僕の場合は料理が可能でも味覚が違うからねえ。一応城の厨房で習ってはいるんだけどさ。

 それに外で調理するってことが、今までなかったしねえ。


 移動速度が速いので、お弁当だけで事足りてるんだよなー。僕が冷蔵庫になれるし、しかも温められるし。でもその内、ルァッコルォに作ってもらう機会があるかもしれないねって伝えといた。


「ポーちゃんは不思議な身体ですなあ」

「うん」「じゃよねえ」

≪自覚はアルヨ~≫


 便利なので上手に使いたいね。僕的にはヒコーキごっこができるのが、ありがたやありがたやなんだー。それさえあれば結構満足だったり。


「ささ、いただきましょう」

「いただきますする!」


 豆のスープと焼き魚、それと麦ご飯みたいなのと、チーズとハムと野菜のサラダが並んでる。結構なボリュームだね。美味しそうだよ。

 僕は生臭いワカメ風味の魔石を、無味無臭状態になってから補給しておいた。美味しくはないよ……試すんじゃなかったって後悔する味。海の魔物の魔石には味の期待はしないことにしたんだー。

 完全に残機増やす用だね。


 片付けは僕とワワンパァがやっちゃうので、その間にフーちゃんとルァッコルォには着替えてもらう。

 ワワンパァは魔石の補給が不要になってるから、もうすでに着替えてるしね。


「お待たせしたでありまーす」

≪普通の冒険者って感じだねえ。鉢がねがチョットだけ独自色風味≫

「目立つのは任務に差し支えますからね」

「ウチらぁ目立つんじゃけどね……」

≪スッゴイ目立つね……ルァッコルォは装備を一新してもらうことになると思う≫


 着替えてやって来たフーちゃんからも要求が来た。


「ポーちゃん、カワイイ服、考えるする!」

≪実はもうワワンパァの本体には伝えてあるよ≫

「うん。製作開始しちょるね。今までとは全然違う感じじゃけどカワイイ」

「おー、パチパチィ~」

「それがしのあずかり知らぬところで、装備が決まっていたのでありますかぁ」


 目立つの? って聞かれたから答えたよ。目立つよって。だって無理だもん。絶対目立つよ。みんなカワイイし、フーちゃんもワワンパァも派手な服だしぃー。

 だからそこに加わるルァッコルォも系統は違うけど、この世界じゃ見たことない格好になるから目立つよ。


「行くするー」

≪そうだね。さっそくだけど向かおう≫

「了解であります」

「魔物とかおるんじゃったら、一旦ダンジョンに帰るのも手じゃね」


 ルァッコルォの話によると、魔物もいるってさ。毒な感じの魔物。だけど強い個体の発見例は、今のところないそうだ。

 毒に気を付けていれば、問題はないだろうってことだった。


「むしろ魔物より腐食毒の臭いが問題ですよ」

≪となると、フーちゃんとルァッコルォは、マスクしておいたほうがいいんじゃないの?≫

「ンッ、私、処理する。臭い、ダメェ」

「ドールの身体、結構便利じゃなー」

≪僕の身体もー≫


 とはいえ、不便な部分もあるけどね。

 ってーことで、出発しましょーう! 里長に挨拶して、里から僕らは少し離れた場所へ向かう。隠れ里だし、念のために森の中をソコソコ移動してから、コソコソと空に上がった。


<こちらAWACS(エーワックス)スカイアイズ。指揮蟹島上空に到着>


 AWACSの報告だと、島のいたる所が毒素に覆われてるみたい。南東側から浄化を進めてるみたいで、拠点らしき場所があるそうだ。


「まずはその拠点に向かいましょう。視察の報告をするであります」

「まかちょけぇ」「オッケーじゃよ」

≪フーちゃん、目的地はここね≫


 地図を表示して教える。フーちゃんがワワンパァとルァッコルォを運んでるから、彼女に伝えたら万事オッケーだ。ちなみに「まかちょけぇ」とか「オッケー」とか「らじゃー」とか、この2日で理解したルァッコルォは天才なんじゃないかと思ってるであります。


 僕たちが到着するまで、AWACSが先行して島の状況を見てるんだけど、かなりひどい状態らしい。ワワンパァに見せて平気なのか、不安があると報告が来た。

 故郷なのに人が住んでいた形跡もなくなってるそうだ。破壊されて腐食が進んだせいだろうな。


 こっそりフーちゃんに状況を知らせて、ワワンパァにも伝えるべきか聞いたら頷いた。指揮蟹島に行けばどうせ分かるもんね。


≪ワワンパァ、指揮蟹島の状態はヒドイらしい。人が住んでた痕跡もなくなってるってさ≫

「ほうか……腐食毒って聞いとったけん、想像はしとったよ」

「見るする?」

「現状は把握したいけんね」


 ダンジョンの機能で、なにかできることがあるかもしれないって、ワワンパァが言った。


「それがしは浄化剤が増えるだけでも、効果があると思いますよ」

「それじゃね!」


 指揮蟹島にダンジョンがあったら一気に進みそうではあるね。AWACSにも伝えておく。なければないで海底遺跡のダンジョンを使えば、ワワンパァダンジョンとかチヒから行くより距離的にも近いし、僕を支店長にしたらいいんじゃないかな?


≪閃きのポー!≫


 僕は伝えてみた。


「ポーちゃん、賢い、あるする!」

「ポーちゃんナイスゥー!」

「か、海底、遺跡……でありますか?」

「ほうなんよ。ポーちゃんが虹の忘郷の遺跡を発見してしもうた」

「えええええええええっ!? あ、あの伝説本当でありましたか!!」

「浮遊石、おっきい天然、あるした!」


 虹の忘郷の話でキャッキャしてたら指揮蟹島に到着。僕たちは拠点に降下して島の状況とか、浄化の進み具合を聞くことにしたよ。

 浄化剤も手に入れよう。ダンジョンで大量に生み出せば僕が空から散布できるしね。スカイアイズを浄化部隊にしちゃえばいいかな。


「御免ください、少しよろしいでありますか?」

「おはようあるー。浄化具合、聞くしたい来たー」

「なんじゃお主ら?」

「ン~? 浄化剤欲しいするぅ。パァちゃん大事、場所!」

「女子供が来る場所じゃあないわ! 危ないけえ帰らんか!」


 軽ーい感じで御免くださいするフーちゃんに、ドワーフの爺さんが叱りつけた。だってフーちゃん軽すんぎぃ。

 そしてこの老ドワーフ怖すんぎぃ。顔は傷だらけだし、片腕もない。でも強者の風格とオーラが漏れまくってるよ。


「すいません、でもウチの故郷なんよ。なんとかしたいけん、ここは引けんで」

「故郷じゃと!? 馬鹿を言う……」


 なんかワワンパァを見て絶句する老ドワーフ。プルップル震えてる。ズカズカとワワンパァに接近して滂沱の涙を流す。片膝を付き臣下の礼を取ったよ?


「ワワンパァ様……お守りすること叶わずっ」

「な、なんねえ!?」

≪ワワンパァ、様? 偉い人だったの?≫

「このエーゴーァ、後悔の中生きておったのも、せめて島を取り戻すためにてッ」

「あっ! エェェ、お爺ちゃんになっちょる……」

「あー、分かるするー、急、お爺ちゃん、驚くするぅ」


 ワワンパァの部下? みたいな人が現代に残ってた。突然すぎてワワンパァも混乱しちょるね。でも良かったじゃん!

 思わず僕の頭の中も、ちょるってしまった。


 だってしょうがないじゃん?

 ワワンパァの○○しちょるけんって言い方好きなんだもの。

 ちょるけんがカワイイんだもの!

次回≪MISSION:64 英雄夫妻≫に、ヘッドオン!

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