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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第1章 不老と不死の怪物たち

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MISSION:20 生ける人形

 5分くらい経つと返信が来た。


≪フーちゃんでいいってさ。ワワンパァはフーちゃんと契約しちゃってー≫

「そりゃあ願ってもないことじゃねえ」


 契約するなら強キャラのほうがいいみたいだ。寿命的なのも関係があるかもしれないね。

 ワワンパァはウィンってタブレットみたいなのを出現させて、フーちゃんに魔力を求めた。


≪魔力ない人は契約できない感じ?≫

「というより、紙の契約書じゃあ約束破っても分からんじゃろお?」

「失敗、ある、する」


 聞いてみたところ、過去にはダンマスに騙されたということもあるみたいだ。そんなこともあって、今じゃ魔力で契約者と繋げるらしい。ダンジョン側が縛られてるだけに見えるけど、メリットもあってダンジョン外に契約者がいてもDPが入って来るそう。それで強いほうがいいのか。

 ってことはだよ?


≪僕も半分くらい残しておこうか。そしたらさらにお得じゃんね≫

「ポーちゃん、それ、いこと!」

≪ねー!≫

「ホンマに? ええんね? そりゃあ色々とはかどるねえ」


 あの計画も実行を早められるとかブツブツ言いだした。しかもニヤニヤしてるワワンパァ。

 不穏なんじゃが?


「3日! 3日泊まってってくれん? そしたらウチもダンジョンから出られるようになるけん」

「分かる、した」

≪いいの? フーちゃん≫


 コクリと頷くフーちゃん。いいらしい。どういうことなのか聞いてみたら──


「ダミーコアにウチを入れて、リビングドールの動力源にする」


 ──ってことらしい。ダンマスはダンジョンから出られないから、分身体を作って外出するんだって。

 3日ってのは必要なDPを溜めるのに掛かる時間みたい。その間にリビングドールを制作するっぽい。

 リビングドール……生ける屍の人形版かな……。


「パァちゃん、お出掛け、楽しい、あるするー!」

「パ、パァちゃん……ウチが? パァちゃん……?」

≪諦め、肝心、あるする……≫


 くたぁ、とひしゃげる僕を見て全てを悟るワワンパァ。こう見えてフーちゃんは強情なんだよ。意見は変えないよ。アキラメロン。


 しかしアレだね、ワワンパァも僕と一緒で、死んでも死なない系キャラになるっぽい。まあ、本体がやられるとダメだろうから、隠れてなくちゃいけないだろうし。だからこそ分身体でもお出掛けできるのは、いいことなんだと思う。


 あるするー! って、とこ以外はしかめっ面で話すフーちゃんだけど、やっぱ優しい子だよねえ。ワワンパァのことを考えての発言だと思う。今はふたりでどんなリビングドールにするか、キャッキャしてる。このままワワンパァと会話を続けてたら共通語も覚えやすくなるかも? 一生懸命考えながら話すフーちゃんが見れなくなるのは残念だけどさ。


 さて、ここは僕が一肌脱ごうじゃあないか。見せよう! 我が地球力をっ!


≪こんなのどう?≫

「わぁ、わー! カワイイ、ある!!」

「か、可愛いっ! こんなん、ウチ見たことない!!」

≪ふっふっふ、でしょう? 伝統と伝統の異文化交流が生み出した、奇跡の一品だと僕は思ってる。その名はゴスロリ浴衣ぁーーっっ!!≫


 超カワイイよ!

 上半身は浴衣で、帯の下からはミニスカゴスロリ。そしてニーソ。足元はブーツでもいいし厚底草履でもいい。

 浴衣部分は浴衣っぽく花柄なんかでもいいし、ゴスロリっぽく黒とワンポイントな赤や白で飾ってもいいし。

 と熱意高めに推す僕。是非に! 是非に!


「気合い入れて素体作る」

「パァちゃん、そっくり、作る、する!」

「えぇーウチぃ? もっと可愛くしたいんじゃけど」

「パァちゃん、カワイイ!」≪ワワンパァ可愛いよ!≫

「え、えええ!?」


 可愛いんだよね。クリクリ垂れ目がとってもキュート。

 フーちゃんはキレイ系だけど、ワワンパァは庇護欲をくすぐるカワイイ系。系統は違えどふたりとも美少女であることには違いない。

 そんな気持ちが駄々洩れて文字起こししたせいで、ふたりしてテレテレさせちゃった。でもワワンパァそっくり人形を制作することにしてくれたよ。


『パァちゃんも一緒に冒険するべ! な! なっ? あああ~楽しみだべなあ』

「フーちゃんはなに()うちょうるん?」

≪一緒に冒険しようって。楽しみだーってさ≫

「それ、する。興奮、する、すぎる、した、エヘ~」

「そんなん思うてくれるの、嬉しい」


 制作頑張るってワワンパァは作業部屋に行った。ダンジョンの探索はしてもいいけど、魔物は倒さないで欲しいと頼まれる僕たち。

 ゴメンて……。

 とりあえず連絡用の僕を、ワワンパァにも預ける。


≪フーちゃん、どうする? 出掛ける?≫

「んむむ、パァちゃん、作業、見たい」

≪だよね。実は僕も見学したい≫


 ドール制作なんて見たことないしね。結局3人でワワンパァの作業場に籠ることになった。でもそれは正解だったよ。アブナイアブナイ。

 リビングドールも飛行ユニットにしないと!


「そういや飛ぶんじゃったぁ、ふたりとも……設計の段階からやり直さんといけんね」


 石と金属で硬いボディを、ってのが元々の設計だったみたい。でも飛ぶからね。僕ら。だもんで、破損しても自動修復する感じで、軽量化も踏まえて木材で素体を作ることになった。


 霊樹っていう魔力の籠った木をベースに、ダミーコア周辺を世界樹の欠片で覆って破損を防ぐそうだ。髪の毛はワワンパァのを切り取って使用するので、同じ色のダークブラウン。瞳も同系色にするため、翡翠を使用。キレイな緑色だ。


 人形だし、物を食べるわけでもないだろうし、目や唇は動く必要ないと思うんだけど、丁寧に面取りして、可動部のラインが分からないように加工している。動かす気だよ。


 ていうか……表情も作れるようにする気っぽいぞ? 削り出した顔部分というかお面。目が変になりそうなくらい、もの凄い細かく切断し始めるワワンパァ。


 その切断したパーツ全ての裏側に細い糸を縫い付けていき、ゼリーのようなスライムのような、なんか透き通った緋色のプヨプヨな物体に貼っている。なんというか、3Dアバターの表情を動かすのに、中の人の表情をリンクさせる技術みたいな感じなんだろうか?


「目、目、目ぇぇ、痛い、なる、した」

≪コレは無理もないよ。でも僕はこのパーツより小さいせいか平気≫

『オラ、このまま見てたら爆発しちまいそうだ。果物取りにお出かけしてくるべ』

≪了解。僕は見てたいから会話用のを連れてってね≫

「分かる、した。行ってくる、するー」

≪アイアイ、マム≫


 ワワンパァはそんな僕たちに気付かないかのように、集中したまま作業を続けている。こんな緻密な作業なのに、慣れているんだろうね。スゴイ早いよ。もうじき顔が完成しそう。凄いなあドワーフ。


「ふぅー……。ポーちゃん、ウチの髪、切ってくれん? 肩くらいから」

≪分かった≫


 腰の辺りまであった髪をバッサリいく。そのあとに横じゃなく、縦に空いていき髪の毛が軽い感じになるように仕上げた。前髪もついでに整える。地球力を見せつけちゃう。髪を弄りながら鏡を見るワワンパァ。


「な、なんか不思議な感じじゃね」

≪僕のいたところは色々と研究されてたからねえ。衣食住、美に娯楽と≫

「ドールもこんな風にしたほうが()えんかね?」

≪服と合わせるならパッツンも可愛いよ? ほら、こんな感じ≫


 メッセージウィンドウに、パッツン前髪でゴスロリ浴衣のワワンパァを描いて見せた。ウンウン唸りながら迷うワワンパァだけど、パッツンに決めたようだ。

 そしてボディ制作に入った。顔みたいに細かくないので、どんどんできていく。顔と同じように細い糸を繋げ、プヨプヨのなにかもくり抜いたパーツの中に投入している。


 糸はなんとなく分かる。稼働させるのに使うんだろうなって。でもプヨプヨのなにかが、なんなのか分かんないなあ。聞きたいけど邪魔しちゃ悪いしねえ。


「受けた衝撃を分散、吸収させるんよ」

≪アレ? 聞きたそうなのバレてた≫

「ほうじゃね、なんとなく分かった」


 僕に表情なんてないのに不思議だ。

 余裕があるのか会話しながらの製作。


≪それって結局なんなの?≫

「うーん、一言で言うんならマナの結晶かねえ」


 ほほぉ~ん? なんでも限られたドワーフだけが精製できる珍しいものらしい。今使ってるのはソコソコなDP消費で作りだした物だってさ。

 この物体は色んなことに使えるみたいで、不老不死になれるだとか、どんな病や怪我も治るだとか間違った伝説ができちゃったそうだ。


 賢者の石かな?


 でもそんな無茶苦茶なことはできないってさ。今使ってるのは衝撃吸収とエネルギー蓄積の為らしい。ドワーフの秘術なので詳しくは話せないけど、と言いつつもワワンパァは少しだけ教えてくれた。


<フーちゃんが帰る、できる、ない。だってー。隠しエレベーターの出し方知らないしね、僕ら>

≪おっとっとぉ~。ワワンパァ、エレベーター出してあげて欲しい。フーちゃんが戻ってこれないってさ≫

「今開けよぉるよー」


 少しして帰ってきたフーちゃん。


「ポーちゃん色、果物、見つける、した!」

≪ホントだ。匂いもマンゴーっぽい。想像通りなら美味しいヤツだよ!≫

「切ろうか。それ、美味しいけん食べてみんさいや」


 種の周りしゃぶってみてというワワンパァの勧めに従い、かぶり付くフーちゃん。椅子に座ったまま跳ねる。お気に召したみたい。


「美味、甘い、クリーミー、あるするー!」

「ほうじゃろう? ウチも好きなんよねぇ」


 ワワンパァもかぶり付いてる。試しに僕も食べてみたけど、樹液を染み込ませた土味でしたとさ。匂いはマンゴーなのに……クッ。仕方ないので食べてなかった魔石を頬張った。


 !?


 なんの魔石か分かんないけど炭酸抜きコーラフロート味ッ! ウグゥ……なんの魔石か分かんないッ。泣けるぅ。

 候補はワイバーン、ロック鳥、ゴブリン、あとなんだか分かんない魔物の魔石のどれかを合わせた味かなあ。


 つまりワカンナイ。Q.E.D.僕は泣いても許されるべ?

次回≪MISSION:21 心の平穏≫に、ヘッドオン!


ドワーフには広島弁が似合うと思ってるマン。

なのでワワンパァは広島弁な感じに。

ウチのイントネーションは大阪弁とは違って語尾が上がります。

大阪弁のウチのイントネーションは海とすると

広島弁のウチのイントネーションは山

ちなみにフーちゃんは教育ママゴンのチチ弁を元にしていますです。


ブクマ、感想、評価お願いします((* ´ ` )(* . .))”

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