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28、今こそ特訓の成果を




 千聖君と怜史君にテニスに誘われた私たち。


 最初こそ普通にテニスを楽しんでいたのだけど、途中から千聖君と怜史君の二人の真剣勝負が始まってから状況は一変してしまった。



 真剣にボールを打ち合う二人の男子。


 まさに女人禁制の男の世界。


 浮ついた気持ちなど一切介在してはいけない二人だけの空間。



 私たちはそれに見惚れて、テニスなんてやってる場合じゃなくなってずっと観戦をしていたのだ。



 やっぱりあれだよね。


 スポーツしてるときに汗が飛ぶの、いいよね。


 ラケットを握ってる腕の筋張った筋肉、とかね……。


 たまにトレーニングシャツで汗を拭いたりしたら、お腹がチラリと見えたり、とかね!



 もう、さいこーでふゅ!!



 ああ、出来る事なら、私はあのボールになりたい……。


 予備のボールとしてポケットの中に入っていたい…。


 サーブする前に、祈りを込めてチュってされたい。



 たとえその後ラケットで打たれることになったとしても。


 それの前では多少の痛みなんて毛ほどにも感じないというものよ。



 むしろ千聖君になら打たれても良いとさえ思っている!



 若干強めに!!



 バックハンドストロークでっ!!



 はぁはぁ……。



 だめだ、変な扉が開いてしまいそうよ……。



 あの二人はあんなに真剣に勝負してるというのに、こんな所にこんな邪な女の子がいるとはね。


 でもまあ、薫子さんと晴香さんも同じような妄想してるはずだよ。


 さっきからこの二人も頬が上気しているからね。頭の中はそれはもう大変な事になってるはずだよ。いや、言わなくても分かってる。なんたって私の取り巻きたちだからね。もう頭の中は子供には見せられないような、滅茶苦茶な事で埋め尽くされてるに違いないね。


 いやはや、さすがは私の取り巻きたち。考える事も一緒という事なのね。



 まあそれも無理はない。あんな眼福な光景を見させられてはね。如何わしい妄想をするなという方が無理というものよ。


 むしろこれは、あの二人の方に責任があるのではないかと思うのよね。


 そうよ、不用意に色気を撒き散らし過ぎなのよ。



 目の前にあんなのがいたら、鈍感系ヒロインの汐莉さんといえども……。



 …………。



 私はチラリと横にいる汐莉さんに視線を送った。



 いまいち何を考えてるのか分からない汐莉さんも、今は二人のテニスをする姿に目を奪われている。



 何も言わずにただ黙って眺めている汐莉さん。


 頬はほんのりと赤みが差し、瞳は心なしか潤んでいるように見える。



 その姿は、私たちとそう変わらないもののように見えた。



 きっと彼女も……。




 如何わしい妄想をしている。





 とまぁ、私たちがそんな妄想を馳せている事など露ぞ知らない千聖君と怜史君は、その後も真剣勝負を繰り広げるのだった。





   ☆





 自由時間のひと時も終わり、私たちは当施設キャンプ場の炊事場へと集合した。



 一日目の夕食は生徒たちが自分で調理する事になっているので、今この炊事場には人がごった返している。


 普段から料理などする事のない青華院の内部生徒たちは、調理器具などに好奇の目を向けたり、外部生徒のやるのをただ眺めていたりと様々だ。



 さて私たちの班も夕食作りに入らないといけないのだけど。


 正直、ようやくこの時が来ましたかって感じだよ。


 なんせ私には前世の記憶があるからね。この時のための予習はバッチリよ!


 この一か月、厨房に通ってはカレー作りの特訓をしてきたその成果。



 今こそ見せる時がやってきましたよ!



 ふふふ、私の包丁さばきを見たら、きっと千聖君も驚くことだろう。


 そしてその料理をする私の姿を見てこう言うのよ「祥子、お前がこんなに家庭的だったとはな、好きだ」ってね。そしたら私も「全て千聖君の為に頑張ったのよ、大好き」とか言って返すの。

 千聖君はさらに「やれやれ、いじらしい奴だな。俺の方が好きだ」とか言ってくるから、私も負けじと「だって、千聖君の事考えてたら…。私の方が好き」とか言って、そこからはもう好きの応酬よ。


 好きに好きを重ねて、もうさらに畳みかけるくらいの好き好き論争を繰り広げるのよ。



 むふっ、むふふっ、むふふふふ。



 むふぅ~~~。



 素晴らしい……。


 完璧すぎる計画だわ。



 え、私って天才?


 ふふ、時々自分の才能と妄想癖が恐ろしくなってくるわね。



 さあ、早くお料理を始めましょう!



 私に包丁と食材を渡すのよ!




「どうした祥子、やけに得意げな顔をしてるじゃないか」



 うっかり妄想に浸っていると幸せな声が私を現実に引き戻した。



「ふふふ、よくぞ訊いてくれました。実は私、料理はそこそこ出来るのですよ。特にカレーは――」


「祥子さん、バーベキュー用の食材を貰ってきましたよ~」



 …………。



 …………ん?



 ……今、何て言った?



 ば、……バーベ、……え、何?


 何の食材貰って来たって!?



「汐莉さん……、い、今……、何と仰いましました?」



 き、聞き間違い……、だよね?



 あ、汐莉さんが言い間違えたのかな? おっちょこちょいだからなぁ汐莉さんは。


 やだもう、焦らせないでよ。


 ほんと、心臓に悪いっつうのっ。



「え? えと、バーベキューの食材貰ってきたって」



 聞き間違いでも言い間違いでもなかった!


 

 え、何これ何これ何これ何これ!?


 バーベキュー? バーベキュー!? バーベキュー!!??



 いや、バーベキューって何よ!?


 肉球の親戚とかそういうこと?


 何なのよバーベキューって!?



「え、ちょ、ちょっと待ってください。あれ……? え、いや、あの、確か……、カレーを作る予定では??」


「ああ、なんか発注ミスとかで、急遽バーベキューになったんだって」



 は、発注ミス……?


 

 発注を……、ミス……しちゃったの?



 んん? どういう事??


 え、ミス? 


 ミスって何?



 ……ああ、ミスね。ミスかぁ。ミスしたのかぁ。


 ああ、それでカレーがバーベキューになっちゃったのね。なんだ、そっかぁ。


 まあ、ミスくらいはするよね。だって人間だもの。


 誰だってミスくらいはするし、私だっていつミスをするかも分からないよ?


 だから、他人のミスにも寛容にならないとね。



 ほんと、ミスなんてよくある事だよ。



 いやいや、ほんとにね……。




 ほんと……。




 ほんと、何してくれとんのじゃいっ!!!




 どうしてくれんのよ!!


 この、この、この私の一か月の努力が水の泡じゃないのよ!!


 何がバーベキューよ! あんなの串に刺すだけじゃないの! そんなの料理じゃないでしょ!! みんなで料理するっていう目的は何処にいったのよ!!


 ていうか、自由時間の間に買ってきなさいよって話よ! けっこう時間あったでしょ、まったく!


 せっかく『チーフ臼田の特製スパイス』まで持ってきたのにぃぃぃ!!



 何なの、何なのよ、この嫌がらせは……。


 あ、そうか。わざとだ、わざと発注ミスしたんでしょ……。


 絶対そうだ、そうに違いない……。



 …………。



 ぬあぁぁぁぁ!!




「祥子、顔色がわるいぞ。体調でも悪いのか…?」


「い、いえ…、そういう訳では……」



 うう、千聖君が心配してくれてる。


 嬉しいけど、それ以上のダメージが……。



 あぁ、もぉぉ……。



「祥子さーん、そろそろバーベキューの準備していくよ~」


「は、は~い……」



 はぁ、バーベキューの準備と言っても、食材を串に刺すだけじゃ……。



 いや、まだやる事はある!


 よく考えたら、食材を適当な大きさに切らなきゃいけないじゃない?


 となると、味付けは無理でも、包丁さばきくらいは千聖君に見せつけてやれるんじゃない!?



 そうよ、ここで腐ったら一か月が無駄になっちゃうじゃない。



 よ、よし、そうと決まれば善は急げね。


 この一ヶ月間、うちのシェフたちに仕込まれた包丁さばきを見せてあげる!



「よし、それじゃやりますよ! 汐莉さん、食材を切るのは――」



 気合いを入れ、勇ましい声を出しながら食材を切るワークトップに目を向けたその時だった。



 私は自分の目を疑った。


 汐莉さんが、それは見事な包丁さばきで食材を切り刻んでいっているのだ。



 ちょ、え、何それ!?


 はやっ! 上手っ!!

 

 ちょ、ちょっと、手際が良過ぎない!? 



 ええ…、包丁ってそんなにスパスパ切れるものなの?


 何なの、通販番組のアルバイトでもしてるの…?



「葉月、手伝うよ」


「あ、じゃあ、これから下味つけてくから、橘君はそれを串に刺していってください。そっちの茸と魚はホイル焼きにするから置いておいてね」



 ほ、ホイル焼き?



 そ、そうか、そういう事も出来るのか。


 うう、そんな発想、私には無かった……。



 だ、ダメだ、奴とは料理の地力が全然違う。


 どうしよう、私の活躍の場が……。



「葉月、こっちの海老はどうするんだ?」


「ああ、それはねアヒージョにするつもりなんだよ。ふふふ」



 アヒージョ……だと?



 な、何よその、何処の料理か分からない横文字のやつは…?



 やばい、汐莉さんの女子力が止まらない。


 バーベキューなんて串で刺して焼くだけだと思ってたのに、なんか色んな料理を作る気満々だよあの人。


 というかこれ、むしろカレーよりバーベキューの方が料理の実力が試されるんじゃ……?



 そんな私をよそに、二人の楽し気な声が聞こえてくる。



「橘君、こっちから、こっちから刺していって」


「こ、こうか?」


「そうそう、そんな感じ、そんな感じ」



 おいこら、イチャつくな!


 私の断りもなく二人で楽しくするんじゃない!


 何をそんな新婚ごっこみたいな感じを出してるのよっ!!



 まったく、もっと離れて料理しなさいっての!!



 ぬぬぬ……い、いや、こんなジェラってる場合じゃない…!



 と、とにかく、今は私にも出来る事を探さないと!


 何とか私にもアピールできるような事……、ええと……、というか、殆ど汐莉さんがやっちゃってるから他の事とか……。



 何かないかと周囲を見渡してみると、怜史君がコンロを組み立てようとしているのが目に入った。



 う……、火起こしか……、あれは、やった事ないから無理だよ……。


 他にやれる事は無いかと目を逸らそうと思ったとき、怜史君がこちらに振り返り私と目が合った。



「祥子ちゃん、手が空いてるならちょっとこっちを手伝ってくれないかい?」



 そう言って、ニコリと笑顔を向けてくる怜史君。



 呼ばれてしまった……。



 今、この二人から離れたくないんだけど……。


 でも行かない訳にはいかないよね…。



 ぬぅ、怜史君め。


 

「祥子ちゃん、これ組み立てるからそっちを持っていてくれるかい?」



 よく見ると、かなり大きめのコンロを怜史君が一人で組み立てようとしていた。



 ああ、なるほど。これは一人では厳しいね。


 各班にコンロ一つなんだから、こんな大きくなくてもいいのに……。



「こうですか?」


「うん、そのまま持っててね」



 私が言われた通りに骨組みの部分を持って支えていると、怜史君は手際よくコンロを組み立てていく。


 

 さすがイケメン、こういう手作業みたいなのも軽々とこなしてしまうのね。


 いつも爽やかな怜史君にこういう器用な所を見せられたら、思わずキュンとくる女子も多いだろうね。



 い、いや、私は違うからねっ。



「よし、出来た。ありがとう祥子ちゃん、おかげで助かったよ」


「いえ、私は何もしておりませんわ。もう少しお役に立てれば良かったのですが…」



 実際、私がいなくても怜史君一人で出来た気がする。


 たぶん怜史君は優しいから、私がやる事なくて困ってると思って声を掛けてくれたんだろう。



 まあ、その心遣いは素直に嬉しいんだけどね…。



「いやいや、本当に助かったよ。じゃあ早速、火を起こしていこうか。そこの炭の袋を開けてくれるかい?」


「え、は、はいっ」



 怜史君に言われるまま、私は炭の袋を開ける。



 これにどうやって火を点けるんだろう……?


 まさかライターって事はないよね?



「じゃーん。祥子ちゃん、これは何でしょう?」



 怜史君が子供みたいな事を言いながら、手に持った何かを私に見せてきた。



「えと、マッチ…でしょうか? それにしては大きいですわね…?」


「そうそう、これはマッチ型の着火剤なんだよ。面白いでしょ?」


「マッチ型……? どういう事ですか?」


「ふふ、まあ見ててよ」



 怜史君はマジックペンくらいの大きさのマッチを、箱の側面で勢いよく擦った。すると、花火のような音を立てながらそのマッチに火が点いた。



「これが数分は燃え続けるんだよ。祥子ちゃん、袋から炭を出してきて」



 袋から炭を出して怜史君に手渡していくと、その炭を着火剤の火に当たるように並べていく。


 火は上に燃え上がるのでなるべく上へと積み上げて、且つ空気の通るようにして、怜史君は器用に炭を置いていった。



「おお……」



 思わずそんな声が漏れた。



「もう少し火を強くしたかったらこれも使えるんだよ」



 そう言いながら怜史君は割り箸を取り出してきて、半分くらいに折って炭の間に差し込んでいく。


 そうして何本も割り箸を折って火にくべていくと、みるみる内に火は大きくなり炭を燃やしていった。



「随分と手慣れているんですね、アウトドアがお好きなのですか?」


「いやぁ、殆ど素人だよ。キャンプに行ったって自分でやる事は滅多に無いし、見よう見まねってやつだね」



 怜史君はくすりと微笑しながらそう言った。



「見よう見まねだなんてとても思えませんわ。凄いですね、神楽様」


「はは、ちょっとは見直したかな?」


「見直すだなんて、神楽様は昔から非凡な方ですよ。ふふふ」



 私がそう言うと、怜史君の頬に少し色が差したような気がした。



「祥子ちゃんにそう言われると、嬉しいね」



 怜史君は照れたように私から目を逸らすと、トングを使って炭によく火が当たるように位置を調整し始めた。




 そこから少し沈黙が続いた。



 夕暮れ時の、薄闇が間近に迫る頃合い。



 ぱちぱちと燃えるコンロの火。


 その火が色んな姿を見せて、この沈黙を飽きさせない。



 コンロの灯りと夕日の色が一つに混ざり、辺りを一色に染める黄昏時。



 まるで景色に溶け込んでしまうように、私たちはその火をじっと眺めていた。



 きっと、何も言わない事が言葉になるって、この時の私たちはその沈黙に教わったんだ…。



 …………。



 いや、沈黙は雄弁に語る……のほうが良いか……?



 んー、静寂のほうが……、森閑っていうのは違うか……。




 …………。





 はっ!



 ついつい、夢中になってしまってた!



 危うく頭がトロンとしながらポエムっちゃうとこだったよ。


 いやいや、こんな事してる場合じゃなくて!



 千聖君と汐莉さんが何か仲良く料理しちゃってる件についてを忘れてるじゃない!


 もう、何をこんな所でちょっと良い雰囲気になってんのよ。


 ポエムを詠む趣味は私には無いってのに、横にイケメンがいるという状況に酔う所だったわ……。



 恐るべし、神楽怜史。




 いやそんな場合じゃなくて、千聖君は今どうして……!




 千聖君と汐莉さんが作業する炊事場、そちらを向くと二人の姿が目に飛び込んでくる。



 二人が仲良さそうに料理している姿が……。



 さっきと変わらない光景だけど。


 それは、この一か月間ずっと私が思い描いていた光景だった。



 でも、千聖君の側で料理しているのは私ではない……。



 そこは私の場所のはずなのに……。




 炭に火が点き始めると、辺りにその匂いを漂わせる。




 私はその匂いを感じながら。




 胸に鉛を入れたような痛みを感じていた。







   ☆






 夕食のバーベキューが終わり、辺りはすっかり暗くなった。


 広場ではキャンプファイヤーの準備が進んでいて、いま私たちはそこに集まっている。



 大きく組まれた薪が広場の中央にあり、それに火が点くのを待っている生徒たち。


 今か今かと待っているんだけども、どうも火を点けるのに手こずっているようで、薪の周りに数人が集まって頭を抱えている。



 そこに千聖君が登場し、しばらく薪の所で何かをしていたかと思うと、ようやく火を起こす事に成功したらしい。



 あんなに皆が手間取っていた事をあんなに容易く……。


 やっぱり千聖君はさすがだな。



 彼は何でも出来るんだよね……。



 千聖君のおかげでキャンプファイヤーの火は徐々に大きくなっていく。


 私はその火を眺めながら、広場の脇にあるベンチへと腰を下ろした。



 少し皆からは離れた所にあるこのベンチを選らんで座ったのは、今はとてもキャンプファイヤーを見て楽しい気分にはなれそうも無かったからだ。



 楽しい気分になれないのは、もちろんさっきの調理時間での事だ。



 さっきの夕食、汐莉さんが味付けをしたバーベキューはとても美味しかった。


 今日の夕食がメニュー変更にならなければ私だって……と思ったけど、そういう事ではないんだよね。


 バーベキューになる事は汐莉さんも知らなかったんだもんね、私のような付け焼刃とは訳が違う……。 たぶん他の料理だったとしても、あんなにも美味しいものが作れるんだろう。



 予定が狂って、何でこうなるのかと思ったけど。


 上手くいかないのは単なる自分の力不足だ。

 

 その事実が、増々気持ちを落ち込ませる……。



 どうやら、私と彼女の差は考えているよりずっと大きいようだ……。




 キャンプファイヤーの火が勢いを増していくと、生徒たちの燥ぐ声も大きくなっていく。


 そんな楽しそうな雰囲気も、少し距離を置けば気を紛らわせる為には悪くない。



 炎は増々大きくなってその熱が私の頬にまで伝わってくる頃になると、皆の雰囲気はさらに盛り上がる。



 私はそれを眺めながら、溜息を一つ吐いた。



 その溜息を吐き終わるや否やの所で。



「祥子さん、こんな所でどうしたんですか?」



 私を心配したのか、汐莉さんが声を掛けてきた。


 その後ろには千聖君と怜史君もいる。



 今はちょっと一人でいたかったんだけども、こういう所ではそんな訳にもいかないか……。



「いえ、少し気分が……」



 言いかけて言葉が詰まった。




 まるであのキャンプファイヤーの火がお腹の底に移ったような。



 得も言われぬ不快感が、急に襲ってきたのだ。





 あ、熱い……お腹が……。







いつもお読みくださいまして、ありがとうございます(/・ω・)/


いつのまにやら28話目となりましたが、お話としてはまだ序盤を過ぎたくらいでしょうか…?

先はまだまだ長い…かもしれません。


では、皆さまのポチポチを期待しながら次回へと続きます( ´Д`)ノ

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