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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第2章 ダンジョンの化け物たち

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MISSION:43 秘密

「それで? どういった要件なのかしら、えーっとお名前は?」

「コロロの森のフィアフィアスー」

「エッ!? あっ、ハイッ。ス、スー家の!? エエエエエッ!?!?!?」


 ビシィっと気を付けするギルマス。フーちゃんはスー家とか気にしないでと言ってるね。


「本当に? いいの? うわぁ、感激~」

「ばっちゃま、スゴイ。私、普通~」


 フーちゃんが普通かどうかは、さて置いて。

 ギルマスがフーちゃんの手を握って激しく振りながら、キャッキャと騒ぐもんだから冒険者たちもザワッてしてる。

 そしてフーちゃんちは、エルフの中でも超有名人家族っぽいな。ほら、アレだよ、ダジャレでできた伝説のコロコロスーさんち。


「あの、ギルマス?」

「ハッ! こ、こほん。貴方たちも聞いたことがあるでしょう? コロコロ様のお話を」


 そう言うギルマスに、そりゃあもちろん超有名じゃんって返す冒険者たち。


「先々王、ダズ爺、そしてコロコロのパーティの話」

「なんとお孫さんでしたー! パチパチパチ~」

「ばっちゃま、有名~」


 おぉ~と拍手されてクネクネと嬉しそうなフーちゃん。いやいや、いやいやいやいや、なんかダズ爺が混じってるんですけど!

 え? マジ? 生ける伝説の仲間なのかよダズGィィィッ!

 ダズ爺のGはグレートのG!


「ダズ爺も伝説の人じゃったんじゃねえ」

≪驚きの事実だよね。全力全開趣味男な感じなのに≫

「その言い方、やっすい感じになるけえ止めたげんさいやぁ」


 なんで生ける伝説になったのか、そのうち聞いてみよう。


「ところでどんな用でいらっしゃったのかしら?」

「ダンジョン、処理、終わるした。素材、渡すする、来たー」

「ダンジョン? どこの? エッ!? ここ? チヒ山の!? もう終わらせたの……さ、さすがスー家」

「違うする。ポーちゃん、パァちゃん、終わるさせるしたっ」

≪3人で、だね≫


 経緯を詳しく説明した。


「スー家と、ダンジョンマスターと、人造カテゴリーオーバーで稀人のスライム? 無茶苦茶なパーティね」


 とりあえず素材を出してってことなので、エアタンカーを表に着陸させて、みんなに手伝ってもらいながら運び入れた。

 素材を確認する職員や、ギルマスの表情が険しくなっていく。


「マスター、これ……」

「ええ。相当マズイわよね、これ」


 まあ、壊滅する可能性があったもんね。街が。


「伝説になっていくところを見てる気分だわ。街を救ってくれてありがとう!」

≪魔物、いっぱい、嬉しいあるするー≫

「あー、ポーちゃん、言う、された~」

≪フーちゃんの真似~≫

「ほういやあギルマスは普通にしゃべれるんじゃねえ」


 あ、ソレ、僕も思った。やっぱ言語の習得って難しいしさ、時間が掛かるから世界樹の森を出て、ゆっくり覚えてんじゃないかなーって。


「里で覚えるわよ? スー家、いえ、フーちゃんはサボったようね」

≪おやぁ?≫


 フーちゃんを見ると顔をソラシッした。

 覗き込む。

 ソラシッする。

 さらにみんなで覗き込む。


「エ、エヘェ、勉強イヤあるする……逃げるした」

「普通、教師からは逃げられないわよ……」

『先生はおっかあだったんだべ。オラ、おっかあの癖ぁ知り尽くしてんだー』


 そんで逃げる技が昇華していって、高速ホバー移動になっていったらしい。なにやってんだか。

 フーちゃんのしょうもない秘密が暴かれてしまった。


「でも、ご飯、お肉ない、なるした……お野菜、だけ、なるしたぁ」


 お母さんは当然のように、フーちゃんの弱点を知っているみたい。にっぐぁぁい野菜も多かったんだろう。きっと。

 肉が欲しい? ならば勉強しなさいってことだね。フーちゃんは調理できないし。


「それでこの喋り方になったんじゃねえ」

≪カワイイから、このままでいいとさえ思ってる僕≫

「ウチもそれ分かるわ。若干しかめっ面で考えて、急にニコッてなるところなんか、そりゃあもう……もう……キューンってなるじゃろ?」

≪なるなる! 最高ぅっ!≫

「も、もーっ! 照れる、するー!」


 ペチンペチン叩かれた。


「仲いいわねえ。それで料金のことなんだけど、この量だとすぐには出せないから数日待ってもらえるかしら」

≪いや、僕らには不要です。あとでダズ爺から指示が出るはずなんで、保管しておいてください≫

「あら、そうなの? 分かったわ」


 で、せっかく来たんだから、冒険者に訓練を付けて欲しいと頼まれた。今日の予定はもう終わったので、全然問題ないってことで──


「次、来るするー」


 ──冒険者をボコるフーちゃんであった。いや、まあ僕とワワンパァも千切っては投げムーブしてんだけど。

 フーちゃんは剣技のみ。僕は対空戦闘の練習をしてもらう。野外訓練場だったし。ワワンパァは対サル系の練習してんのかな? ジェットパックの縦横無尽な起動で、冒険者を翻弄しながら2本の斧でベシィしてる。


「フーちゃんだけじゃなく貴方たちも凄いのねえ」

≪まあ、異世界の知識が僕にはあるので、それをワワンパァの装備に使ってたりします≫

「だいたいの戦闘力が分かったわ。この街は邪人に狙われとったし、対人訓練になるように人型多めのダンジョンにしようかねえ。また来るかもしれんじゃろ?」

≪オッケー。ダズ爺とアーさんに連絡しとくよ≫

「まあ細かいとこは、ダズ爺とナターリャさんとアーさんで詰めてくれりゃあ()えと思う」

「ええ、そうね。了解したわ」


 アーさんはダンマスじゃなく支店長なので、外出可能らしい。ダンジョンの守りは部長のレッドドラゴンがいたら、ほとんど問題ないだろうしね。


≪ハイ! ハイ! 全く関係ないんですけどシツモーン≫

「はい、ポヨポヨ君」


 乗っかってくれるナターリャさん。いい人。眼鏡クイッしてくれたら、なおグッドだった。


≪フーちゃんのお婆ちゃんとかフーちゃんみたいな名前の人って、もしかして少ないんですか? ナターリャさんは普通な感じの名前だし≫

「そうねえ。私が存じ上げてるのはコロコロさん、シナシナさん、あとはフーちゃんね」

「フーちゃんは他に知っちょる人、おるん?」

「知る、ないある。ばっちゃま、父さま、私」

≪なるほど。シナシナスーさんってことは死なすってヤツかあ。やっぱ僕の同郷が名付けの元になってるねえ≫


 コロロの森が、なんかカワイソウな感じの里じゃなくて良かったよ。だって被害者は3人だし。フーちゃんのフィアフィアはカワイイので3人目は僕なんだけど……。

 くそう、酒飲んだオッサンの話でも真に受けたか? 過去のエルフさんよぅ。


≪やっぱ僕の名前はジアッロ・ミダースじゃない? ポヨポヨて≫

「ダメー」「ダメじゃー」

≪カッチョイイ名前になりた……い? はて? そういえば元の名前がなんだったのか、全く覚えてないってことに今気付いたっ!≫

「異世界に渡って来た弊害かもしれないわね」


 異世界旅行は危ないみたいデス。


「難儀じゃねえ、ポーちゃんは」

「うん」

≪いやあ……異世界に来たワクワクのほうが大きすぎて、気にならなかったあ≫

「ポーちゃん、軽いする」

「ほうじゃね」


 ナターリャさんによれば、稀人はだいたいこんな感じらしい。元の僕は死んだっぽいし、異世界だし、前世は気にならない、かなあ。やっぱりワクワクのほうが大きいや。


≪新しい人生だし希望に満ちているのだ!≫

「ウジウジするよりは、よっぽどいいことよ」


 デスヨネー。

 さて、やることも終わったしホテルに帰るかあ。訓練してたら何気にお昼だしさ。


≪あ、そうだ、ナターリャさんにはいものをプレゼント≫


 フーちゃんとワワンパァのフィギュアだよぉ。スー家のファンっぽかったしね。


「わあっ! 凄い! なによこれ!? いいの? 本当に? もらっていいの!?」

≪どうぞー。ダズ爺もハマったっぽいし、その内この街でも売られると思います≫


 SDフィギュアのほうは、日本人なら同郷がいるって分かるはず。だからこの世界に仕込んでおくのだー。フィギュアで骨抜きになったナターリャさんが、いい宣伝をしてくれるんじゃないかな。


 フィギュアと大人。

 それはダメなヤツだ。

 経済的に。


≪さ、戻ろっか≫

次回≪MISSION:44 機種変更≫に、ヘッドオン!


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