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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:105 移動要塞ジェリーフィッシュ号

 太陽が昇る方向に進むから仕方ないんだけど……。


「眩しいでありますな」


 北西に向かって1時間半。クラゲ型多層構造ピラミッド上空に到着しましたよっと。


「よろしくするわ、フーちゃん」

「ん。らじゃする」

≪入口は天辺にあるってさ≫


 僕らはフーちゃんの空気玉に入って、潜航開始。僕の潜水艦より速いからね。

 AWACS(エーワックス)には上空をフラフラ飛んでもらって、周辺の警戒をしてもらう。


 光の届かない暗い海に、ぼんやりと光るものが目指す場所だ。なんか発光機能はオンオフ可能なんだって。なので目印に光らせておくよって、りゅうぐう隊から連絡があったんだ。

 隠れたい時はオフればいいってことだ。


「見える、した」


 しばらくするとフーちゃんが発光体を見つけて速度を上げる。

 うーん、それにしても不思議な形のダンジョンだね。


「なんかポーちゃんみたいじゃね」

「ですです」

≪確かに≫


 僕のダンジョンってことなら似合ってるのかもしれないなあ。半円のドームが重なってる形だからさ、スライムと親睦性が高く感じられるのかもだよ。


「ポーちゃん、ここ?」

≪そう。そのくぼみのとこが入り口だって≫


 くぼみの中に入ると、屋根が閉まっていく。海水が抜けたら、ドアが開く仕組みらしいのでしばらく待機。発光もやめたって報告がきた。


「ん? あそこに明かりが点きました」


 ルァッコルォが指さすところがドアってことだね。そこに行くとカシューって音を立てながら、左右にスライドして開くドア。壁も床もツルツルのタイルだし、カシューって音だし、なんか近未来感あるなあ。


 りゅうぐうの説明によると、この部屋は入ってきた人を乾燥させたり除菌したりする部屋だそうな。僕らには不要だね。濡れてないし除菌するのはコケシのためっぽいし。

 で、正面にあるドアがエレベーターだってさ。最下層に来てくれと連絡があった。


「他は行かんのん?」

「見る、したい~」

「そうですよねー」

≪銀コケシがカプセルに入ってみっちり並んでるだけだって……≫


 うわぁ、つまんねー。みたいな顔をする一同。実際つまんないのでコアルームに向かうよ。りゅうぐうも2層分見たら一気に最下層に向かったそうだし、特に障害もなかったそうだ。セキュリティはザルだったみたい。


「海底にありますし、気にすることもなかったのでしょうな」

「ンッ。ポーちゃん以外、ムリあるする」

「邪人とか銀コケシにバレたら、なにがなんでも殺しに来そうじゃね」

≪ぷぷー、無駄な行為だけどね!≫


 世界中に散らばってる僕が、全滅するなんてあり得ないのだー。


<ようこそ移動要塞ダンジョンへ~、ってのはまあ置いといてさあ──>


 りゅうぐうの案内でダンジョンコアの所に移動する。


「天然浮遊石じゃ!」

「ここは虹の忘郷だったということでありますかぁ」

「ねー。銀コケシ、家する?」

≪そうなのかもねえ≫

<様子を見てたけど、完全に自動化されてるっぽいね>


 ダンジョンコアが浮遊石だった。魔石の上位互換みたいな浮遊石を利用して、銀コケシの残機を管理してたみたい。管理中のとか製造中の銀コケシとか、これはDPがもったいなかったな。コケシの在庫を処分すればある程度は戻って来るけど。


 まあ天然浮遊石を使ってるだけあって、ダンジョンコアのパワーというかエネルギー量というか、それは他のよりも高そうだよ。

 なのにダンジョンのサイズ的には小さいんだよね。大型百貨店くらいというか。


 しかし映像で見てみたけど、ゾッとする光景だなあ。

 しかもズラーっと並んでんのよ、カプセルに入って。銀色だしチョット光沢があって、ヌメってるようにも見えるからね。

 みんなもウエーって顔してる。


 コケシとは言ってるけど、コケシ風の形をしたヒト(?)っぽいナニかだから。なんというか……ナマコと魚を足したような、というか。目は離れてついてるから死角が少なそうだし、口はバッタっぽい。


≪コレはもうササっと全処分してから移動を始めようよ≫

「賛成であります。視界に入れたくないですな」

「どこに向かうんね?」


 うーん……どこがいいんだろう?

 アレコレみんなで相談して、人里からは離れたほうがいいんじゃないかということになった。コケシが襲って来ても厄介だからね。


「ンッ、丁度良い場所、あるする」


 フーちゃんのお勧めに従って、このダンジョンの向かう先は海のど真ん中。北大陸に向かう途中にあった、休憩用の小島辺りに置いておこうってことに決まった。あそこら辺、ホントなにもないからね。


 ワンチャン、あそこら辺にも虹の忘郷跡がある可能性も捨てきれないんだけどさ。

 なにもなさ過ぎて逆に怪しいというか。マジでフーちゃんが休憩用にしてた小島しかないからなあ。


≪休憩用の小島辺りも探索してみたほうがいいかもね≫

<オッケー。じゃ、コケシとかカプセルとかは全部DPに変換っと>

≪エレベーター以外も取っ払って水槽にしちゃうかなあ≫

「魔物を飼ってDPにするん?」

≪そうそう。入って来る人なんていないだろうし≫


 このダンジョンは発光もできるし、ボヤ~っと光ってたら釣れるでしょ。僕ら用の出入り口以外に、魔物を取り込む用の大きい入口を付けたら可能だと思うし。

 なんか色々できそうなんだけど、今のところ特に思いつかない。


<では。全回路接続、魔導炉臨界まで5、4、3、2、1、臨界点突破!>

「始まるした」

<魔導高速推進術式起動。移動要塞ジェリーフィッシュ号──発進可能です!>

「ほっときんさい」

「ジェリーフィッシュ号、出撃せよッ!」

≪あーーーっ、ルァッコルォが取ったぁぁ≫

「ぬふぅ」


 キモチイイとこ取られてしまったけど、ルァッコルォもまんざらじゃない顔してるしいいか。


「ポーちゃん、ジェリーフィッシュ、なに?」

≪クラゲの外国語ー≫

「分かるした」

≪そういえば魔法の剣とかストックされてたりしない?≫

「そういやあ剣使いじゃったね」


 ワワンパァの鑑定待ちだったらしく、りゅうぐうが持って来た。

 セール品かな? って感じの量だなあ。しかも樽の中に雑に立てて入れてあるし。でもマジック・ディテクションで見ると全部魔法の剣だった。


 42本全部。


≪なんか腹立つね。儲けたけど≫

「分かるのであります」


 ルァッコルォは魔法の剣が欲しくて、賭けに手を出したしなあ。しかも負けて借金漬けだし。


「根こそぎ、奪うする、おなじみ~」

「ウチらが有効利用すりゃあ()えわ」


 そんな身も蓋もないことを2人して言いながら、ワワンパァが鑑定を始めたよ。いい剣だったらルァッコルォが使えばいいんじゃないかな。


「どうでありますか?」

「うん。全部+3ロングソード・オブ・キーンエッジ&マジックブレイクじゃった」

「鋭利付与、魔力分解、した?」

「ほうよ~」

≪ルァッコルォ、どうする? 交換する?≫


 ルァッコルォはうーんって悩むものの、結局はジャマダハルのままにするってさ。突きがやりやすいからっていうのが理由みたい。刃の長さはロングソードのほうが上なんだけど、深く突き刺した場合にはその分抜きにくくなるし、取り回しのしやすさで選んだようだね。


≪あ、そうだ! 邪人が見分けられるか試すために飛び散っておこう≫


 今気付いた。

 おそぉ。昨日のうちに飛んでおけばよかったな。

 他の大陸にも僕がいるからね。それぞれエアタンカー1機分を細かく分けて行ってない場所を調べてみよう。西大陸には行ってないし、北大陸は不要だろうけどさ。


「ポーちゃん、見つける、近いところ、すぐ行く、退治!」

「効率が()えよね!」


 手っ取り早い場所っていうと南大陸になる。効率が上がるだろうっていう予想は立ててるけど、ソレはソレで南大陸が危ないってことだから喜んではいられないんだけどね。


「ユッグベインの企みは潰さねばなりませぬからな」

「うん。ルーちゃん、言う通りする!」

≪アイツらが動く前にブッ飛ばせば、万事オッケー≫


 1週間もあれば捜査網がビッチリと敷けるんじゃないかと。


≪ところで僕ならどの僕でも、ダンジョンコアが弄れるのか試してみる≫

<あー、だね。コロッセオだと別口になってたしなあ>

「あ、ポーちゃんも分身作りゃあ人型で喋れるようになるがぁ」

「「おおーっ!」」

≪い、今さらぁ? なんかわざわざ人型になると不便になるような気がするヨ?≫


 でも喋れるのはアリだよね。ダミーコアが必要なんだけど。

 そしてダミーコア常備しておくのは、僕とパーティメンバーの会話用僕ってことにならないかい?


≪それはさすがに、もったいないのでは≫

「ぶちもったいないわ」

「ン。今、困るないあるする」

「ポーちゃんは気分で分散しておられますからな……」

≪あと単純に美味しい匂いを、体内に抱えておきたくないかなあ≫


 食べちゃダメなお肉とかお酒の匂いが、鼻の中から直に香る生活ってどう?

 そんな質問をしたら分かってもらえた。

 地獄だよ~。

次回≪MISSION:106 移動要塞改め空中要塞≫に、ヘッドオン!

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