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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:103 予知の価値

 そんなわけでホカホカベッドでぐっすり寝たフーちゃんに、夜明けと同時に叩き起こされた僕らは、夕方になる前に本拠地のワワンパァダンジョンに到着した。秘密の出入り口である山側からの帰還だよ。


 木々に覆われた山がガコーって開く秘密ハッチなんだー。フーちゃんもルァッコルォも、わぁって声を上げてキラキラした目で秘密ハッチの開くさまを眺めてる。

 かわよ。

 ワワンパァも僕も、目に焼き付けたのであります。滑走路は必要ないから、マスドライバーとかカタパルトは出てきたりしないけどね。


「カッコイイ、ある!」

≪でしょでしょ!≫

「ですが山が開いたらバレバレのような?」

「ま、まあバレても入れやせんけえ……」


 確かに山が急に穴開けたらバレちゃうか。でも人里からは離れてるし大丈夫だと思う。一番近いところでもダンジョン街だしさ。

 そして報告なんかよりも、まずはご飯ってことになった。いいのだろうか? 秘密の入り口と、ダンジョン入口の飾りになったワワンパァ弐式のドラゴンが見たいってだけで、お城には向かわなかったんだけどさ。


「ステーキに限りますな」

「限るする」

≪そんな神妙な顔で注文しなくたって……≫

「「じゃけど野菜も忘れずに注文するんはエライ!」」


 ということでここはビストロ・ワワンパァ。DPご飯を提供してくれる、僕にとって救いのレストラン。僕はフライドチキンを注文した。

 2重のおしゃべりワワンパァもお久しぶりだね。


「明日、弐式、見るする。お城行くする」

「「そもそもポーちゃんが連絡しとるけんねえ」」

「我々の用事と言えば、顔見せくらいでありましょう」

≪それもそうか≫


 ご飯を食べながら明日の予定を話してると、ルァッコルォがオイシイ匂いを嗅ぎつけた。


「パァちゃんのダンジョンですな」

≪今までの経験から推測できるね≫

「「チヤホヤされるヤツじゃね」」

「飴玉~」

「「ほんじゃあ今日は大浴場に行こうやあ」」


 さんせーいってことで、みんなで大浴場に行ってチヤホヤされつつ飴玉をもらうイベントをこなしました。っていうか、ワワンパァが2人いたので、冒険者も一般の人もビックリしてたよ。ダンジョンマスターが普通に現れてるんだもん。戦力が過剰なので、ワワンパァの安全は確保されてるから平気という判断。


「ここのオイシイ匂いは美味しいでありますなあ」


 なーんてニッコニコで飴ちゃんを舐めてるルァッコルォ。

 それでいいのか? 予知の価値が低くないかい?

 予知でオヤツの匂いを嗅ぎつけて満足してて、ホントにいいの!?


「訓練の仕方なんてありませぬ」

≪むむぅ、確かにそれはどうしようもない≫

「性格、影響あるする?」

「「あー、ね?」」

≪あぁ……納得?≫

「そんなっ!?」


 慰めにはなんないかもだけど、今までの飴玉とは違って新作だったから元気出して、ルァッコルォ。

 スラちゃんのハニードロップだって。魔物の蜂の巣から採取したハチミツを贅沢に使った、そこそこ高級品でした。ちなみに飴細工で作られてる他のみんなのは、もっとお高いものになってます。


≪そういえば全然話は変わるんだけど、ニャムちゃんの足取りを追えるようになったよ≫

「ホントでありますか!」

≪各地の冒険者ギルドに連絡用の僕が勤務し始めたからね≫


 情報をもらってるんだー。そして彼女はだんだん王都に近づいてきている。近いうちにワワンパァダンジョンにも、来るんじゃないかと思ってるよ。


「「オイシイ匂いの正体はニャムちゃんなんかもしれんねえ」」

「ねー。見る、したい~」

「ヌッフッフ、包囲網ができておりますな。もはや逃れることはできませぬ! ハヤテに警戒してもらっておきましょう」


 コアルームに戻ったら、ハヤテに任務を与えるそうだ。じゃあ僕もハヤテ用の連絡僕塊(ぼっかい)を渡しておこう。発見したら即連絡可能なようにね。


「「ほんじゃあいよいよお披露目じゃ」」

「弐式でありますか? 楽しみですなっ」


 ソレもあるけどその前に、ルァッコルォの秋冬コレクションです。


「「正解はルーちゃんの上着じゃ~」」

「ピンク、カワイイあるするー!」


 実は他の色もご用意しております。ウィンドブレーカーはピンク、水色、薄緑色の3色作ってるんだー。それから足が寒くないように、ニーソから黒のタイツにチェンジだよ。


≪スポーティなルァッコルォに似合ってる!≫

「えへぇ、ありがとうございます!」

「次、弐式みるする」

「「()え時間かもしれんね。ちょうど夕方じゃし」」


 客寄せになってしまった弐式のボディは、ダンジョン入口上部へ展示されてる。ワワンパァの言葉は、空を仰ぐように上を向いてるメタリックブルーの機体が夕日に照らされてキレイだってことなんだ。


「ふぉ~! カッコいいですなっ」

「ね! 動く、見たいしたぁ」

「「コスパ悪いけんねえ……」」

≪失敗は成功の基ってヤツだよ≫


 反省を生かすしかないね。

 僕らはコアルームに戻って、紅茶を飲みつつくつろぐ。もちろんこれからの行動も相談してたりするよ。


≪僕は海でダンジョンを捜索しつつ、残機増やしていく感じかな。あとはフィギュアのケースも作ろかなーって感じ≫

「「ゆうて、他のみんなもダンジョン探して攻略じゃろ?」」

「うん」

「ニャムちゃん問題もほぼ解決ですからな!」


 でも2週間後、ニャムちゃんは船に乗って行ってしまった。

 確保する前に。

 乗った船の行先を受付で聞いてみたら東大陸だってさ。


「きぃぃっ! ニャムちゃんめっっ」

≪ルァッコルォに挨拶したら帰郷するって言ってたのになあ≫

「「ルーちゃんをおちょくっちょる説が浮上したんじゃけど」」

「見る、したいしたー」

≪僕、話したから金型作れるよ。もしくは奪還するために飛ぶ?≫

「んー、作るする~。ポーちゃんっ、今!」

≪アイマム!≫

「目にもの見せるために捕らえたいところではありますが、帰途に就いたのであれば諦めざるを得ませぬ」


 二足歩行の黒猫ちゃんだったんだー。ケモ度は10だったよ。しかもボクっ娘で、「な」が「にゃ」になるタイプ。つやつやの毛並みはまるで黒曜石のよう。キレイな忍者ちゃんでした。


「ポーちゃんポーちゃん、騙されております! 一応外見は合っておりますがライカンスロープですし……しかも彼女は僕とか、にゃとか言いませぬよ」

≪は、謀ったにゃ!?≫


 クソゥッ、僕が接近するの、気付かれてたってことかあ。

 驚いた振りしといて、僕の情報も持ってたってことかあっ!

 ニャムちゃんめェ。


「「ポーちゃんもおちょくられとるねえ」」

「プププ、ポーちゃん、ちょろい」


 僕とルァッコルォの鬱憤を晴らすためにも、ドジっ娘シリーズかなー?

 どこかに挟まったニャムちゃん的なのを作りますか。ンン~……壁の穴に身体がハマってる感じのにするかな。抜け出せないくせに「平気ですがなにか?」みたいな顔してるネコっているしね。


 よし、ニャムちゃんのはオヤツを盗み食いしようとして、スポっとハマってるシリーズにしよう。


 しかしコレはアレですな。ルァッコルォの予知は、チヤホヤイベントを予知してたということになってしまったね。以前はハズレもいっぱいあったみたいだから、小粒でもアタリを引いてるから良しとするべきなんだろうけど……このままではオヤツ専用になってしまうぅ。


「当たるも八卦当たらぬも八卦であります」

「「じゃね」」

「地道、大事」

≪フーちゃんがソレ言う~?≫

「大事~」


 逃げ出してたくせに~。

 僕知ってるよ? 暴れられるならなんでもオッケーみたいな思考してんのを。カワイイので僕的にはアリだけど、勉強が嫌で共通語の習得が中途半端だし、ブッパしたいから魔法の威力を求めてるじゃん。


 魔力隠ぺいの修行もやってはいるけど、それほど熱心じゃないんだよね。エルフたちの対銀コケシ作戦を無視して、横から掻っ攫う算段をしているのかもしれない。エルフの戦闘員が見つける前に奪うつもりなんじゃないかなあ。


「ち、違うあるする。そんな、ないあるする!」

「「分かりやすぅ」」「バレバレでありますな!」


 まずは僕が掠め取って、銀コケシの脅威度を測るのがいいかもしんないね。フッフッフ、無限残機の恐ろしさをコケシマンに教えてあげようじゃあないか。僕が一番安全に戦闘力を測れるから全機に通達しておこう。

次回≪MISSION:104 海底ピラミッド≫に、ヘッドオン!

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