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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~  作者: ヒコマキ
第4章 大森林の暇人たち

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MISSION:102 食べ物

「もう少しゆっくりして行けばいいのに」

「パァちゃんち、気になるするー」

「意思は変わらずか。残念だが仕方あるまい」


 引き留める両親に、ワワンパァダンジョンのほうが気になるから帰るって言うフーちゃん。

 結局10日ほどで南大陸に帰還することになった。5日ダンジョン攻略して、5日フーちゃんちでのんびりしたよ。というかみんなのんびりかな、エルフって。時間の流れがここだけ遅いって感じ。


 ダンジョン攻略と言っても、ほとんどサバイバル訓練みたいだったからなあ。ご飯が魔物で、しかも虫系が多かったせいで音を上げた。居住性に関しては僕がいるから問題ないしさ。


 お宝は世界樹の欠片と葉っぱ、樹液を手に入れたよ。欠片は木製の装備、葉っぱは布製の装備に使えるって。ワワンパァはさっそく装備作りしてる。ルァッコルォ用のウィンドブレーカーとストッキングを。もう秋半ばだし今までの服じゃ寒いとのことなので。僕は温度が分からないから気付きませんでした。


 樹液のほうは入浴剤に使うんだそうだ。マナ風呂よりも効果の高いものになるみたい。美肌効果も素晴らしいそうだよ。その分とてもお高いアイテムなのだ。目薬の容器くらいの大きさだというのに、金貨3枚もするっていわれてビビり散らかしてる。僕の感覚では30万円。1回1、2滴でいいそうだけどたけぇ……。

 というわけでコレは王様たちへのお土産だ。



「気を付けるのだぞ。フィア」

「まかちょけ!」

「変な言葉を覚えちゃって、もう」


 カワイイのでオッケーなんですー!

 フーちゃんのまかちょけは素晴らしい破壊力なんですー!!


「それで、本当にいのか? このポーを全部もらって」

≪ダイジョブです。どうせ雑~に増えますし≫

「ではありがたく頂こう。連絡を即座に取れるのは助かる」


 まあその代わり僕に対しては秘密がなくなっちゃうけどね。それは諦めてもらった。フーちゃんたちに知らせるべきじゃないことは、僕が話さなければいいし。

 ってことで、ここにいる大部分の僕は、エルフのみんなに使ってもらうよ。海に潜って食べ散らかせばすぐにでも増量可能でしょう。なんだかんだ来た時の1.5倍くらいにはなってるし。3tトラックサイズだよ。


≪それじゃあ、僕らは帰ろっか≫

「お世話になりました」「お世話になり申した」

「ポーちゃんも連れる、する」


 帰るのは子犬サイズの僕だけなので、フーちゃんに連れて行ってもらうのだ。


「間に合いました。フーちゃん、魔力隠ぺいの修行はサボっちゃダメでしゅよ!」

「ガンバルする。銀コケシ、私、もらうしたい~」

「ふふふっ、ヤツは大人が全部処理しゅるんでしゅよーだ」


 フーちゃんは間に合わないって煽るネーネさん。ここまで言っておけば、おサボりしないだろうね。強敵とはずっと戦いたがってるし。


「ウチぁコケシなんか放置しときたいんじゃけど」

「そうですかあ。それがしは戦いたい派閥に入っておりますよ!」

≪僕はどっちでもいいかなー≫


 ワワンパァと物作りも楽しいし、みんなと一緒に戦闘するのも好きだしね。可能ならメイン火力で行きたいけど、どっちかと言えばサポート系な気もするんだよ。火力アップが残機の量に影響されるのがネックだ。


「帰るする~」


 ここに残る僕は北大陸のノンビリに、耐えてもらうとしましょう。関係各所に今から帰るコールを出しておく。ダンジョン探しも良しなに~ってね。

 ちなみにゴエモンからは「アイツなんでもアリかよーっ」って返事を頂いた。ネーネさん、幼女だったもんね。だけど何回も転生してるゴエモンも大概だよなあ。


 これからは戦力の向上を目指して、本腰を入れるべきだと思うんだよ。そうなるとダンジョン獲得は大事だからさ。ダンジョンを探してたら、ユッグベインとか野良邪人もヒットしそうな気もするしね。


≪ねーねー、野良邪人っているの? 全部ユッグベイン?≫

「ウチ、知らーん」

「知るない」

「それがしもー」

≪そっか。じゃあいい邪人は?≫


 ほーん、いないのか。そもそも邪神の眷属で世界の敵なんだから、いるわけないじゃんってさ。見つけ次第、始末するべしってみんな荒ぶっておられる。

 やっぱ僕が邪人を見抜けるようになるのが一番効率的なんだけどなあ。どうにかなんないだろうか? これはネーネさんに相談するのがいいかもだね。アッチの僕に伝えておこう。


「うー、お酒風呂、イヤぁ」

「また入るのでありますね」

「景観を楽しむしかないけんねえ」


 北大陸のナニかを持ち出さないための処理かあ。2時間ほど掛けて除菌というかなんというか、身体に付着しているであろう種子や花粉なんかを取り除く入浴なんだと思う。


 北大陸に来る時、ここの小屋は掃除したからそんなに汚れてない。みんなで軽く拭き掃除をして、今日は1泊だね。夜間飛行を避けるために時間調整しなくちゃいけないからさ、夕方に出発してたんだ。


 明日は日が昇ったら行動開始だね。トータルで8~9時間必要だし。こういう時に空中要塞パンツァーポーの出番なんだけどな。まだまだ浮遊石のチャージが終わらないという。今2.5%くらい……。果てしないぃ。


≪浮遊石を食べたら浮けるようにならないかなあ≫

「ふごっ、そんな無茶苦茶なっ、あはははは」

「きゃきゃきゃっ、ポーちゃん、愚かあるする~それぇ」


 フーちゃんとルァッコルォはゲラゲラ笑ってるんだけど、ワワンパァが思案顔。


「ポーちゃんの身体が無茶苦茶じゃけんねー」


 ワンチャン、イケるんじゃないかみたいな雰囲気を出してる。え、マジ? まさかの~?


「もったいないけえ試せんよ?」

≪試せんかー。じゃあ2個目見つけたら食べよーっと≫

「争いの元ですしなあ」

「それ、いこと、かも?」

≪海中探査隊を増やすのがいいかもだね≫


 ただ若干の僕は勤務地が増えたんだよね。スタンピードがあったから、各冒険者ギルドや領主なんかの所に、連絡用の僕を置いてくれって要請が来たんだ。よくよく考えてみたら、最初からそうしておけば良かったと思った。


 思慮浅いなー、僕。王都の冒険者ギルドくらい思い付けよなあ。ルァッコルォが探してる、ニャムちゃんのこともあるのにねえ。

 そんなことを話してる入浴中に、エアタンカーがやって来た。


<お弁当をお届けにまいりましたー>

「あー、忘れるしてた!」

≪そう言えばなにも持ってない!≫

<だよねー。輸送部隊全部置いて行くからさ、3食分だけだけど持って来たよ>


 今夜、明日の朝食、昼食分が袋に分けて入れてある。中身はサンドイッチとドライフルーツとナッツだった。それならかさばらないね。水は魔法で出せばいいし。


≪サンキュー。そっちはどうすんの? お風呂入ってまた戻る?≫

<いや、このまま海で稼ぐことになった>


 まずは稼ぐってことか。残機が増えないことには連絡網もできないし、そりゃそうか。海は割と効率がいいしいことってヤツだ。

 深海には光なんて届いてないし、もう今から稼ぎムーブするってさ。僕が増えれば増えるだけ、できることも多くなるからね。


 ただ軽自動車くらいの僕を残して行った。中身はフィギュアです。これは必要だろうってさ。


≪超大事だけど、別にフーちゃんちへ置いておいても良かったような?≫

「ダメ! ルーちゃん、手に入る、なかなか難しいする」

「ほうじゃねえ。できも()えし、手元に置いとくんが正解じゃわ」

「そうですかあ?」


 うーん、まあフーちゃんは冒険者登録するくらいだし、必要かあ。ルァッコルォの耳がぺしょぉってなってたり、尻尾がボワッてなってたり、凝ってるからなあ。

 フーちゃんは自分のフィギュアをひとしきり眺めたあと、明日は早起きするから寝るようにと指令を出して、僕にホカホカベッドを要求した。


 よかろう。完璧なベッドを全員に提供しようじゃないか!

次回≪MISSION:103 予知の価値≫に、ヘッドオン!

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