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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第2章 ダンジョンの化け物たち

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MISSION:33 楔

 ワワンパァによる風評被害はさておいて。もう夕方近いし、ダンジョンに向かうのは後日だとしても、明日は町長との話し合いに僕らも出席する必要があるんだろうか?


「お、お待ちください! 閣下に──」

「構わん! 邪魔するぞい!」


 これからどうするのかなとか思ってたら、どっしりと恰幅のいい髭モジャのお爺さんが入って来た。貴族の部屋にいきなり入って来るんだから、この人が町長かな? いや、それでもオカシナ話だけどさ。だって止められてたのに、全く気にする様子もなく入って来てるし。予定では明日だったんだけど、家令から話を聞いて来ちゃったみたいだね。


「ほう! お主がポーの本体か!」


 しかもラーハルト辺境伯を無視して僕んとこに来た。

 はくしゃくを、むし。


≪いや、一応全部が本体ですけど……≫

「あのふぃぎゃあ(・・・・・)っちゅうんは()えもんじゃのお! おう、ほうじゃったほうじゃった! まず最初に、せんにゃあいけんのは──」


 クルリときびすを返して、勢いのままに伯爵とダンジョンのことを相談し始めた。さっさとダンジョンのことを解決して、早く研究に没頭したいとか騒いでるよ。


 自由か!


≪ドワーフってこんな感じなの?≫

「いやあ、あんまりおらんタイプじゃあ思うよ、ウチぁ」

「プププ、賑やか、お爺ちゃん、来るした。ルト、困るしてる」


 確かにハルト坊って言われちゃあ困ると思う。早々にダンジョンは潰すという決定を下した。入口がデッカイんで、大型の魔物が出てくる可能性もあるって。

 視察に関しては勝手にせいとか言い放ってる。


「翁よ、そういうわけにはいかん。分かっておるだろう?」

「ウヌゥゥ……致し方ないのぉ。明日はワシも同行するわい! もうええな? ポーよ! ふぃぎゃあのことを詳しゅう話せ!」

≪最初に訂正しますけど、フィギュアですよ≫


 僕と町長がフィギュアのことで盛り上がり始めたので、フーちゃんとワワンパァは他のみんなと食事にするようだ。

 町長はというと、フィギュアとはどういった目的の物なのか、ということを聞いてきた。


「コレクション目的かのお?」

≪それもありますね。あとは人形遊びと同じようなことをしますよ。子供たちはもう勝手にそういう遊びをしていますし≫


 それからジオラマのことも話した。風景を立体化することで、フィギュアをより一層臨場感あふれるものにするから、これは大人にも受けるんじゃないだろうか。


≪例えば冒険者が、ドラゴンと戦ってるシーンを再現したりとか≫

「ほおっ! そうなると色々とセット販売の形になりそうじゃ。ウム、ええ話が聞けたわい!」


 ニヤリと笑いながら商売を考えてるね。まあ王都の僕がもう動いてるかもしれないので、それを伝える。


「そういやあ、お主は向こうにもおるんじゃったな。ドゥのヤツが製作開始しちょってもおかしゅうないのぉ。おう! ほうじゃった! ワシぁダズじゃ。翁でも爺でも好きに呼べ! スー家の! それとワワンパァ! ワシがお主ら1強の流行りに、楔を打ち込んじゃるけえのお!」


 そうまくし立てて「じゃあの!」って帰って行った。マジ自由かよー。ドゥって誰だよ。まあ……フィギュア制作初期メンバーのドワーフなんだろうけどさ。


「願ったり叶ったりじゃね、フーちゃん」

「うん、別の、流行る、いこと!」

≪なんかゴメンね、でもふたりが可愛いからどうしようもないんだよね。恥ずかしくても諦めて。そのうち慣れるよ、きっと! 僕も欲しいしぃ~≫


 もーとか言われながらふたりにベチベチ叩かれた。照れちゃって可愛いんだー。そういえばドワーフって髭モジャだけどさ、男も女も髭モジャになるんだろうか? 作品によっては女の人もモジャだけど、ワワンパァはノーモジャだし。


「男だけじゃね。女は髪の毛がもの凄い増えるんよぉ」


 あと、なんとなしにカナシイ話を聞いた。男のドワーフは、プリティ→髭樽といった流れで生きている。そして女のドワーフは、プリティ→キュート→樽といった流れで生きているそうだ。

 酒好きなので抗えない流れナンダッテ……。


「パァちゃん、樽、なるする……? ダメ! 酒禁止!」

「いやいや、樽になるわけじゃないんよ! 酒樽みたいな身体つきになるだけじゃ」

「禁止撤回」

()えことじゃ」

≪いやいやいやいや! ワワンパァがそんな身体つきになるの、やめて欲しいんだけど!?≫

「ウチぁ、ならんね」


 自信満々だけど……どうなのか。あ、ダンマスだからこのままの可能性が?


「た、たぶんならん、よ?」

「〇、カワイイあるするー」


 あやふやなんだけども? フーちゃん的には、まぁるくなるので太ってもいいらしい。ただ性別が〇になるのはイヤみたいで、なんか覚悟したみたいな顔つきしてるワワンパァであった。

 ダメだこりゃっ。


 翌朝。


 食堂で朝ご飯を食べてる時に町長がやって来た。ジャマスルゾイマンの襲来だ。


「邪魔するぞい!」

「翁よ、早い! 早く出たからと言って早く済む問題ではないのだ」

「いや、お主らと飯を食おうと思って来ただけじゃわい」


 視察する場所や順番を書類にまとめてきたみたいで、それを確認しながらご飯にするつもりだったみたい。フィギュアのことをすぐ商売にしようとしたり、視察のことをすぐ書類にまとめたり、できる男なんですなあ。全力全開趣味男にみえるんだけどさ。


「ワシぁそんな風に見えちょるんかのお」

「すまん翁。だが……だいたいはそういう行動を取っておるのだ」

「お? おお、ほういやあ、ほうじゃったのお!」


 でっかい声でガハガハ笑ってるよ。朝から元気だねえダズ爺は。僕らにはダンジョン入り口が示されてる地図を渡してきた。


「ワシらじゃあ入り口へ到達するのに、時間が掛かるけえのお」

「任せる、する! ポーちゃん、パァちゃん、行くするー」

「姉上、食事の用意はいのか?」

「少し、待つする」

「迷宮タイプじゃったら調理せんといけんしねえ。ウチ、虫でご飯作るのも食べるのもちょっと嫌じゃし。フーちゃん食べれるん?」

「しっかり待つ、する」


 フーちゃんも虫はイヤらしい。むむぅ? ということは魔物は人でも食べられるってことか。

 弁当はフーちゃんのだけでいいから、すぐ準備できた。


 連絡用に一塊の僕を残して、全軍で出撃。AWACS(エーワックス)もエアタンカーも必要なのだあ。索敵は言うまでもなく、冷蔵庫もフーちゃんのご飯とワワンパァの武器が入ってるからね。


≪それじゃあ僕たちは、ダンジョンに行ってきます≫

「頼むぞい!」

「まあ、姉上に任せておけば程なく解決するであろう」

「ポーちゃん、オカシイ、あるする」「ポーちゃんも割と無茶苦茶しよります」

「ガハハハ、頼もしいのお!」


 なんか僕に飛び火したけど出発しますか!

 パレードの必要もないし、ホテル入り口前から垂直上昇。ダンジョンに向かう。


≪サクッと終わればいいね≫

「えー、歯ごたえ、いるするー!」

「フーちゃんは戦闘狂じゃねえ」

≪あ、見つけた。あそこが入り口だね≫


 確かに大きな入口だねえ。鉱山に向かう道からも見えると思う。しかも切り立った崖の所にあるから、確かに歩きじゃ難しそうだね。飛行ユニット必須って感じだ。発見から少し経ってるからか、一応崖に足場は組まれ始めてる。

 作業中の人たちに声をかけて、僕らはダンジョンを攻略するために中に入った。


「迷宮タイプじゃ。トラップに注意せんといけんね」

≪飛んでても発動する?≫

「注意せんでかったかも」


 足を付ける場合もあるだろうし、気を付けたほうが良さそうではあるね。とりあえず僕が先行するかなあ? 一本道ってことはないだろうし。


≪僕が先行してマップ作るよ。罠なんかも発動させておけば、しばらくは平気になるでしょ≫

「ポーちゃん、頭、いあるする」

「じゃあウチらはどうしょうかねえ。崖下の河原で待っちょく?」


 待っちょってくださいなー。

読んでくれてありがとうございます!

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よろしくお願いします!


次回≪MISSION:34 饗宴≫に、ヘッドオン!

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