表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第1章 不老と不死の怪物たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/122

MISSION:27 おさかなのまち

 結局のところ「とりあえず街道」が開通したのは1週間後のことだった。1回でやめる日もあれば、まったくやらない日もあったので。

 なにをしてたかというと、街道周りの魔物探索と駆除だったよ。といっても人力でやるより断然早い。


 でもこれだけの時間がかかったので、その間にワワンパァの新装備も完成した。ガトリングガンを空中で発射すると、バランスが崩れるので、ブーツはさらにゴツくなったんだ。ジェットパックから伸びるチューブも、足に繋ぐ分増えた。


 脚部スラスタアアアアアアアッ! カーッチョイイイイィィィイイィイ!


 彼女の機動性と安定性と攻撃力が増量しました。当然熱量も増えるので、ジェットパックには放熱フィンも追加されて、熱対策もバッチリだね。さすがに必殺技であるイラフティーバは、太陽光線だけあって一気に放熱する必要があるみたいだけどさ。


 ちなみに、ガトリングガンは火薬で玉を飛ばしてるわけじゃないので、ドブゥゥみたいな音じゃなくてバシューみたいな音。薬莢も出ないので環境には優しいのだ。


≪じゃあ僕は建築資材運びしてくるよ。さすがに全僕を導入する必要がありそうだなあ。会話用だけは残しとこっか?≫

「必要、ある」

「そのほうが()えよ」

≪オッケー≫


 ふたりはどうするのか聞いたところ、王城の台所に突入してオヤツを強奪するみたい。それってワワンパァは付き合わされるだけじゃんンン。でもまあ慣れさせるにはいいのかな。


 何度か進捗状況の報告なんかで王様のところに乱入したりしてたから、最初ほど固まったりはしてないけどさ。フーちゃんに付き合ってたら、心も自由に飛びたてる日がきっと来るよ。


 諦めとも言う。


 僕はというと、1週間ほど使って資材と人材をダンジョン側の拠点に運んだ。これでとりあえずはOKってことに。あとは職人たちの出番ですな。僕は分散して、それぞれの部署に戻す。

 じゃ、ジアッロ1の僕は兵士と訓練してるふたりの所へ突撃だ。


≪ただいまー。ねえ、フーちゃんの服が完成するまで、2週間くらい余ってるけどどうする?≫

「本体はともかく、ウチぁ特にやることないけんお任せするわ」

「ンー、お魚食べる、する、行くぅ?」

≪厨房に?≫

「違うする。港街、行く、する」


 詳しく聞いてみると、どうやらここから北東に大きな港街があるらしく、美味しいお魚が食べられるんだそうな。そんなことを話しているうちに、どんどんとお魚モードになるフーちゃんのお口。


「今、行くする!」


 ってことになった。そう言えば東側には行ったことないね。この世界の海かー。なんか変な生き物もいそうだねえ。


≪僕も楽しみになってきた。海竜とかいたら見てみたいな≫

「そんなん、そうそう見れんよ」

「探す、するー」


 テンション上がってミョーンミョーンと伸び縮みする僕を見て、ふたりは耐えきれずに吹き出した。僕はなんとなく恥ずかしいのを誤魔化すように、練兵場から飛び立つ。


≪スクランブル! ジアッロ1 ほがらかテイクオーフ!≫

「待つ、する!」「ポーちゃん、急じゃ!」


 緊急発進だもの。待たない。ちなみにマンゴー饅頭状態で垂直離陸したあと、モーフィングしてるみたいに滑らか変形で、キンピカラプターになってるよ。

 上空で無意味にクルクルとクルビットしながら、ふたりが上がってくるのを待つ。そういえばクルビットって役に立つのか分かんないマニューバだよねえ。ウーム、縦回転……。


「ポーちゃん、場所、知るない、する」

「ほんでも街道沿いに行きゃあ分かるじゃろ?」

≪まあねー。でも距離が分かんないから、のんびりなのか急ぐのかはお任せ≫

「のんびり、ダイジョブ。コッチ~」


 巡航速度でも200~300Kmくらいは出てそうな気もするからね。この世界では爆速な部類だよ、たぶん。


「フーちゃんの飛び方、不思議じゃ」

「そう、あるする?」


 定番の涅槃のポーズだしね。風の精霊とかじゃなく、気体関連の精霊王だから空力なんて無視してて、こんなオカシナ飛行形態を取れるのかなあ。始まりの王とかいうカッチョイイ精霊なのに、フーちゃんがヘンテコリンなエルフだからっ。


≪ところでさ、前々から思ってたんだけど……この国って森がスゴイ多くない? 街とか村とかの街道の周りは草原とか農地とかなんかだけど、すぐ森。森森もりもりしてる≫

「あ、それ、知っとるー! 森の民が失敗したっていう伝説じゃろ? ホンマかどうかは分からんのじゃけど」

「……ホ、ホント、あるするぅ」

「ホンマなんかあ! 伝説が解明してしもうた」

「昔、森の民、説明、失敗する、した。言葉、足りる、ないした」


 世界が生まれた頃。創世記な時代。ファンタジーが始まった世の中のお話。


 エルフの数もそんなに多くなかったし、人間の力が必要だった。「世界樹パワーで森がどんどん増えちゃうので気を付けてね」って言う必要があったのに「森に気を付けろ」くらいしか説明しなかったらしい。


 今ほどじゃなかったそうだけど、人からしてみたら強力な能力のエルフに逆らうはずもなく。気を付けながら大事に大事に、それはもう大事に育てちゃったらしい。森を。

 世界を作るために力を使ったエルフは休眠期に入っていて、気付いた時にはもう森の氾濫が起きていたそうな。世界中で。

 もしかしてそのエルフ、ダンジョンマスターだった可能性がないかい?


≪なに? そのカナシー伝説≫

「だから、森の民、研鑽、するした。責任、取るする。大事ある」

「分かっちょったけど、世界樹は凄いんじゃねえ」

≪世界中を森であふれさせるんだもんね≫


 森の謎が解けたところで港街に到着。王都との間には村が1つ有った。この港街も、南の商業都市と同じくらいの距離なのかな? 王都とさ。馬車で1日の辺りに町とか村が作られてるみたい。


≪この街はなんて名前なの?≫

「知る、ないする。お魚の街」

「ウチも知らんねえ」

≪そっか。そういえば王都の名前も知らなかったな、なんていうの?≫

「知る、ない。リオの街ー」

「同じく。王様の街って覚えちょる」

≪知らんのかーい≫


 フーちゃんは人の街の名前は、割とすぐ変わるって故郷で聞いてたそうで、一々覚えてないそうな。長生き種族の感覚なのかなあ。なお現王の名前は覚えてるから問題ない、とのこと。

 ワワンパァはこの国の出身じゃないってさ。


 大きな街なので、入るのにそれなりの時間は掛かりそうだね。待ってる間、僕とワワンパァは視線にさらされてるよ。珍しいんだろうなあ。フーちゃんは地味なローブだし、フード被ってるしそんなに見られてない。急に空から女の子が降ってきたというのに!


≪フーちゃんは街じゃずっとフード被ってるけど、恥ずかしいとか?≫

「森の民、バレる、ないする」

≪え、ね、狙われたりとか? もしかして危ない?≫

「ポーちゃん、たぶん違う。ウチぁなんとなく分かるけど、ここじゃ声に出さんほうが()えよ」

「うん。宿、話すするー」


 なんだろう、気になる。まああとで教えてくれるみたいだし、緊張感ないし、身の危険ってことではないんだろう。

 そういえば今回は襲ってくるヤツいないな。ワワンパァがゴッツイ装備だからかもね。


≪むむ……他の人たち入場料みたいなの払ってるけど≫

「ウチ、お金持ってない」

「問題ない、ある」


 そう言って、懐からなにか勲章というかワッペンというか、そんなのを取り出して門番に見せてる。

 ビクッってして慌て始める門番。なんか好きなアイドルと対面してるような感じで、嬉しそうなんだけど。しかし自分の仕事を思い出したのか「どうぞ」と、通してくれた。


「リオ、くれるした」


 ああ、あの国から保証されてるってヤツかあ。宿でも見せてたよ。さすがに高級ホテルだから対応してる人は落ち着いてるね。部屋に通されて、さっきの話を聞かせてくれた。


「森の民、ユッグベイン、バレるない、する。殺す、する、少し楽、なるー」

「やっぱり森の民の恐いヤツじゃあ!」

≪狙う側じゃったあ!≫


 僕とワワンパァが目立つから、もっと楽になるかもって嬉しそうに笑ってるよ。フーちゃんてば。

 ホウ酸団子と、ゴキブリキャッチャーと、殺虫スプレーを装備したようなものなのかあ。

次回≪MISSION:28 釣り≫に、ヘッドオン!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ