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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:108 魂の数

「ハハハハッ、笑える!」

「まさか子供が来るとか思わなかった」

「言えてるぅ。子供に僕たちの基地を盗まれるとはね」

「しかも殺すとかウケるじゃん」


 僕らと対峙した銀コケシ。スッゴイ笑ってる。

 でも表情が変わることはなくて、口だけパクパクしてるから若干怖い。魚の獣人的な存在なんだろうか?


 だとしたら水中戦とか、できそうなんだけどね。海中に攻めてこなかったのには、なにかしら理由でもあるのかもしれないな。

 なんて思ってたらワワンパァが煽り返した。


「ハンッ、そんな子供に出し抜かれちょるんよ」

「脅威度をちょっとだけ上方修正してあげようじゃん?」

「コイツらッ」

「パァちゃん、落ち着くであります」


 ワワンパァ……煽っといて煽り耐性低いよォ。

 喋ってる間にちゃんと相手を観察するべきかと思いますよ。だけどそんなつもりはないようで、フーちゃんは魔力を高め、ルァッコルォはバフを掛け始めた。


「了解。さっそく試してみるか。マテリアル・ロード、セットアップ」


 コケシも戦闘準備を始めたみたいで、なにかをセッティン……ッ!?

 ザワッてしたっ!


≪僕になにした!?≫

「ポーちゃん?」

「グゲゥッ」

「ムーッ?」

「苦しみ始めましたな?」


 胸の辺りから崩壊していく銀コケシ2。


「ありゃあ? このスライム、同タイプなのか」


 うわーキモイとか銀コケシ1に言われる僕。ザワッとした感じは消えたけど……いつの間にか僕に細工をしていたってことだ。

 切られた時だろうね。


≪攻撃を受けると、なにかされるみたい!≫

「安心してよ。キミにはもうなにもしない」


 続く言葉は「魂がウジャウジャあってキモすぎだし」というものだった。

 つまり、僕の魂を奪われて使われたということ。

 コイツら、ヤバす──


御雷みかずち!」


 ──ぎる!

 って思った時にはルァッコルォが電を纏って、銀コケシを細切れにした。


「あああっ! ルーちゃん、ズルいしたっっ!!」

「カッコ()え!」≪スゴイ! 紫電の乱舞っ!≫

「えっへん! さすがそれがしといったところであります。まあそれは置いておきますが……」


 ルァッコルォ的には、相当ヤバイと感じたらしくて、速攻で仕留めたそうだ。

 うん、僕もそれは思った。


≪いつ僕の魂が取られたのかよく分からない≫

「想像、可能する」


 みんなの意見も僕と同じで、最初のミサイルを切られたときだろうって判断してる。でも条件が簡単すぎるんだよね。

 だからこそ、ルァッコルォが必殺技出したんだし。


≪僕だけでやったほうが、いい気がするんだけど?≫

「それ、許すない」


 えー、だって僕なら魂とられてもザワってしただけだし。

 コケシも僕の魂を使ったら身体が崩壊するみたいだし。というか、体内に侵入してた僕が暴走したのかも。


「ウチぁ完全に足手まといじゃ……」

「接近戦、する、ない、ダイジョブ」

「そうなるとそれがしの攻撃が、物足りないことになりますなあ」

≪アチラを立てればコチラが立たずってヤツだね≫


 そもそもワワンパァは戦闘職じゃないし。ガトリングガンで属性弾使ってサポートしてくれてるから、足手まといなんかじゃないよ。

 つまり……。

 前衛は切られても関係ない僕と、切られない動きができるビリビリルァッコルォ。

 後衛は高火力のフーちゃんと、サポートのワワンパァってことになるか。


「それ、いこと」

≪気を付けてよ? ホントに≫

「じゃね。コイツらって、ポーちゃんみたいな存在なのかもしれんし」

「仲間が死んでも気にしてなかったですからなあ」

≪そうそう! 全部同じ思考してるか、同期してる可能性は高いよ≫

「うん。残機いっぱい、あるする、銀コケシ、可能性高いする」


 コケシ1の状況をコケシ2が理解してる風だったもんね。しかもダンジョンで生産してるから、クローンは確定だしなあ。

 残ってる奴らにも、共有されてると思って間違いないでしょ。


 終わってみれば圧倒したといっていいけど、情報はしっかり取られちゃってるだろうね。ただ、僕の魂の力を使うのがマズイって思ってそうだから、拡散粒子のほうは使えると思う。


「ではこのダンジョンを奪いに行きますか」

「まだおるかもしれんけぇ、気ぃ付けんとね」

「ンッ! ポーちゃん、索敵よろしくするー」

≪オッケー。まずは様子を探ってくるよ≫


 注意しながらコアルームまで進もう。

 銀コケシの接近戦はルァッコルォのバフ2段目、まとい以上で神威成り以下って感じに見えた。


 それに加えて不可視の術。魔力は感じなかったから隠蔽してるのか、そういう能力なのかは謎だけど、魂を奪う攻撃もある。

 ゴエモンやネーネさんからは聞いてないから、遠距離攻撃はなしかショボイんだろうね。


 ラジコンサイズで囲って見せておけば、コケシは粒子サイズに気付かない可能性があるから、小型機で探索しようってことでAWACS(エーワックス)に頼む。

 もし敵が残ってたらコッソリ始末しておいてもらおう。どう考えても僕以外はヤバイと思うし。


<らじゃ。サイズ調整してサテライト1番から30番までを投下>

≪ここの警戒も僕がやるから、みんなは休んでてー≫


 AWACS内にあるオヤツを渡して、のんびりしててもらう。

 ここの空中要塞ダンジョンも、同じ作りみたいだからすぐ終わると思うよ。動いてるコケシの残機次第だけど。


<ここにはもういないみたいだね。相変わらずのコケシ生産工場だったよ。製造中のは13で、卵状態が8個に肉団子状態のが5個>

「つまり、しばらく前に出たのが5匹で、最近8匹出たうことなんか」

「そうでしょうな」

「想像、多いする、ね」

≪ねー。結構な数が活動してるのかも。厄介だねえ≫


 魔石で動いてる魔物とは違うから、サーチも難しい。どういう方法で僕らを見付けたのか、調べてみないと。

 ということで、みんなと一緒にコアルームへ直行した。


 その間にサテライトたちが、ダンジョンコアをチェックしてたんだけど、どうやら浮遊石の場所が分かるみたいだ。 

 ワワンパァダンジョンの場所にも印があった。


「ホンマ、厄介じゃー」

≪さらにこのダンジョンコア、僕らが奪ったコアよりハイパワーだよ≫

「ズルいする」「じゃあ奪うのであります!」

「んんー、ちょぉ待ってぇや……んんん」


 ダンジョンコアを見ながら、ワワンパァのCPUがなにやら計算中。ファンが唸りを上げるくらいの感じで、ウンウン考えてるみたい。彼女から導き出される回答とは、いったいなにか。


 ピコーン! な感じで顔を上げるワワンパァ。


「パンツァーポーのコアに合体すりゃあ()え!」

「それがし、もらえないでありますか?」

「探知されるけえ危ないわ。ここのダンジョンマスターにゃあ、ならんほうが()えよ」

「ポーちゃん、特殊?」

≪だねえ。僕はもういろんな場所にいるし、コア壊されても全滅しないから≫


 まあ……コケシも全滅しないんだろうけど。同タイプって言ってたし、魂を分割っていうか、そんな扱いができる存在というか。他のダンジョンマスターも分身できるからって、魂の分割が可能かどうかなんて分からない。

 試して失敗したら死んじゃうもんね。そもそもダンジョンコアを破壊するのが、もったいないし。


≪ワワンパァダンジョンの浮遊石も、パンツァーポーのに合体させよう≫

「じゃね」

「ンッ。それ、安全なるする」

「ここのコアの制御は、一旦奪うのでありますか?」


 あー、どうしよ?

 制御を奪わないと銀コケシの在庫処分が大変かなあ。


「それがしもコアの操作をしてみたかったですー」

「銀コケシ、殲滅後、できるする、かも~?」

「かもじゃねえ~」


 暢気だね~。でも僕がルァッコルォの契約精霊にならないと、永遠のボッチになっちゃうのでは。普通のダンマス分身じゃ、リモートの距離制限があるし。

 複数の人と契約って可能なのかなあ? ワワンパァの精霊は頑張ってるみたいだけど。


≪とりあえずコア奪って、コケシの在庫処分した後にパンツァーポーに吸収させようと思う≫

「分かるしたー」


 サクサク処分してダンジョンコアを取り除こうとしたら、ワワンパァから待ったが掛かった。


「ダンジョンからコア取ったら、崩壊していくはずじゃけえ先に出とかんと」

≪そうなんだ。じゃあみんなはパンツァーポーのほうに待機しててよ≫


 僕はダンジョンコアを壊れないように守りつつ、脱出だね。死んでも平気なスラボディ、なんて便利なんだ。


 みんなからの連絡を待って、ダンジョンからコアを切り離す。コレは物理的なものじゃなくて、システム的なものだよ。

 マザーボードをモギッてするんじゃなくて、アンインストールする感じ。

 まあ最終的には物理的にモギッなんだけど。


 切り離す瞬間、ダミーコアいっぱい作ってからにすればよかったって思ったけど、スゴイ魔力がこのコアから感じられた。

 浮遊石ってひょっとしたら、DPで魔力を溜めるのが正解なのかもしれない……。


 どおりで人力じゃあ溜まらないはずだよ。

次回≪MISSION:109 光学迷彩≫に、ヘッドオン!

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