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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第5章 星の守り人たち

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111/122

MISSION:110 天駆ける虹

「クッ、饗宴、閃嵐せんらん舞王ぶおう、デュオ!」


 光がまたたく凍てつく嵐が戦場を支配する。接近戦を嫌ったフーちゃんのきらめく怒りの王と、おぼろたる始まりの王の力。魔力剣じゃ切り合いはできないからね。


「FOX3!」「イラフティーバ2連じゃ!」

「おー怖い怖い」


 でも銀コケシはマジックブレイク付きのロングソードを振りながら、ジェットパックを使って高速で後退してく。

 コイツらの剣技も動きも、相当に厄介だ。


 広範囲を暴力で支配する、フーちゃんのデュオ魔法を無効化しちゃってる。しかも連携したワワンパァとルァッコルォの攻撃だって、切り払いながら避けている。


「あはははは! もっと見せてよ、キミらの力!」


 でもそれだけじゃ僕らには勝てない。

 ミサイルを切らせて粒子になった僕を塊に再接続。アフターバーナー全開!

 そして──


≪FOX4!≫


 ──スプリットSからの下方向にバーティカルクライムロール!


「あ!?」


 下降してるのにクライムとは。

 犯罪のほうの意味か。

 螺旋の動きでラプターが突っ込んだので、スゴク汚いモノを作ってしまった。


「うう、倒す、できるない、なるしたっ!」

≪やっぱフーちゃんは魔力の隠蔽を頑張らないと≫

「うううううううううっ」


 ぐやじいぃぃって唸ってるフーちゃん。単発の王じゃ切られて終わりだったから、前回はデュオ使って倒したもんね。

 でも今回は切りながら逃げてた。


「もうウチらじゃ倒せん……」

「相手も飛び始めましたからな……」

≪ラプターは、まだ見られてないと思う≫


 銀コケシ3回目の襲撃。

 僕らの攻撃や移動方法を見て、向こうも工夫してきてるんだ。この1ヶ月で、かなり対処されるようになってしまってる。


 ワワンパァのイラフティーバなんて、レーザーなのになあ。

 腕の動きとか見て? それで回避可能なんだろうか?


 そして今回はジェットパックを装備してた。飛ばれるとルァッコルォの接近戦が、無効化されちゃうんだよ。地に足が付いてないと、あの超速分身の非常識な動きができないからね。


 だから考えてたんだー、ルァッコルォの新装備。


「パァちゃん、どうでありますか? なんとかなりそうですか?」

「もう設計はできちょるよ!」


 あとは実際に試して、強度を確かめたら完成だってさ。


「おー、さすがパァちゃん、あるする!」

≪じゃあさっそく作ろう!≫

「お願いします!」


 飛んでるルァッコルォは、ただの犬だからね。空を走れる魔法の靴の開発を、ワワンパァに頼んでたんだー。

 飛ばないルァッコルォにこそ、価値がある。


 ダンジョンコアに僕を吸収させたことで、素材として解放されたオリハルコン。それに気付いたワワンパァが材料に使用した。当然お高い素材だけど、作るのはパンツァーポーのほうで。


 ワワンパァダンジョンから持って来たのとかもあって、浮遊石複数個分のDPがみなぎってるからね。

 他にはヤミちゃんの鱗とか、モックドレイクの皮とかも持って来てもらってる。


「超高級品であります!」


 革を黒地にして、留め具とか紐が金色。靴底は鱗を砕いて、コーティング剤として使ってたりするよ。これは非常識な動きのせいで、強烈な力が掛かるから仕方ないんだ。頑丈にしないとすぐ壊れそうなので。


 なお片足ごとにダミーコアを2個ずつ入れてある、とっても非常識なブーツ……。だって分身するような、非常識な力の動きを受け止める、非常識な力場を空中に固定させなくちゃいけないから。


 さっそくお試しのターン。


「かかとを打ち付けたらスイッチ入るけえね」

「了解です」


 そう言ってバフを掛け始めたルァッコルォ。

 敬礼の時みたいな、かかとをカッて打ち付ける動作をすると、ダミーコア4個分のパワーがあふれ出した。


≪おおっ!≫「成功じゃ!」

「ルーちゃん、カッコイイあるする!」


 足元から極彩色の光を放ちながら、空を駆けるルァッコルォ。これはもうそのまんま名付けちゃったほうが、カッチョイイかもだね。


 アルカンシェル、って。


 フランス語の虹。だって虹っぽい力場を蹴とばしながら、空を走りまくってるんだもの。強度を増すために、アーチ型の力場を生成するようにしてるから、虹みたいになってるんだー。


「虹色は想定外じゃったけど、カッコエエね!」

「アルカンシェルって名前も素敵であります!」


 ルァッコルォが「これで悪を断てる」って言いながら悪ーい笑みを浮かべてる。

 別にいいけどさあ、もうちょっと、こう……可愛くあってくれぃ!

 そんなルァッコルォに、これまた悪い笑みを浮かべたワワンパァが叫んだ。


「行け! ウチの手!」

≪なに言っっ!?≫

「パ、パ、パァちゃん、手、増えるする、してる……」


 ワワンパァのジェットパックから出てきた10個の手が、ルァッコルォを飛んで(・・・)追いかけ回してる。

 うーん、一応両手っぽいから5人分の手だね。


「フフン、マジックハンドじゃー」

「なんとっ! 手強いですな。ならば御雷みかずち

「うわあ、それはさすがに当てられんわ」


 動きが早すぎるようですな。偏差の感覚が狂いそうだから、練習には向かないんじゃないかな。でも風遁の纏いならヒットさせてたし結構スゴイんじゃないかと。これなら銀コケシの動きにも対応可能だってさ。


「ルーちゃん相手じゃし、射撃せんかったけど全員イラフティーバ出せるで」


 パパパパって細切れにした光線を発射して見せてくれた。サイズの問題でレーザーだと1発分しかチャージできないそうな。


「全員? 全部? パァちゃん、入るしてる?」

「しちょる」

「ポーちゃん式ってことでありますか」

≪手だけのワワンパァとか、随分と思い切ったことをっ≫

「大型機は使えんかったけぇ……」


 5人分じゃなくて10人のワワンパァでした。ドールのと合わせて11ワワンパァだったよ。だからだね。全員、自分の攻撃範囲だけに集中して対応するから、速い動きの相手にも攻撃を当てられるみたい。


 そして小型ならではの軽量ゆえに、飛行速度も速い。自由に飛びまわって相手の死角からも、攻撃可能だろうね。

 必殺の一撃はワワンパァドールが出せばいいんだし。


≪あとはフーちゃんが魔力の隠蔽を覚えれば≫

「ポーちゃん、それ、2回目」

≪フーちゃんが魔力の隠蔽を覚えればああ!≫

「「フーちゃんが魔力の隠蔽を覚えれば」」

「うう────────っ!」

「そうでしゅ。フーちゃんは魔力の隠蔽を覚えるのでしゅ」

≪あ、ネーネさん、お帰り~≫


 エルフの戦士団団長として、元コロコロ初代様のネーネさんもここに在住してる。しかも世界樹ダンジョンにいた成長するタイプのネーネさんじゃなく、戦闘用として新たに作ったボディだそうな。


 それなら幼女じゃなくても良さそうなのにね。でも小型でハイパワーなのが便利なんだってさ。

 たんまりDPを使って、超高級品に仕上げてるんだろうなあ


 実はエルフの戦士団って、もうパンツァーポーで暮らしてるんだ。

 4人1組で5チームに分かれて、銀コケシがいると思われる浮遊石のある場所に戦闘を仕掛けてるよ。1人に1塊ずつ連絡用の僕塊(ぼっかい)が、サービスで付いております。


 ネーネさんたちが攻め込んだ場所は、1番動きの激しかった浮遊石のところ。銀コケシもいっぱいいるだろうから、念のために3チーム合同で向かってた。損害がなかったようで良かった。


「お土産でしゅ」

≪ウヒヒ、これでまたたっぷりのDPが≫


 つまり、儲かっただけということー!


()えなあ。ウチんとこにも吸収させたいわ」

「浮遊石、探知されるする」

「危ないであります」

≪全部奪ったあと、ここのコアを吸収させればいいんじゃない?≫


 相手の最後の要塞を僕がもらえば、このパンツァーポーは無くてもいいしね。空中要塞は精々別荘くらいの使い道しかないだろうし、地に根付いてるダンジョンのほうが使い道あるよ。


「なかなか考えてましゅね、ポーちゃん」

≪でしょでしょ≫

「やった! ありがと、ポーちゃん」

「じゃあ修行でしゅ」


 そう言ってネーネさんが見えないナニかで、僕らをペシィペシィし始めた。


≪うううううううっ≫

「「「うううううううっ」」」


 僕らは唸るしかない。

 だって嫌いな修行だもん。コレェ!

次回≪MISSION:111 緑化計画≫に、ヘッドオン!

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