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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第3章 東の国の獣たち

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MISSION:62 汚染

≪ねえねえ、浴衣着る時とかさあ、尻尾ってどうするの?≫


 ルァッコルォの巻き尻尾とか特に邪魔そうだよ。柴犬みたいな感じでクルンとなってるからさ。


「着物に穴が空いていますから問題なしであります」


 色はメジャーな柴犬の明るい茶色で、下側が白の尻尾。犬耳も同様に明るい茶色で内側が白い毛だね。

 髪の毛も一緒の色だよ。近接戦闘が得意ということもあってか、長さはそんなでもない。アゴくらいの長さのワンレンボブって感じ。


 人耳のほうには少し大きめのピアスが付いてて、中には丸薬がいくつか入ってるそうだ。人間の耳もちゃんとあるんだなあ。


「フフッ、ポーちゃんは質問が多いでありますね」

≪気になってしょうがないよー。だって僕の世界のさ、物語の中の大人気種族が目の前にいるんだから!≫

「ポーちゃん、世界、厳しい」

「じゃよねえ……長寿の国出身て聞いたけど、平均寿命が85なんじゃってー」

「短命でありますな!?」

「魔法ない。オーラないする世界」

「ありえんじゃろぉ?」


 絶句する獣人さんたち。どうやって暮らせるのとか、なんで生きてるのとか言われた。転んだだけで死んじゃうんじゃないかとか……。あり得なくないのがカナシイセカイだね。


≪くしゃみしたら骨折もあり得る世界≫

「か、過酷であります……」


 まあ僕の世界はどうだっていいんだよ。


≪そんなのより、ケモ度の差とかのほうが気になるの!≫


 クマ獣人の里長をMAXの10としたら、ケモミミと尻尾だけのルァッコルォは3くらい?


「そうですね、獣の度合いが高ければ高いほど、その生物の能力が強く発現しますよー」


 ルァッコルォの解説によれば、犬獣人なら臭いや音に優れていくそうだ。ここにいる爬虫類系女子さんはケモ度10だから、指くらいならなくなってもまた生えてくるんだって。


「手の甲までいくともう無理です」


 試したことはないけどって笑ってる。いやあ、笑うようなことではっ!?


「ああ、痛覚も人とは違うそうですよ。なので注意しないと命にかかわりますね」


 ライカンスロープ系の獣人もいるそうで、その人たちの感覚だと、痛覚に鈍くなるっぽい。変身前と変身後で全然違うってさ。

 ケモ度0から10になるんじゃ、全く違う感覚になるだろうねえ。

 なお、別に月を見る必要はないそうです。変幻自在だって!


「あははは、ウッキウキになっちょるね、ポーちゃん」

「みょーんみょーん、なるする~」

「じゃあお見せしちゃうよ!」


 ひとり立ち上がる子がいた。見た目は普通の人族だよ。でもそう言うってことは、ライカンスロープの変身を見せてくれるってことですな!


≪うおおおー是非是非ぃ~!≫

「いくよっ! 変、身っ!」


 っていう掛け声とともに、おへその前辺りで腕をクロス。マナが集まっていく。魔法とか魔術とは違う技術っぽいよ。変身はマナ8割でオーラが2割な感じだし。魔法系は6対4くらい。


 手は拳法の鷲拳みたいな感じで、パーの手の指をチョット曲げてかぎ爪にしてる。皮膚から毛が出てきた! 鼻部分がニューっと押し出されるように伸びて、ケモミミと尻尾が生える。


 変身ポーズはゴエモン氏の気配を感じるなー。


「おお~、スゴイ。変わる、なるした!」

≪カッチョイイ! オオカミだ!≫

「ウチも初めて見たわ!」

「おっぱい、ない、なるした」

「それは言わない約束だよぉ」


 僕塊(ぼっかい)がフーちゃんによって、胸部に装着されるオオカミの獣人さん。それで嬉しいなるする人はさ、フーちゃんだけなんじゃないかなあって僕は思うよ?


 今の会話で分かったけど、この世界でも「おっきいほうがいい」ということなのかもしれないなあ。サイズなんてそれぞれあって、それぞれがいいものなんじゃあ。

 だけどそんなことは口にするべきじゃないね。紳士たれ、僕っ!


 なお、ワワンパァの身体は不思議ボディなので、もみくちゃにされてたよ。一応魔物の身体だしね、ドール系のさ。じっくり見るなんて、そうそうないんだろう。


 身体も火照ってきたようで、帰ることに。刀を振って血を払うみたいな感じで、尻尾の水分を飛ばしてる。人族にはないパーツがあるから、所作も変わってくるんだねえ。


 フーちゃんのはカボチャパンツだけど、ルァッコルォたちは尻尾があるから、クイッとVの字に切れ込みが入ってるからお尻の割れ……やめとこ。なんか変態っぽいじゃん!

 いや、まごうことなきへんたいデスナ……。


 変身見て残機減ったので許してつかぁーさい!(無関係)


「フーちゃんたちはこちらにてお寛ぎくだされ」

「なに言ってんのルァッコルォ。あなたもでしょ」

「え?」

「ルァッコルォの部屋はもうないよ? 他の人が使ってるに決まってるじゃん」

「それもそうでありましたあ」


 案内された離れで一晩過ごすみたい。ルァッコルォも一緒のようだね。どこになにがあるのか彼女は分かってるからか、テキパキと明かりをつけていく。


「せっかくなので寝巻は浴衣にするでありますか?」

「着る!」

「ウチも~」


 水色の可愛らしい花模様の浴衣を見せられて、飛びつくフーちゃんとワワンパァ。寝巻用だから、柔らかい生地で作ってあるってさ。キャッキャしながらルァッコルォに着せてもらってる。

 バフっとベッドに飛び込んだワワンパァが一言。


「なあ、指揮蟹島は今どうなっとん?」


 そうか……東大陸出身だったよね。邪人に滅ぼされたって言ってた。


「パァちゃん、故郷、言うしてた」

「そうなのでありますか?」

「うん」

「あの地は現在、誰も暮らしてはいません」


 ルァッコルォの話では、150年くらい前に人が住めなくなったそうだ。ワワンパァの話と合わせると、邪人の実験で生み出されたドラゴンゾンビの腐食毒に汚染されてしまってるみたい。


「なんとなく思うちょったけど、ウチが生きとった頃より時代が進んどるじゃねえ」

「邪竜、いるする?」

「さすがにもう討伐済みであります」

≪毒だけ残ってるのかあ≫


 残念そうなフーちゃん。

 いくらなんでもドラゴンゾンビ150年放置はないと思うよ?


 指揮蟹島はここから西北西にある。AWACS(エーワックス)で調べてみよう。距離的にはルァッコルォが働いてた街から隠れ里の距離より、チョット遠いくらいだから2~3時間あれば十分な距離だし。朝一で出発してもらおう。


 獣人見たいってウッキーしながら東大陸に来たけど、ワワンパァにとってはそれだけじゃないよね。


≪ゴメン、ワワンパァ。楽しみだけで来ちゃってさ≫

「いや、()えんよ。ふたりがおらんかったら来れんかったし。今回は良え機会じゃもん」

「明日、行くするー?」

「うん」

「毒素が危険でありますよ?」

≪上空から様子見るなら平気じゃないかな。とりあえず日が昇ったらAWACS(エーワックス)を先行させておくよ≫


 それにしたって150年も残る毒ってどんなのなんだ。自浄作用とかで薄まっていかないのかな? 世界樹パワーとかもあるしね?

 聞いてみたら徐々に毒素は減ってきてはいるみたい。人による浄化作業もやってるそうだけど、距離もあるし進みは遅いんだって。


 僕の分解でどうにかなったらいいんだけどね。まあ、それは明日行ってから試してみようかな。


≪ところでルァッコルォの空中戦装備はどうしよっか?≫

「ジェットパック、作るする~?」

「それが()え思うよ」

「そ、それがしも空中戦するのでありますか?」

≪できたほうがいいからねえ≫


 ダンジョンに戻ってからになるけど、訓練してもらおうってことになった。その時にルァッコルォの装備なんかも一新しちゃおう。

 実はなんとなくだけど、彼女にピッタシな衣装を思いついたんだー。


 なんと忍者どころか和服でもない。

 だけど絶対に似合うヤツ。ワワンパァダンジョンの僕に草案を送っておこう。事前に作ってもらって有無を言わせず着せちゃうぞぃ!

読んでくれてありがとうございます!

ブクマ、感想、評価していただけると励みになります。

よろしくお願いします!


次回≪MISSION:63 指揮蟹島≫に、ヘッドオン!

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