表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第2章 ダンジョンの化け物たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/122

MISSION:39 ヴァゥン

 まあいくら気力十分だといっても、今から出陣なんてことはなく。

 天道虫号のフィギュアが欲しいとか、精霊さんのが欲しいだとか言うフーちゃんの雑談を聞きつつ就寝。翌朝を迎えた。


 早く寝たのもそうだし、遠足前のワクワク感的なものもあって、目覚めは早朝だったよ。ホテルの窓から日の出が見える。このホテルは街の入り口からそれほど離れてない場所に建ってるから、チヒ山の向こうから昇る太陽が街を染めていく光景が見れた。


 アレッ? アッチ側は西……。変なとこで異世界を実感した。この星の自転が逆ってことか。違いの分からない男です。


 食堂で朝食を頼む時、フーちゃんはお弁当とは別に、オヤツのドライフルーツを追加してた。サルの魔石を食べる僕が羨ましかったみたい。

 朝っぱらからステーキを食べて満足そうなフーちゃんが一言。


「行くするー」


 お馴染みの軽~い感じでダンジョン討伐に出発だ。


≪おはよう、AWACS(エーワックス)。ソッチの様子はどうなってるかな? コッチは今から向かうけど≫

<静かなままだね。第1ステージは魔物を再配置してないかもよ>

「ちゅうことは部屋には増量しとるかもね」

いことぉ~」


 フーちゃん、嬉しそうに拍手してるよ。ワワンパァはお宝のことに心を奪われてるのか、アンクレットがどうとか、やはり指輪がどうとかブツブツ言ってる。

 魔法の装備は心躍るもんね。だから若干キモくなっても致し方なし。フヒッって笑う彼女の顔はカワイイので全てを許そう。


 っていう女子を盗み見るキモイムーブをしてるうちに到着。

 いや、その、ふたりともカワイイので赦して欲しい。

 全て。

 キモくなっても仕方ないんじゃあ!


 キモキモ言ってたら鶏肝食べたくなっちゃったよ……。特にイベントは起きないので、そんなことをつらつら考えてても平気だった。今日は天道虫号での移動です。昨日フィギュアで欲しいとか言ったせいか、フーちゃんが乗りたくなったそうだ。


「壁、罠あるした」

≪ゴメーン≫

「曲がる時は速度落さんと」


 チョットだけミスった。道が広いからってスピード出しすぎちゃったかな。スローイン・ファーストアウトを心掛けまするよ。

 アウト・イン・アウトでコーナーをクリアしたつもりだったけど、アウト側に膨らんで壁こすってしまった。


≪アラームのトラップ、稼げるのに来ないじゃん≫

「行こうやぁ」

「時間、無駄したー」

≪クソォ、騙されたっ≫


 魔物寄ってくると思ったのにとても静かなダンジョン。文句を言うフーちゃんとワワンパァの声だけが響いてる。

 中ボスとボスに期待しようじゃあないか。


≪さて、3番の部屋に到着したわけですが、フーちゃんは抑え気味にね≫

「ダンジョンマスター戦まで魔力持たさんといけんよ」

「うん。デュオ、やめるする」


 今日はダンジョン討伐までを視野に入れてるので、丁寧な侵攻を心掛ける。ドアを開き、中の様子を窺う。


「ワイバーンじゃね。魔力を介さない火炎を使うで。弱点は見たまんま翼じゃね」


 ドラゴンの下位互換とはいえ、属性攻撃には強いそうだ。だから狙うなら飛膜部分だね。落っこちたらどうにもなんないだろうし。


「素材は竜鱗と皮と魔石じゃけんね」

「ひとり1匹、やるする」

≪オッケー≫


 って油断させといて、一番大きいワイバーンに急接近したフーちゃんは、魔力の剣で首をスパーンと切り落とした。


「勝ちぃ~」

「あーーー! フーちゃんズルイんよ、それぇ」

≪一番いいのを取りおった。でもその技、カチョイイ≫


 空中ダッシュして敵と交差する時にヴァゥンって剣を振りぬいて斬首だよ? 超カッチョイイ。しかもビームサーベルだもの。カッチョ良すぎ。

 残りの2匹は僕とワワンパァで普通にボコった。ビームサーベルをヴァゥンに比べたら、どうということはない普通の攻撃だ。


 ワワンパァダンジョンでの経験から、僕は火炎弾とか余計なことをされる前に撃ち落とした。高速徹甲弾ですな。


 ワワンパァはワイバーンに接近して、ガトリングガンをこすり付けるように乱射して倒してた。相手より速いというのは強みだよね。


 出てきた宝箱にもどうせ罠があるんでしょう? 僕知ってる。包み込んでの開封だ。今回の罠は電撃の魔法だったので、魔法を食べて終わりだった。

 中身は初めてポツンじゃなかったよ!


「フルプレートアーマー、ラージシールド、バスタードソード……マジックアイテムじゃないねえ」

「カッコイイある、及び、邪魔あるする」

≪食べちゃおっか?≫

「売るって手もあるんじゃけどねえ」

「不要ー」


 銀歯でアルミホイルかじった味だった。ヌゥ……味を試すんじゃなかったあ。魔石くらいかな、これから試すのはさ。ひょっとしたら、美味しいのがあるかもしれないけど。でもそこへ至るまでに、ろくでもない味を堪能することになりそうだしねえ。


 ワイバーン素材をエアタンカーに積み込んでたら、宝箱の後ろのギミック壁が作動して扉が現れる。中を覗くと赤黒い世界が広がってた。火山の部屋? 火山部屋ってなんか字面はおかしな感じになるけど。お相撲さんがいそう。


 ちなみにワイバーンの魔石はレアチーズケーキっぽかった。


 AWACSを飛ばして様子を見てみると、スタート地点は山の麓。山頂から流れ落ちる溶岩が道をふさいでたり、溶岩の池を作ってたり。ゲームの火山ステージみたいな所だね。


<結構な数のワイバーンが見えるよ>

「ポーちゃん、この場所平気なん?」

「ん。火、弱い、聞くした」

≪溶岩の中に落ちなきゃ大丈夫っぽい≫


 飛んで行くし、魔物も飛行ユニットだし、問題にはならなそうかなあ。


<AWACSより各位。山頂の火口に大型のワイバーンを発見。敵勢力はまだこちらに気付いていない>


 普通のワイバーンがキリンくらい。ボスらしきワイバーンはキリンx4くらいだってさ。またしてもデッカイ。


「改造ワイバーンなんじゃろうか?」


 普通のワイバーンとはサイズが大きく違うからか、改造とか言いだすワワンパァ。そんなこともできるんだ? そういえば出会った時のフーちゃんが、僕のこと特殊個体って言ってたような覚えがあるな。


 カテゴリーオーバーになりかけとか、そういうのかもしれないね。


「ダンジョンマスターが改造しとったら、特殊個体ってぇことぐらいしか分からんかもしれんよ」

「問題ない、あるする。私、今、そうある……した?」

≪今まではそうだった、かな?≫

『オラ、パァちゃんと会うまでは、戦って覚えてたんだべ。初めての魔物、情報ねぇーのは当たり前だべさぁ』

≪ってことはさっき言った言葉は、今まではそうだった、だねー≫

「分かるしたー」

「そこは分かった、じゃねー」

「おお、分かった、したっ」


 したっ、は不要でございます。というか同時通訳するし、エルフ語でいいんじゃないって聞いたら、僕とワワンパァを見ながら、顔を赤くしてモジモジしながら友達と普通に話したいってさ。


 なにこのかわいいいきもの!


「キャアアアァーッ! なんねえ、なんねえ!? ブチ可愛いんじゃけどぉっ!」


 分かりみ。ワワンパァはフーちゃんに抱き着いてモミクチャにしてるよ。うわぁ、てぇてぇな場面が目の前にっ。


「友達、いる、ないしたー」


 なにこのかわいそうないきもの……。あーでも、そうなるのかな。寿命が違うし、エルフの子供もそんなに生まれないんだろうし。コロロの森を出るのは、任務開始する時なんだろうしねえ。

 人間の幼馴染は気付いたら老人になってたみたいだし。王様とか辺境伯とかさ。

 僕の寿命ってどうなんだろう? ワワンパァは?


「ポーちゃんの寿命は分からんけど、ウチはダンジョンコアがある限り、じゃね」

≪僕はなんでもないタイミングで、残機が増減してることがあるしなー。ひょっとしたら新陳代謝してんのかも。不老の可能性も出てきたなあ≫

「ちんちんたいしゃ?」

「なんねえそりゃあ?」


 ちんちんちゃうねん。

 僕は生き物の細胞が、新旧交代してリフレッシュしてることを伝えた。

 不老多死の人生になっちゃったかも?


<ブレイク! ブレイク!>


 AWACSが騒いだ。

次回≪MISSION:40 特殊個体≫に、ヘッドオン!


お宝

リング・オブ・アンチポイズン

スタッグビートル・フォートレスの魔石 外皮

アンチポイズンジェム

スケアリー・ジャイアントコングの魔石 毛皮

その他の魔石は現時点で265個

 ジャイアントキャタピラー61

 クレイジーモンキー203

 ワイバーンの魔石1(消費2)


※てぇてぇ

 書くにあたり改めてググってみたら……DBの悟空風の言葉っていうのを初めて知りました。

 まさか尊い→てぇてぇだったとは!

 うめぇとか、おっぺぇとかの類だった。


※「ん。火、弱い、聞くした」≪溶岩の中に落ちなきゃ大丈夫っぽい≫

 ホントはマグマに落ちても平気だけど、ソレは知らない。いずれ訪れるはずの≪調理器具にぼくはなるっ!≫用の設定。

 溶けちゃう温度は鉄と同等にしよっかなーとか考えています。

 ガスコンロよりマグマのほうが温度低いという事実に驚愕した在りし日の僕。

 ソンナー

 ロマンガー

 なんでも溶かせるって思ってたのにマグマちゃんのバカッ!

 なので魔法で出したマグマは色々溶かせるロマンのマグマ。だって魔法だもの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ