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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:106 移動要塞改め空中要塞

 そんなわけで人型になる案をポイして、ダンジョンコアを操作してみた。

 うん。問題なく操作可能だね。どの僕でもダンジョンマスターとして認識されるみたいだ。


 そして空中要塞を作らなくても、このダンジョン使えばいいじゃーんってなってる。移動を始めて分かったんだけど、浮遊石って向きがあるみたいなんだ。移動する方向に傾いたんだよね。


 つまり浮力は上方向だけじゃなく、向いた方向に働くようです。右に傾けたら右に浮くというか。


≪ジェリーフィッシュをやめて、このダンジョンの名前は空中要塞パンツァーポーにする!≫

「あっちの浮遊石はどうするん?」

≪魔力が3%くらいしかチャージできてないしなあ。食べても……うーん、ワワンパァダンジョンに取り込むとか?≫

「ウチんとこにぃ?」

「伝説、浮遊石、余るした……」

「恐ろしい事態になってるのであります……」

「「「うーん……」」」


 アッチのはとりあえず今まで通り、魔力をチャージしながら放置かなあ。思いついたら使おう。パンツァーポーのほうが大事だね。空飛べるのが分かったし、巨大水槽はなし。


≪居住区を作って未開の地を探索ってのも楽しそう≫

「居住区は()えけど、未開の地を探索しちょる場合じゃない気はするんじゃけど」

≪まあ、銀コケシと邪人問題があるしねえ≫

「全部もらうするー!」

「フーちゃんは豪気ですなあ」


 僕がダンマスになったおかげで、それも不可能ではなくなった。残機を生かした探索に加えて、僕同士ならリモート可能になったしね。

 映像付きで報告ができるのは大きいよ。みんなに見せるにはアニメみたいに、いっぱい絵を描かなきゃいけないからムリだけどさ。


「とりあえず契約と登録しちょこうや」

≪あ、そうだね。フーちゃん、良しなに~≫

「良しなする~」


 ここのダンマスになったから、僕の分はDP入らないからなあ。みんなの分だけが収入ってことだ。ダンジョン機能で出した魔物からも、DP収入はないのです……。

 出払ってる時は、契約者のフーちゃんの分だけだよ。

 少なぁ。


≪ねえねえ、ダンジョンマスターとの契約ってさあ、1人だけしかダメなの?≫

「え、ダメじゃろ? アレ? そういやあ試そうとも思っちょらんかったね」


 なんでじゃろ~とかワワンパァが不思議がってるけど、ワワンパァが分かんないんだったら僕には分かんないな。


「契約するといって、必ずしも志しが同じということでもありますまい」

「ムム、確かに、する」


 な、なるほど……昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵ということかあ。


「ウチらなら問題ないんじゃ?」

≪だね。みんなと契約してしまおう≫


 ワワンパァのとこも帰ったら契約しちゃう。

 塵も積もるのだ。

 塵の僕が言うんだから間違いないのだ。


「ポーちゃん、この要塞には是非とも窓を付けてくだされ!」

≪おー、確かに映像で見るよりも感動がありそう!≫


 それはいいアイデアってことで、みんな賛成した。

 では改造していきましょうかね。

 まずはコアルームの居住性のアップかな。なにもないし。


 ふむん、透明な壁もあるな。これなら不懐属性の透明ドームだって作れるじゃん。だったら要塞下部からニューンって展望室を出せばいいから、全体を改装する必要がなくて省エネかも。


 コアルームの下に作ってしまおう。そこから出入り可能にすれば、地上に着陸した時も乗り降りが楽だし。飛べるからあんまり関係ない気もするけど、僕ら以外を乗せる時には役に立つからね。


 ということはー、ランディングギア的なものも必要だ。タイヤのないヘリみたいに横棒でいいかな。要塞底面の外周に取り付けておけばいいと思う。空力は考えなくてもよさそうだし、可動式にしなくてもいいでしょーう。


≪──って感じに仕上げようかと思うんだけど、どう?≫

「分かるない。お部屋、ポーちゃん、お任せあるする」

「それがしもー」

「ウチぁお酒飲める感じの仕上げが嬉しい」

≪飲んでも意味ないくせに、ワワンパァにブレはないってことかあ。じゃあバーカウンターみたいなのも作ることにしよう。軽く調理可能で軽食もアリ……かな。オッケー≫


 雰囲気だけでも楽しみたいようなので、承りましたよ。そうだねえ、展望室は半ドーム型にしよう。キャットタワーにセットして、ネコを下から覗くヤツみたいなの。


 でも全部透明の壁にはしなかったよ。レンガの壁も十字に設置した。これは照明のためってのが大きいかな。ついでに出入り口にする。可動式にして外側に開いて階段になるように作った。


 赤系の明かりを間接照明にして、木のカウンターに椅子を用意。もちろんカウンターはドームに合わせて湾曲させるのだ。カウンターの上にワイングラスホルダーを取り付けて、グラスをぶら下げる。


 飲むのはお茶とかジュースとか水になるけど。カッコよさを追求する。雰囲気マジックで、ただの水も美味しく感じるはずダヨー。

 カウンターの後ろには棚を置いて、小洒落たビンでも並べておく。中身は入ってなくてもいいや。お酒は飲まないしね。


 外を見る用にローテーブルと、ゆったり目なソファを壁際に何組かセット。あとは……観葉植物をいくつか置いて完成かな。


「ポーちゃんの世界は不思議でありますなあ」

「グラス、ぶら下げる、見るするないした~」

「ポーちゃん、ありがと~。()えわあ、この部屋!」

≪なら良かった。さっそく起動してみようよ!≫


 さんせーい! とのことなので、展望室を動かして海の中へ。


「暗いする」

「特になにも見えませんな」

「光ぃ出しちょるんじゃし、その内魚が寄って来るじゃろ」

≪もっと明るいところじゃないと意味なかったねえ≫


 景色を楽しむのはまたの機会にして、居住区も作っちゃいますか。まずは貴族用10部屋とエルフ用10部屋くらいでいいかな。足りなかったら追加すればいいや。

 普通の部屋はテンプレートがあったので、サクサクっと追加しておく。


 6分の5くらいスペースが余ってるけど……どうしよう?

 使い道ができるまで、やっぱ水槽かなあ。魔物でも入れないとDP増えないよ。冒険者を呼び込むわけにはいかないからね。


≪オイシイ魔物いないかな~≫

「ポーちゃんはなにをご所望ですかな?」

≪クラーケン?≫


 ムリムリ~ってみんなに言われた。

 分かってるってば。

 しばらくはポワ~ンポワ~ンって光りながら、パンツァーポーの外壁をカパァって開いて捕獲するしかないね。そのあとで海ステージを作ろう。


 なんだかんだと1週間くらい経ってるけど……。

 1匹も捕獲できてないけど……。

 大物を狙い過ぎなんだろうか。そんなことを考えたら、みんなが上を向いた。


≪どうかした?≫

「なんか上におるって」

「上空の映像とかって確認可能でありますか?」


 精霊がなにかを見つけたみたいで、みんなに伝えたらしいんだけど空かあ。外部の映像は出せるけど、ダンジョン外部はカメラに映ってる範囲くらいの映像しか出せないね。カメラはないから外壁がカメラの役割をしてるっぽい。


≪空はムリだよ。ここ深海だし≫

「ポーちゃん、避けるする!」

≪攻撃ッ!?≫


 僕はパンツァーポーの移動をジグザグにした。速度を上げたいけど、速度を調整する機能はない。体感だけど時速50Kmくらいだと思う。だから攻撃が避けられるかどうかは微妙。でもよく考えたら避ける必要もなかったかも?


 外壁に当たったビームっぽい攻撃は、ぶち撒けたトコロテンみたいに弾けて、拡散しながら消えてった。衝撃もない。


≪損害なし。ダンジョンの壁を壊せる攻撃はないんじゃないかなあ?≫

「ほういやあ、ほうじゃったね」

「コッチから攻撃はできないのでありますか?」

≪……ない≫


 攻撃手段を作るべき?

 でも僕には敵が見えてないしなあ。急造したところで効果があるかどうか、ってことを考えるとアヤシイ。

 なし、だな。


「うー? 追跡する、してる」

≪えぇ?≫

「位置を捕捉されているのですか」

「なんでじゃろうか?」

「むむーっ……」


 唸ってたフーちゃんがピコーンって閃いたような顔をしたあと、ニヤァって悪い笑みを浮かべてこのダンジョンを指さした。


「これ、知る、もの。銀コケシ」

次回≪MISSION:107 亡者≫に、ヘッドオン!

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