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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第1章 不老と不死の怪物たち

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MISSION:26 こちらダンジョン入り口前出張所

 ダンジョンの機能で出した食事は、実在する食材から作られている訳じゃないから味を感じるのかな? なんていうか、神様パワーで出してるというか。これってつまりさ、カレー、ラーメン、ハンバーグ、から揚げとかも? とかもとかも? もしかしたらワンチャンいけるんじゃないだろうか。そう思って聞いてみた。

 しかし……ハンバーグ以外の食品はないとの回答が返って来た。クッ。


≪あ、フライドチキンは?≫

「それならあるねぇ」

「おー、パチパチー」

≪カレーとラーメンはムリかあ≫


 どんな料理なのかふたりに聞かれたんだけど、うまく説明できない。ラーメンはスープスパゲッティとの違いを説明できなかったし、カレーに至ってはスパイスを色々混ぜて作った、茶色いタレを米やパンで食べるってくらいしか言えなかった。


「全然分からんよ?」「分かるない、する」

≪グヌヌ≫


 僕は料理なんてしたことないしなあ。材料が分かったとしても、それを伝える語彙が僕にはない。この世界を旅してたら、どこかに似た食べ物があるかもしれないって前向きに考えておこう。


 味のあるご飯が、ダンジョンなら食べられるってことが分かっただけでも、幸せなことだしね。しかも好物のハンバーグと、から揚げなら食べられるし!

 ちなみに僕は、から揚げとフライドチキンの違いも分からないマンです。


≪カレーとラーメンはどこかにあるって希望を持っておくよ≫

「稀人、作るする、可能性、あるする」

「ほうじゃね。その可能性は大いにあるじゃろ」

≪でも今日は美味しいご飯が食べられたから、いい夢が見れそう≫

「ここにおる時はいつでも出すけんね」

いこと、あるする。ね? ポーちゃん!」

≪うん、ありがとう!≫


「じゃあ、ポーちゃん、おっぱい、なるする」

「それ好きじゃねえ、フーちゃんは」

「幸福、重さ。んふー」


 おっぱいをねだられた僕だけど、今日は気分がいいのでお付き合いしましょう!

 フーちゃんは例のごとく、服を脱ぎ散らかしてお風呂場に向かった。


「もぉ、フーちゃんはしょうがないんじゃけぇ」


 そういいながらワワンパァは、フーちゃんの服を片付け始めた。几帳面だね。よくよく考えてみれば几帳面じゃないと、設計とか細かい装飾とかはできないか。

 種族特性みたいなものかもしれないね。


 物語なんかじゃエルフとドワーフは仲が悪いことが多いけど、そんなところが原因だったりしてー。自由奔放なエルフ。細かなドワーフ。お互いがムキィってなっても不思議じゃない。


「ふたり、早い、来るするー!」

「分かっちょるー!」


 僕は増量させられて僕はおっぱいになった。

 残機が減ってしまった僕への、優しさであることは間違いない(疑惑)


 翌朝。

 僕たちは昨日やり逃したマンゴー狩りと、フーちゃんの道作りに出掛ける。まずはマンゴー狩りに出発だー。

 ワワンパァ本体がゴスロリ浴衣を着て、ジェットパックを背負っている。僕たち以外まだ誰もいないので、ダンジョン内なら自由に行動できるんだろうね。ダンジョンがオープンしたら、そうはいかないだろうから。


「ゴスロリ浴衣+3なんよ。ヘヘーン」


 胸を張りながら、クルリンと回って見せてきた。ウム。似合ってる。まあ今までと見た目の違いはないんだけど。


「浄化、追加、するした?」

「したー! でも最近、DP遣いが荒くなっちょる気がする」

≪欲しいのもあるし、注文も多かったしねえ、仕方ないよ≫


 他愛もない会話をしつつ、十分過ぎる量のマンゴーを取ったので、朝食を取るためにコアルームまで戻る。


「ポーちゃん、なんか食べたいもんある?」

「私、フライドチキン、ハンバーグ、食べるする!」

≪じゃあ僕もー!≫

「ほんならウチもそうしよーっと」


 朝っぱらから肉肉しいね。でも幸せ。とはいっても毎回ダンジョン機能のご飯を出してもらうわけにはいかないよねえ。DP使うんだしさ。

 それにだよ?


≪このご飯になれちゃうと普段がキツくなりそうだから、ここにいる間は晩ご飯だけにしようかな。いい?≫

「難儀な身体になってしもうたねえ、ポーちゃんは」

「うん。可哀そう、ある」

≪もう食べられないって思ってたのにさ、また食べられるようになったんだから平気!≫


 普段の食事だってフーちゃんの魔力が一番なんだし、ふたりは僕の希望だよって伝えたらテレテレしてた。スケコマシ王に僕はなれるかもしれない。


「アホなことうちょらんで行こうや」

≪漏れ出てたとはっ≫

「すけこまし王?」

≪バカなこと言ったので気にしないでイイヨォ≫

「分かるした。道、作るする」

「こっからはドールの出番じゃね。行ってらっしゃい」

「うん」


 フーちゃんの精霊魔法の射程ってどのくらいなんだろ? いくらなんでも50kmを一気にってことはないと思うけど、ひょっとしたらっていう思いもあったりする。


 そういえば魔力の消費量もよく分からないなあ。王シリーズ連続で3回っていうのは見たけど、フーちゃんのMP量も知らないし。効果範囲や対象の数でも違ったりするかもしれないしなあ。

 聞いたところで明確な回答がなさそうなのも、なんとなく分かるし。ステータス画面なんてないからね。


 そんなことを考えてる内にダンジョン入り口に到着。


「壁、あるする。お家、あるする」


 ダンジョンの入り口から少し離れた場所に、拠点ができかけてた。家とか大衆浴場とか木材の乾燥倉庫らしい。しかも石の壁で囲ってある。国軍用の通路を掘った時の素材を再利用してるんだって。無駄がない。


≪至れり尽くせりってヤツだね!≫

「ウチぁ、できる女じゃけぇ!」

「パァちゃん、スゴイ、あるー」


 さすがにがわだけって言ってるけど、それでもすぐ使える家があるのは大きいよね。木材を乾燥させる設備があるのも、ちゃんと考えてるんだなあ。

 そんなの思い付きもしなかった。


≪じゃあ王都に向かって、10Kmごとに目印の僕を飛ばすからちょっと待っててね≫

「らじゃー、する!」

AWACS(エーワックス)、頼むよー≫

<おけー>


 いつもの子犬サイズに戻って、残りを全部AWACSに預けた。ポヨコプターで浮かんでれば目印になるはず。5分もあれば完了するでしょう。


「ウチは拠点のチェックしてくるわ」

「私、見るする」

≪じゃあ僕もー≫

「別にみんなでんでも」

≪待ってる間は暇だしね≫

「ねー」


 森の中に突然現れた誰もいない村的な、言葉にすると不気味さプンプンの拠点に侵入。物悲しい雰囲気が漂ってる。

 その時、我々が見た物とは!


「噴水、できるしたっ!」

「井戸忘れちょったけん」

≪なんか一気に明るくなった感じがする≫


 女神様が持ってる水瓶から、水がこんこんと流れ落ちてるヤツ。コインが投げ込まれそうな、いいことありそうな噴水が、ニュッと出てきた。水汲みと憩いの場を合わせた感じかな。


≪ワワンパァのセンス、いいなあ。僕、好きだよ≫

「私も、好きある、するー」

「ニヒッ、()えじゃろぉ?」

≪あ、目印も準備できたって≫

「今度、私、番する」

「楽しみじゃー」


 僕らは抜けるような青空に飛び立つ。


たけき力の王」

「ぅわあっ! スゴイんじゃけど! うわー」


 すっご。モーゼの海割りも、こんな感じなのかな。森がぐい~んって開いていく。道幅の分だけ地面が増えるというか。5~6Kmくらいは道ができたんじゃないかな。10回くらいで終わりそうだよ。50kmの道作りが。

 すっご!


「つまる、ない……」

≪エエエ≫

「そういう問題じゃあ……」


 フーちゃんてば3回で飽きちゃった。

次回≪MISSION:27 おさかなのまち≫に、ヘッドオン!

※から揚げとフライドチキン

から揚げ:下味をつけるのは肉

フライドチキン:下味をつけるのは衣

らしい

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