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六話 フィギュアを片付けてもらいました
六話 フィギュアを片付けてもらいました
アックスがテーブルの上に着いた時、エスパーダは自分のフィギュアの前に立っていた。見られたくなかったのだろう。フィギュアの存在を消そうと必死になっている。
要はその思いを汲んで、アックスに声をかけた。
「アックス、段ボールからルームランナーを出してくれるかな? エスパーダは女性だし、力仕事は……」
「言われなくてもやるさ。人間め」
ゆっくりと段ボールを置き、剣を抜く。デジャヴかと思った。どうしようかと考えてると、
「アックス!」
と、エスパーダが叫んだ。
「早くルームランナー出して」
「ああ、分かったよ」
アックスはおとなしく剣をしまった。そして段ボールを開け始める。
要はその隙にフィギュアをキッチンに持ち込む。だが手頃な隠し場所が思いつかず、冷蔵庫に押し込んだ。キンキンに冷えたエスパーダのフィギュアが出来上がることだろう。
戻ってくるとルームランナーは表に出ていた。
エスパーダは要を見上げ、「ありがとう」と言った。