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三話 アックスは彼が気に食わないようです

三話 アックスは彼が気に食わないようです



 アックスは金属製の鎧や籠手、脛当てを装備し、腰に剣を帯びている。


 要を見た後、ゆっくりと段ボールを置いた彼は剣を抜いて、構えた。切っ先は要に向けられている。


「エスパーダ、逃げるんだ」


 首を動かし、エスパーダに自分の近くに来るように促した。どうやらアックスは要とエスパーダの関係を知らないようだ。かと言って入り口で説明をしていると他の人間に見つかる可能性がある。早目に解決するには要が言うよりエスパーダが言ったほうが良い。


「エスパーダ」


 名前を呼んだら、エスパーダは振り返りもせず軽く手を挙げた。その背中はカッコ良く見えた。


「アックス、あれ、私の彼氏だから」


 アックスに近付いたエスパーダは彼の手首に触って、剣を下げた。


「は?」


 アックスは動きが止まった。驚きすぎて思考が停止したのかもしれない。


 再起動するのに時間がかかった。


「エスパーダとあれが?」


 エスパーダに言われるのは分かるが、アックスには言われたくなかった。


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