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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第2章 ダンジョンの化け物たち

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MISSION:53 海底遺跡

 海中探索を任せてた潜水艦隊のりゅうぐうから、ダンジョン化してんじゃない? っていう遺跡を発見したと報告が入った。

 同時に地図も、AWACS(エーワックス)へ添付されているので確認する。王様に見せてもらった南大陸の地図だね。


 エリヴィラ様の兄、エリオ氏の治めるミルセラから東、ラーハルト辺境伯の治めるリドゥリーから北へ。その交点辺りの海底にあるらしい。

 この場所は東大陸に向かう航路の途中だ。沈没船を探してたら遺跡が出てきたとか、なんというロマンだろうか。


≪1、海底遺跡のダンジョンに行ってみる。2、それは僕の別部隊に任せて、訓練と邪人探しを続ける。さあ、どっち?≫

「いちー!」「「1番じゃ!」」

≪問題はフーちゃんが海中で活動できるかってことなんだけど≫

『できなくはないべ。んだども戦闘は無理だと思うべなあ』

「「ダンジョンじゃったら、空気があるかもしれんで?」」

≪じゃあまずは調べてみるよ。こちらジアッロ1。りゅうぐうは偵察に行ってくれ。空気があればフーちゃんも十分に行動可能だし≫

<こちらりゅうぐう。了解した。先行偵察に向かう>


 ワワンパァは海中用の装備に交換だね。ダイバーみたいなスーツと、髪の毛が広がらないように帽子をかぶってる。濃紺のダイバースーツには当然のように、回避UP+防御UP+浄化の魔法が付与されてるよ。


「ジェットパック、濡れる、いする?」

「「うん。平気なように作っちょるよ」」

≪フーちゃんはそのままでいいの?≫

「良い~。え、とぉ──」


 フーちゃんの説明によると、液体操作の蠱惑の王と気体操作の始まりの王で、身体の周りに空間を作るんだって。空気でコーティングするみたい。そして酸素も作って呼吸可能な状態に。水圧が掛からないから、減圧症にもならなそうだよね。


 だけど、そんな状態を作り出すから、戦闘は難しいみたい。水中ということで気体の精霊は、あんまり力を発揮できないし、熱操作したら周りの水温の変化で自爆ってことにもなりかねない。ダンジョンだとしたら、フィールドタイプじゃないと星の精霊は力を発揮できない。


「「蠱惑の王だけでも、十分なくらい戦闘できそうじゃけど?」」

「空気作る、空間、身体、動き合わせる、魔力、いっぱい、動くさせるするー」

≪あんまり余裕がないってことなのかあ≫

「うん」

「「なるほどねえ。良し、水中装備に換装完了。お弁当もバッチリ。探検に行こうやー」」


 では、しゅっぱぁつ!


「夕方、なるした」

≪海底だと夜でも関係ないけど、明日にしよっか≫

「ほうじゃね」


 出発したのが昼過ぎてからだったせいで、今日の探索は断念。ホテルに泊まって英気を養うことにした。

 ここは邪人に攫われた人を送った街の1つ。ミルセラの東南東にあるカンフポスティって所に今日は宿泊する。ここが遺跡に一番近い街というか、王様ワッペンで泊まれるホテルがある場所なんだー。


 海底遺跡の側に日本の本州くらいの島はあるんだけど、森や山のせいで海岸線に漁村があるくらいなんだよねえ。魔法があっても開拓は大変なんでしょう。

 探索が長引くようなら、村長に頼むのがいいかもしんない。最近は一応銀貨を30枚は持って行動してるよ。こんなこともあろうかと用に。


≪りゅうぐう、りゅうぐう。ところでさ、海の魔物はどう? 魔石取れた?≫

<結構オイシイよ。誰にも荒らされてない狩場だね。ワイバーンクラスの魔石もそれなりに取れた。味は……まあ……昆布とかワカメみたいな……うん>


 魔石収集には良さそうだね。味はともかく。詳しく話を聞くと、魔物のサイズに対して、地上のより魔石が大きいっていう傾向があるみたい。水圧が関係してるのかな?


 水深がちょっと増えるだけでも、気圧とは比べ物にならないほど水圧はどんどん上がってくはずだし。生命維持にパワーが必要なんだろうな。

 僕には今のところ影響ないみたいで良かったー。


≪遺跡内は残念ながら水中だってさ。魔物はいなさそうな感じだって。深海魚が住処にしてるくらい≫

「自然発生したんかねえ」

「ロマン、だけあるする?」

≪だけっぽいね≫


 ふたりとも若干残念そうだけど、海底遺跡ってだけで面白そうだからね。戦闘はオマケでもいいのだー。


 ワワンパァによると、魔力溜まりがコアになることもあるらしく、ダンジョンマスターは最初に接触した生物になるそうな。知能があったらダンジョンも色々発展していくみたいだけど、生存競争に勝つだけみたいな生物がマスターになったら、凶悪な個体が生まれることもあるんだって。


「ご飯をいっぱい食べて、大きゅうなるっていう、際限のない暴力が生まれるんよ」

「討伐任務、行くしたあるー!」

「おっ、さっすがフーちゃん~」

「にぇへぇ~」


 ゴブリン忍者に真似されてた、ちょっと照れる~のかわよ(・・・)なクネクネだ。


「ダンジョン化しとるんじゃったら、真っ先に傘下に入れるのが()えよね」

「それする、空気あるする?」

「うんうん」

≪じゃあ速攻で占拠しに行きまっしょい≫

「寝るするー」

「早寝早起きじゃね!」


 フーちゃんは久しぶりのお魚を堪能して、お休みになられました。僕は明日のための弁当と、オヤツのナッツとかドライフルーツを頼んでおいた。

 どんな遺跡か楽しみだねえ。


 僕らは朝日が昇ると同時に活動を開始。

 光の届かない深海へと。


 今日は事前に決めた作戦通り、まずコアルームの奪取に向かうことになるんだけど、ルートはもう分ってる。

 りゅうぐうが事前にマップを作成してるからね。


「コアルーム、水、流れある……?」

≪そう……流れに乗って進んだらコアルームだったらしい≫

「マスターに知能はなさそうじゃね」


 蠱惑の王が水を操作して、空の移動と大差ない速度で移動可能なもんだから、すぐに到着した。

 相変わらずデタラメな強さだなあ。たいして戦闘できないみたいなことを言ってたけど、範囲攻撃がしづらいってだけなのかもね。


 そんなわけで、探検は後回しにしてアッサリとコアルームに来ましたよ。


「大きいナマコ?」

「ナマコがダンジョンマスターなんかあ」

≪エサを自分の周りに集めるために海流を起こしてるみたいだね≫


 床に溜まった堆積物をペロペロしてる。特に害はなさそうなのでダンマスは放置したまま、ワワンパァがダンジョンコアの掌握作業を開始した。

 僕はその間にナマコ君に退場願おう。遺跡の外にポイです。ダンジョンから海水をなくすからね。


「ちょっと待っとってね、フーちゃん」

「問題ないある、するー」


 空気の層でコーティングされてるフーちゃんが、モワ~ンとした声で返事した。なんか楽器みたい。そんな声でナマコ~ナ~マコ~って歌ってる。ご機嫌だねえ。

 でもさ、海水で覆われた遺跡に響くナマコの歌。凄く幻想的な場所のに、ナマコが足されたファンタジーになっていたのです。


「探検する~!」

「おー!」

≪お宝あるかなー≫


 5分くらいで海水の放出が完了。スンゴイ不思議。半球体の透明なドームで覆われた感じというか。気になったので上昇して触れてみる。


≪出入り自由なんだ。この境目どうなってんの?≫

「ウチも知らーん。水抜いたらそうなったんよ」

「おぉ~不思議あるする」

≪待って、フーちゃん≫


 境目に触ろうとするフーちゃんを止める。この場所は結構深いところにあるからね。


≪水圧があるから、手は外に出さないほうがいいかもだよ≫

「あ、そう、あるしたっ!」


 ドームなんてないけどクッキリ水と空気が分かれてる。魚がポトポト落ちてきそうだなあ。お昼ご飯になるかもしれない。


「せっかくの遺跡じゃし、手ぇ加えとらんよ」

≪ナイスゥ≫「いことー」

「コアルームは祭壇っぽいけえ、なにかの宗教施設じゃったんかねえ」

「石像、壊れるしてるある。神様分かるない」


 水の中にある物は地上のより保存状態がいいって聞いたことあるけど、ここはボロボロなんだよねえ。壊れたあとに沈んだのかな? 海に沈むような地殻変動が原因で壊れたとか?


 ダンジョン化したことで、壊れた遺跡のまま保存されるよ。ワワンパァは手を加えないつもりみたいだしね。とはいえ、ダンジョンコアだけは守る必要があるので、このコアルームは地下に移動させた。


≪元々は近くの島の一部だったのかもしれないなあ≫

「ダンジョンになるくらいじゃしね。力のある場所じゃし暴発したんかもしれん」

「地面崩れる、消えるする、文明ないする。稀、あるする」


 壁のタイルに彫り込まれた模様なんかで、年代測定ができるみたいだけど、それは学者さんのお仕事だ。僕はもちろん、ふたりにも分からないんだって。


 では、探検に出掛けようじゃあないかー。

読んでくれてありがとうございます!

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よろしくお願いします!


次回≪MISSION:54 ざつないきもの≫に、ヘッドオン!

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