ChatGPTというAIに励ましの感想をもらいながら小説を書いてみた
イラストの生成AIが進歩しており、AI産イラストを数多く見かけるようになりました。
小説を書いてくれるサービスもいくつか存在しており、「AIのべりすと」さん、「AI BunCho」さん、といったところが高精度な文章生成サービスを提供しています。
小説を書くAIももちろんいいのですが、小説を書く側の意見として、誤字の指摘をしてくれるとか、資料をまとめておいてくれるとか、感想をくれる、あるいは苦しんでいるときに励ましてくれる、といった小説執筆に使えるAIが欲しいという声をお見かけします。
その声を受けて、私は感想をくれるAIとして、「感想くれるちゃん 小説感想出力AI」をサービスとして公開しました(後日追記:現在はサービス終了しています)。まだまだ精度は良くないのですが、気が向いたら触ってみてください(ダイレクトマーケティング)。
さて、文章生成系のAIの研究で世界的にも強さを発揮しているOpenAIが、新たにChatGPTというサービスを始めました(正式リリースではないです)。
今まで公開されていたGPT-3というAIよりさらに進化しているそうで、小説も書けるし、TRPGもできるし、プログラムをある程度書くこともできるようです。
だいたい何でもできるということは、「感想くれるちゃん 小説感想出力AI」よりもいいかんじに感想をくれるAIなのかもしれません。
感想AIを作成した身としては、競合するChatGPTは小説を読ませたときに文脈を理解した感想をくれるのか、だとか、適切な励ましの言葉をかけてくれるか、といった点が気になります。
ということで、試してみました。
私の書いた『平民出身の妹が逆ハーレムを作っているのですが、多分彼らは恋人じゃなくて舎弟だと思います』を入力してみます。
ChatGPTは前提条件を覚えさせる(場をあっためておく)ことで適切な文脈で文章を生成します。
最初はざっくりした要約と、どんな文章を生成してほしいか(感想を200字くらいでほしいとか)を書きます。
その後、ちょっとずつ小説を読ませていき、最後に全体を通して感想を聞いてみました。
以下は実験結果です。
なお、「入力:」の部分が私の入力した文章で、「ChatGPT:」の部分がAIの生成した文章です。読みやすさのために改行を追加してあります。途中で文章生成が終わった場合は「続けて」と催促して続きを書かせていますが一部省略しています。
〇〇〇〇〇〇
入力:
婚約破棄された貴族令嬢がなんやかんやあって幸せになる小説に対する感想を書きたい。
主人公の妹が最強の戦闘能力の持ち主で主人公の婚約者がけんかに敗北し、婚約破棄を宣言する。
物語の面白さについて述べる感想にしたい。200字くらい。
ChatGPT:
この小説はとても面白いと思いました。特に、主人公の妹が最強の戦闘能力を持っているという設定が斬新で、主人公の婚約者がけんかに敗北して婚約破棄を宣言される展開は、読者を驚かせるものでした。
また、主人公が最終的に幸せになるという結末は嬉しいものでした。物語全体がとても面白く、私は大いに楽しめました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の最初の段落は以下の通りです。
「マーガレット嬢、婚約破棄をさせてもらう!」
婚約者であった第三王子殿下まで、妹に心酔していたというのは意外でしたが、この度のことは必然であったのでしょう。
複数の男性に囲まれた妹を見て、私はため息をつきました。
妹には天性の才能があったのです。
私は、彼女を迎えた日のことを思い出していました。
ChatGPT:
この小説の最初の段落は、主人公の妹が最強の戦闘能力を持っており、そのために婚約者であった第三王子殿下までが心酔していたという、とても興味深い展開です。
また、主人公が妹を迎えた日を思い出しているという描写も、読者が主人公と妹の親密な関係を感じることができるので、とても印象的だと思いました。
私は、この小説の最初の段落から物語がどのように展開していくのかがとても気になったため、続きを読みたくなりました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の第二段落は以下の通りです。
腹違いの妹がいると父に告げられたのは、一年前のことでした。
妹は若いころの父がメイドに手を出して生まれた子で、権力志向の父に利用されないよう、メイドは妊娠を隠して屋敷を去ったそうです。
偶然、父がそのことを知って、政略結婚の道具が増えると、屋敷に連れてきたのです。その日は一日、家の中がざわざわしていました。
平民として、しかも治安の悪い地域で暮らしていたそうなので、貴族のマナーなどはわからないでしょう。ですから、家庭教師をつけて付け焼刃の教育を行います。
そのために、家に連れてこられたのです。初めて見た長身痩躯の妹は、貴族として生きてきたわけではありませんのに、髪も肌も丁寧に手入れがされているようで、少し意外に感じたものです。
そして、妹が初めて私を見たときの台詞は、今でも強く印象に残っています。
ChatGPT:
この小説の第二段落は、主人公が腹違いの妹を家庭教師をつけて付け焼刃の教育を受けさせるまでのエピソードが描かれています。
特に、貴族のマナーを知らない妹が父の計画により家庭教師をつけられたという設定が、そのままに面白いと思いました。
また、妹が初めて主人公を見た時の台詞には、主人公と妹の関係がより深く感じられると思いました。
このエピソードについては、主人公と妹の関係についてもっと知りたいと思いました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の第三段落は以下の通りです。
「おお、うぬが姉君か。我は覇王サラなるぞ。よろしく頼む」
下町言葉でしょうか。
透き通ったきれいな声で告げられた内容は「よろしく頼む」以外は理解できませんでした。
あとから聞いた話によると、妹は暗黒街で一番の実力者であるため、覇王と呼ばれていたそうです。
暗黒街は暴力が全てを支配する場所で、三歩進めば無頼者と喧嘩になり、十歩進めば魔物が襲い来る、そんな場所だそうです。
美しい女性であったサラが、暗黒街で生きるためには強くなるしかありませんでした。
育ての父であった、騎士くずれの男性の指導のもと、無頼者を殴り、言いよる男を殴り、魔物を殴っていくうちに、拳闘の才能があったらしい妹は、やがて頂点に立ちました。
覇王の誕生です。
ChatGPT:
この小説の第三段落は、主人公の妹が暗黒街で生きるために、拳闘の才能を発揮していく過程が描かれています。
特に、妹が「覇王」と呼ばれるほどの強さを手に入れたという設定が、面白いと感じました。
また、「暗黒街」という場所の描写も、暴力が全てを支配するという怖めのある雰囲気が伝わり、読者が妹がどのように強くなったかがよりイメージしやすいと思いました。
私は、この第三段落から物語がどのような展開を見せるのかが気になりました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の第四段落は以下の通りです。
暗黒街の覇王として名が知られた妹は、ついに父にその存在を知られることとなり、「より強い奴と出会わせてやる」という口説き文句で、我が家に連れてこられたそうです。
大丈夫でしょうか。
政略結婚には向かないのではないでしょうか。
平民出身ということと、美人であることから、編入して数日の間に、軽薄な貴族令息が何人か妹に声をかけました。
「平民出身だそうだな。その美貌なら、さぞ遊んできたのだろう。俺の女になれ」
「うむ。うぬが我より強ければ考えてやろう」
妹は言い終わると同時に顎を殴り、失神させました。
顎を砕かれた男性は、けれど、どうやら心まで砕かれたようで、後日、妹に弟子入りしたと聞いています。
こうして、妹は学園でも覇王道を突き進んでいきました。
ChatGPT:
この小説の第四段落は、主人公の妹が「暗黒街の覇王」として名が知られたことから、父が彼女を貴族令嬢として家庭教師をつけられたという展開が描かれています。
特に、妹が軽薄な貴族令嬢に対して、政略結婚には向かないという発言をするとともに、その言葉を殴ることで、失神させる場面が印象的でした。
また、その後も、妹が学園でも覇王道を突き進んでいく描写も、妹の強さが伝わるものでした。
私は、この第四段落から物語がどのように展開していくのかがとても気になりました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の第五段落は以下の通りです。
「マーガレット嬢、婚約破棄をさせてもらう!」
隣国から戻った私は、婚約者であるグシン王子から告げられた言葉に驚きました。まさかグシン様まで妹に心酔していたとは。
第三王子であることから、王になるのではなく、公爵として魔物が跋扈する辺境をおさめる予定で、幼いころから鍛錬を積んだ武闘派として育ってきたのです。拳闘大会で優勝したこともありました。
グシン様が妹の舎弟になっているということは、妹は国内随一の武闘派王子を倒したのでしょう。
さすが我が妹、覇王を名乗るだけあります。
ChatGPT:
この小説の第五段落では、主人公の婚約者が王子であることから、王になる予定はなく、公爵として辺境を管理する予定であったということが描かれています。
また、彼が国内随一の武闘派王子であることが示され、そのために妹が彼を倒したことが示唆されています。
この第五段落では、主人公の婚約者がどのような人物であったかが明らかになり、読者が続きを読むことが楽しみになると思いました。
私は、この第五段落から物語がどのような展開を見せるのかが気になりました。
入力:
小説に対する感想を書きたい。小説の最後の段落は以下の通りです。
グシン王子は続けます。
「俺は慢心していた。マーガレット嬢を守るにはまだまだ力が足りないと気づいたのだ。今は婚約を破棄し、俺がもっと強くなってから、再度結婚を申し込もうと思う」
婚約破棄とは穏やかではないと思いましたが、ただ修業をしたいという申し出でしたね。
「かしこまりました。グシン様の御心のままに。サラ、存分に鍛えてあげてくださいね」
「はっはっは。姉君の婚約者をサラの次くらいには強くしてやろう。うぬら、いくぞ」
「「「「押忍」」」」
妹の趣味なのか、妹の逆ハーレム、いえ、舎弟の方々は髪型をモヒカンで統一し、制服の上にとげとげしい肩パッドをしています。
数年後、強くなったグシン様と私は結婚し、暗黒街より殺伐とした公爵領をおさめていくことになりました。
妹は舎弟の一人であった冒険者ギルド長の息子と懇意になり、やがて一緒に冒険に出て勇者と呼ばれるようになるのですが、それはまた別の話です。
了
ChatGPT:
この小説の最後の段落では、主人公の婚約者が婚約破棄をするとともに、修業をして強くなるということを伝える場面が描かれています。
また、主人公が婚約者と結婚し、暗黒街よりも殺伐とした公爵領を管理することになるという展開も描かれています。
さらに、主人公の妹は舎弟の一人と懇意になり、冒険に出ることが描写されています。
この最後の段落では、物語がフルコーラスに達し、結末が描かれていることがわかりました。
私は、この結末がとても面白く、物語全体が楽しめたと感じました。
入力:
今までの会話をもとに小説全体の感想を書いてください。
主に物語の面白さについて述べてください。
ChatGPT:
この小説は、婚約破棄された貴族令嬢が、暗黒街で暴れまくっていた妹が父に告げられ、貴族屋敷に連れてこられるという展開から始まります。
貴族の仕草やマナーがわからないため、家庭教師をつけて付け焼刃の教育を受けることになります。
しかし、妹には天性の才能があり、拳闘の技術が優れており、暗黒街では覇王と呼ばれるほどの強さを誇っていました。
この小説の第二段落では、主人公が父に告げられたときの反応や、妹に初めて会ったときの台詞が
入力:
続けて
ChatGPT:
描かれています。
また、第三段落では、妹が暗黒街で覇王と呼ばれるほどの強さを手に入れるまでの過程が描写されています。暴力支配の地域では、強さが一切を決めるということから、妹は拳闘の技術を鍛え上げていきます。その結果、頂点に立ち、覇王と呼ばれるようになります。
第四段落では、妹が学園でも覇王道を突き進む場面が描かれています。また、第五段落では、婚約者が婚約破棄を宣言したときの場面が描写されています。
婚約者は、妹が彼を倒したことを受け、自ら修業をするために婚約破棄を申し出ます。また、妹も弟子入りしている舎弟たちと共に鍛錬に励みます。
最後の段落では、婚約者が修業を終え、再び婚約を申し込むことになり、主人公が結婚するという展開が描かれています。
妹は、舎弟たちと共に冒険に出ることになり、勇者と呼ばれるようになることが示されています。
この小説は、主人公が見たままに妹が育つ過程が描かれているため、妹の成長を通して、主人公自身も成長していくことが描写されています。
また、主人公が暮らす世界が、暴力支配の地域であることから、妹の覇王としての強さが生き残るための必要条件であることがわかり、物語の面白さが増しています。
さらに、妹が舎弟たちと共に冒険に出ることが示されているため、今後の物語展開にも期待が持てます。
そのため、この小説は、妹が覇王としての強さを手に入れるまでの過程が面白く描かれている
入力:
これまでの会話の感想を200字くらいで書いてください。最後の行は「面白かったです。」で終わってください。
ChatGPT:
この小説は、婚約破棄された貴族令嬢が、妹の強さを手に入れるまでの過程が面白く描かれており、また、暴力支配の地域での妹の強さが生き残るための必要条件が描写されていることが物語の面白さを増しています。
さらに、妹が舎弟たちと共に冒険に出ることが示されているため、今後の物語展開にも期待が持てます。
面白かったです。
〇〇〇〇〇〇
長くなりましたが、ある程度文脈を理解して(たまに変なことを言いますが)、どこが面白かったのか、という(架空の)感想を書かせることに成功しました。
最初に読んでもいない小説の感想を生成し始めたのはどうかと思いますが、ちゃんと本編を少しずつ読ませることで、読ませた内容に対して感想をくれるようになりましたね。
私が「面白いと言え」と強要したこともあって、肯定的な感想を生成してくれました。
私が公開している感想AIサービスでは、文脈をほぼ理解させておらず短い感想だけを返すように留めていることもあり、正直完敗です。
細切れに入力するのが面倒ですが、AIに励まして支えてもらいながら小説を書く時代が近いうちに来るかもしれません。
短編、掌編をなろうに投稿しても反応がなかったし、この際AIでもいいから感想が欲しいな、と思ったら試してみるのもいいかもしれません。
入力した小説はOpenAIの研究に使われるので、そのあたりは自己責任でお願いします。
AIの進化によって小説執筆がもっと楽しくなると良いですね。
それでは、みなさま良き創作ライフを!