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召喚した式が強すぎて僕のやることがない  作者: セパさん
狂気の式と伝説の系譜
31/135

ヒーローリキッド 恐怖の麻薬 ②

 テグレクト邸の門の周りを囲む武装した集団。みんな顔を隠し幾つもの武器や兵器・魔導具を持っている。


 筒から発射されたのは赤の呪縛樹だった。魔導の杖にまたがり宙に浮いたウィーサは左足にそれを受ける。


「あらーそう来ましたか。魔力を封じれば召喚術師など恐るるに足りずと考えたと…」


 しかし左の足首についた程度の呪縛樹ではウィーサほどの膨大な魔女の魔力、そのすべてを封じるには力不足だった、ウィーサは空に浮かびながら羽織っていた紫のローブからナイフを取り出し呪縛樹を切り裂く。


「甘いね~。本当にここがテグレクト邸ってわかっててきてるのかな?数さえいて武器が沢山有れば勝てる踏んだ?大甘だね。あはははは」


ウィーサはちらりと屋敷を囲むほどの武装集団とそれに応戦する仲間達を見渡す。



「なんだあの牛!!うがぁああ」「だめだ、スティンガーも通じない…こっちにくるな!!」


 シオンは召喚でマッドブルを呼び出し武装集団に向かわせていた。完全にコントロールはできないが敵意をもって攻撃する相手ならばかなり有効な式だ。何人もの集団が暴れ牛の角や堅い頭突きの餌食となる。



「俺に武器をむけてどうする!落ち着けけけけけけえっけけっけけえっけけけけえけけけえけけえ」「なんだ!?私は味方だ!やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ」「糞!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」


一方ではけいれんして泡を吹いて倒れたり、味方同士である武装集団が混乱しながらお互いに武器を向け兵器の撃ち合いをしていた。


うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ


 マリーは銀髪を逆立て狂気の呪いをかけ続けて、幻覚を見せ生命の波長を狂わせていた。



 「なんだこの岩の巨人どこから!?」「だめだ乗り物がめちゃくちゃになっている」


 フィリノーゲンは式のゴーレムにアンデッドドラゴンを同時召喚して賊をなぎ払う。巨大な岩の手が襲いかかりアンデッドドラゴンのブレスで焼き払われていく。



 「まったく門番のガーゴイルはなにしておる。まったく役にたたぬではないか」


 ウィリアムは皆が戦いの最中すでに自分の任された地域の賊の殲滅を終えていた。何万もの殺人蜂の毒で痺れさせ既に賊は動かなくなっていた。


「手間取ってるところがあったら助太刀にいくか、シオンは大丈夫かな?」


そういって、シオンの元へと歩き出す。



「…これはわたしも負けてられないねー、さて悪そうな人達!魔女が相手だよ本気でおいで!」


 ウィーサはそう話しつつ操作魔法と浮遊魔法で兵器や武器の全てを宙に浮かせた。突然武器を失った賊からは戸惑いの様子がみてとれる。


「心に炎を宿したもう…」


 ウィーサがそう呟くとただでさえ高かった魔力が爆発的に上昇する。


「しびれろ!!!」


その一声と共に賊全員に電撃を食らわせる。


「なんだ、もう終わり?物騒なのは兵器と格好だけなのねー。」


ウィーサはそんな溜息をつきながら浮かばせていた武器・兵器をガチャガチャと賊に落としていった。



 テグレクト邸から少し離れた丘、そこにスティンガーの搭載された兵器と標準付のスコープをもった男が一人。初弾で部屋ごと屋敷の主要人物を皆殺しにする予定であったが、窓がスティンガーを通さないほど強固なことは予想外だった。しかし今その者達が外に出ている。今こそが好機と狙いを定めていた瞬間だった。突然後頭部に剣の一撃が入り男は意識を失った。


「狙撃手なら1回狙った場所からは離れた方がいいわよ。居場所がばれたら意味ないじゃない。」


気絶した男にレイチドはそう声をかけた。


              ◇      ◇      ◇


 「地下牢に入り切らんな…そもそもうちの地下牢なぞほぼ飾りのようなものだったのだが…」


 呪縛樹によって拘束された男達はテグレクト邸の地下牢で寿司詰め状態だった、それでも入りきらず200名近くは呪縛樹で拘束のみおこない廊下に放置されていた。顔を隠すマスクをとった賊たちはなんの魔力ももたない一般人が大半で魔導師や騎士かぶれもいたが三流もいいところだった。それでも500人近い賊たちを6人で倒してのけ、拘束して地下牢へ押し込んだ。本来は50人ほどを想定して作られた地下牢なのでとても500は入りきらないが、リーダーを割り出してある程度したらカリフの領主にでも丸投げすればいいと考えていた。


「さて、賊よリーダーは誰だ?何故我が屋敷を狙った?」


「…話すと思うか?」


「話させてくれと泣きながら懇願こんがんすることになると思う。」


 そんなことを真顔で言うフィリノーゲンに男の顔が引きつる。先ほど一人で100近い自分たち組織の武装部隊を倒した者達が6人揃っているのだ。何をされるかわかったものではない。


「この武装部隊のリーダーはトリクトールっていう金髪の男だ、狙った理由はリーダーに聞いてくれ。ちなみにリーダーはこの檻には居ない。」


「わかった。ご苦労。おい、リーダーのトリクトールとやら、名乗り出ろ。ちなみに私達は手荒な真似はしたくない。精神を崩壊させて名前を一人一人自白させるなど我々も心が痛む。部下が心配ならば名乗り出てほしい」


「俺だ!」


 声が聞こえたのは廊下からだった。牢に入りきらずに縛られ放置されていた金髪の男がリーダートリクトールと自称した。マリーが銀髪を逆立てる。ちらりとそれをみながらフィリノーゲンは男に詰問する。


「はじめに言っておくが嘘はつけないぞ。貴様がこの武装集団のリーダーなんだな」


「ああ、紫雲という組織の武装部隊だ。リーダーを勤めている。」


フィリノーゲンはマリーをちらりとみる。マリーは彼に嘘はないと首を縦に一度ふった


「その紫雲という組織は?」


「それは…ああああ 麻薬カルテルだよ!ヒーローリキッドにテグレクト邸の調査の手が入ったから殲滅せよと命令を受けた!」


「あのヒーローリキッドがらみか…アジトはどこにある?」


「あああああああ ああ あ あ、あとあいじ…アジトは、元フレックス地区で今はリーフ地区にある。元は治安が悪かったが今は大分よくなっているから移転も考えている。それに芥子の生産と密輸もおこなって精製自体は売る町でしている。リーフ地区の没落貴族の屋敷だ。表向きはシウン商会って交易の商会になってる。」


「ご苦労、もういい。マリーさんもありがとう」


うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ


「ああああああああああああ」


トリクトールはそのまま気を失ってしまった。


「さて兄上ではカリフの領主と式で通じるか?荷馬車四,五台はきてもらわないと困ることも伝えないとな」


「ああ、そうしてくれ。一応今聞いた犯罪組織の話しは伏せておこう。余計な混乱をおこすだけだ。」


   ◇   ◇   ◇


そして夕刻、カリフの近衛兵たちによってテグレクト邸を襲った500余名は一人を残して全員御用となった。


「ふぅ、一晩世話する手間も省けて良かった。500人分のメシなど流石に準備できぬ。」


「しかし事が大きくなってきた。青年ひとり救う話しから一転王国で猛威をふるう薬物の大本にたどり着いたわけだ。さすがに無視できない。」


「乗り込んで殲滅して芥子の畑ごと焼け野原にするか?」


「それも一つの手だが情報がほしい。レイチド君危険な任務だ、ウィーサさんと共に調査をお願いできないか?」


「わたしですか?はい!」


「お、レイチドのボディーガードかまかせてよ!」


「そしてシオン君とマリーさんはまだ地下牢に入れているリーダーから情報を探ってほしい。頼む」


「わかりました!マリー、よろしく」


うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ


「では結論は情報が集まり次第としよう。その間は依頼である青年の世話だ。食事も水も受け付けない。このままでは衰弱してしまうな。それも問題点だ。…まぁその依頼については私達兄弟で行う。それでは危険な捜査にあたるがみんなよろしく頼む。」


フィリノーゲンの言葉が合図だったかのように各人はすぐさま行動に移る。



 ◇  ◇  ◇


 レイチドとウィーサは紫雲という犯罪組織のあるとされる旧フレックス地区、現リーフ地区で調査を行っていた。地区そのものはほぼ多数が農村であり、変わった事件といえば前領主が市民革命によって追い詰められ遂ついには近衛兵によって命を奪われたということくらい。


 …といっても暴君として有名であり、恐怖政治によって自ら納める地域の草民を奴隷かなにかと勘違いした領主だったようで、誰も死んだことを気にしていなかった。それより理不尽に殺されたり、無実の罪で牢獄に入れられる心配がなくなったとみんな安心すらしていた。


 とあるカボチャを育てている農村ではオーランタンという怪盗がその暴君の武器庫の兵器を盗み出し革命に成功して地区が平和になった、私達の命の恩人だとレイチドとウィーサに話しをしていた。


 その話しを聞いて、カボチャ畑の世話をしている親子の部屋に奉る様に飾られている、顔の形に切り抜かれた砂金の詰まったカボチャとまるでベロを出すかのように口に刺された金貨を見てレイチドは少し顔を引きつらせる。



「ありゃ、レイチドどうしたー?オーランタンになにか恨みでもあるの?」


「ううん、すみませんお話しを続けて下さい。」



 そして革命のあと王直々の謝罪の手紙と共に現在の領主、リーフ様が就任され農村は発展を遂げているということであった。またフレックス侯爵を刺した近衛兵も王都へ再教育という罰の名目で農学や大臣として必要となる教育がほどこされ来年にはリーフ地区へ戻ってくるという話しだった。


「現在フレックス侯爵の屋敷は今はリーフ様の屋敷に?」


「いや、あの屋敷は村人の血税でできたものでね。屋敷にあった宝もろとも競売にかけたんだ今はどこだかの商会の拠点になってるはずだよ」


 2人に訝いぶかしい気配がつのる。テグレクト邸を襲った賊が言っていた没落貴族の屋敷とはまさか旧フレックス侯爵の屋敷ではないのだろうか。二人は親子に礼を言って立ち去った。



「……へ~、レイチドあのオーランタンを1回捕まえたんだ!すごいじゃん」


「3日もたたずに脱獄されたらなんの意味もないわよ。それにほとんどマリーやアムちゃんのおかげだしね」


「オーランタンかー…イリー=コロン様の研究にもチラっと記述があったなー」


「マジ!?ちょっと教えてよ。」


「おおう!そんなに迫るな!〝興味深くも我々と根本からまるで異なる魔導を発展させ独自の進化をとげた魔法〟ってしか書いてなかったよ。だから完全な再現もイリー=コロン様でさえ不可能だろうってさ」


「そうか、まぁそうでしょうね。泥棒に特化した魔法なんてシーフくらいしか扱わないだろうし…そんなことより調査調査、旧フレックス邸についてね。もし本当に麻薬カルテルの総本山なら危険だわ。うかつに近づいたら容赦なく殺される。」


「う~ん、じゃあ入り口まで軽く見に行く?」


「そうね、ばれないようにしないとだけど…またほうきにまたがらせるつもり?」


「魔女といったら移動手段はほうきで飛ぶのが常識でしょ!絨毯でもいいけどそれはなんか違うしねー」


「どこの常識よ…どうせ同じ浮遊と操作の魔導なんだからもっと乗り心地の良い物でいいじゃないのよ、なんであんな棒に乗らないといけないの」


「へーん!そんなこと言ったら乗せないぞ!ほら、早く乗りな!」


「もう…」


そうして二人はほうきで空を飛び、旧フレックス邸の近くにたどり着いた。



「ここから先は危険ね。丘から見えるだけでもあの屋敷が旧フレックス邸でまわりに畑もあるわ。」


「よしレイチド!上空から調査しようか」


「危険よ!スティンガーで連射でもされたら事だしまたテグレクト邸に賊が襲ってくるわ。」


「魔女に不可能なし!まぁ見てて …心に炎を宿したもう。」


ウィーサの魔力が爆発的にあがっていく


「よし、じゃあレイチドわたしをみててよー」


「なによ、ってキャ!」


目の前にいたはずのウィーサが突然姿を消した。そして


「あはは、これがオーランタンの考察でイリー様が再現したシーフの隠蔽魔法だよ。あのイリー様でもここまで再現するのに3年かかったってさ。」


「独自の進化を遂げて再現不可能じゃなかったの?」


「完全に再現はできてないよ、〝15年の旅の中偶然出会った彼らは姿はおろか触ってもぶつかっても気がつくことが出来ないほどの偉大な不可視魔導を駆使するが、近しい魔導にたどり着いた〟ってしか書いてない。本当に見えなくなるだけ触られたりしたら気がつかれるんだ。だから上空からみるだけ、丁度いいでしょ?」


そうしてレイチドとウィーサは隠蔽の魔導をかけ屋敷上空を飛ぶ。


「…芥子畑ね。王都の使者や近衛の調査が入らないところを見るとシウン商会は表向きは薬の売買をおこなってるってことになってる線が濃厚ね。ただ商会名簿にや商会連合にも登録してない所をみるとやっぱり書類上の手続きしかしてないわ。ここが本館かはおいといて重要な屋敷であることは間違いない。」


 旧フレックス邸のまわりには一面に広がる手入れの行き届いた芥子の畑があった。突如ふたりに赤い点のような光りが刺さった。


「うぇ!?警報魔導?そんな気配なかったのに、違う全体に張り巡らせてるんじゃない。この赤い線にだけ魔導がかけられてるのか。ごめんレイチドしくじった。急いで戻ろう!」


「ええ、大丈夫なの?」


「私を信じて!腰にガッチリつかまって!飛ばすし無茶するから舌噛まないでね!…心に炎を宿したもう。」


 ウィーサたちに向かって無数のスティンガーが発射される。ウィーサは右・左・右・左・ほうきを更に加速させながらの一回転と攻撃のそのすべてを避けてスティンガーは空中で爆発する。


 レイチドもガルーダ以上のスピードで飛ぶ魔女の箒に目をつぶってウィーサの腰に捕まるのが精一杯だった。



「侵入者は?」


「わかりません、姿は見えませんでしたが探知魔導具の反応で自動的にスティンガーが発射された模様。待機していたスティンガーは全機発射して応戦しましたが見えない敵でしたので、死体も見あたりません。」


「くそ!逃げられたか…?我が武装部隊を殲滅したテグレクト邸からの式ではないか?だとしたら厄介だ。総統フューラーに報告を!」


「はい!!」



(フューラー!?えらい大層な名前がでてきたねー)


(間違いなくここが大ボスのアジトみたいね。ただこのままだと逃げられるわ。今大ボスとご対面は2人では無茶。調査はもう終了にして即刻テグレクト邸に戻りましょう。)


 屋敷の兵士と上司はその見えない敵、隠蔽魔法で姿を消したままの二人の少女に気がつかず任務へ戻っていった。


            ◇     ◇     ◇


 テグレクト邸の地下牢で呪縛樹を解かれて鉄格子の中にいる男…紫雲なる犯罪組織の武装集団のリーダー、トリクトールにシオンとマリーが話しを聞いていた。


「お食事とお水です。食べ終わってからでも良いのですが詳しいお話しを聞かせて下さい。」


「ん、ああ。どうせ今俺は組織の裏切り者だ。何をしたところで殺される。むしろ一生ここで過ごしてた方が安全ってもんだ。幸い俺には家族も妻も子供もいないしな」


トリクトールは出された食事を遠慮なく食べながらそう話す。


「で、なにから聞きたい?言っとくけど一武装部隊の隊長といっても使い捨ての駒だそこまで詳しいことはしらないぞ。孤児だった俺を拾って、組織で人殺しを教わって組織に敵対したり裏切り者を殺して生きてきたそれだけの男だ。」


「ヒーローリキッドはどのような目的で売っていたんですか?」


「金だよ、犯罪組織がそれ以外なんの目的があるってんだ。本物の麻薬…芥子を精製した薬を密売したりすると捕まったり組織そのものが狙われるからな。商会の手続きとってあんなガキのおもちゃみたいなものを売ってるのさ。大抵つかったやつは脳味噌ぶっ壊れて廃人になるけど使う馬鹿は減らないんだ。おかげで武器も兵器も買い放題!芥子の畑も生産が増えて俺たちも食いっぱぐれないってことさ」


「…大本の犯罪組織、紫雲というのはかなり大規模な組織なのですね?」


「ああ、俺ら以外にも武装部隊を構えてるし芥子畑も下手な農村より所有してる。詳しい数はわからんけどな。元々は王都のスラムで細々麻薬の売買をするマフィアだったんだが今のボス…総統フューラーってのが就任してから一気に拡大したらしい。俺もその総統フューラー様の命令で拾われたそうだ。会ったことはない、本当だそれほど上の人間なんだよ。」


シオンはマリーを見る。マリーは男に嘘はないとばかりに首を縦に振る。


「そのヒーローリキッドを使って壊れてしまった人を治す方法は知ってます?」


「さぁ?ないんじゃないか?1回組織の内部の人間で使った馬鹿がいて組織も手を焼いたほどだ。結構上層部の人間だったんだがどうしょうもなくなって最後には処刑されたよ。」


「そうですか…また聞きたいことがありましたら伺います。お食事もお水もお持ちしますので」


「あいよー。暇だからいつでもどうぞ。」


そういってトリクトールは牢のベッドで横になった。



◇    ◇    ◇


「ああ、シオン君おかえり。丁度レイチド君とウィーサさんも帰ってきたところだったんだ。」


「レイチドが!よかった無事だったんですね。」


「うむ、途中上空からの攻撃を受けたらしいがウィーサさんの機転で助かったそうだ。シオン君とマリーさんのコンビも鉄板だがあの二人も素晴らしい。危険度の高い調査はレイチド君には頼めていなかったがウィーサさんとならできるかもしれないな。」


「レイチドただいまもどりました!」


「同じくウィーサも!」


「お、丁度よかった。ジュニアは今青年に栄養を式で注入している。それが終わり次第くるはずだから6人揃ったら情報を集め合おう。」


「はい」



「兄上、戻ったぞ相変わらず何も食べぬし飲まぬ。仕方がないので寄生花を通して直接胃にメシと水を流し込んできた。」


「ああ、ありがとう。ジュニアも座ってくれ6人で作戦会議だ」


「ではまず私達から、旧フレックス地区では旧フレックス邸が競売に出されておりシウン商会のアジトとなっていることが判明しました。それに周りには一面の芥子畑も。表向きは薬の商会となっていることが考えられます。しかし警備は以上で上空を姿を消して飛んでいた私達ですら感知してスティンガーで撃墜するほどのものでした。また屋敷には総統フューラーと呼ばれるなんらかのボスがいる可能性が高いです。これは私達2人で兵士達から耳にした言葉です。」


「僕たちもトリクトールさんからその総統フューラーという名前を聞きました!なにやら武装部隊の隊長でも顔を見れないほどの大物だそうです。」


「ふむぅ…ではその屋敷に乗り込んで畑もろとも焼け野原にすれば事は簡単なのだがどうじゃ?」


「たしかにここまでたどり着けたのならその戦法も悪くないだろう。その総統フューラーという男の正体も掴めていないが逃げられては、より事がややこしくなる。」


「じゃー電撃先手必勝作戦でいきますかー!」


うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ


「マリー…笑い声が怖い…」


「では決行の時間だが、早めの対処がいるだろう。青年の世話は執事やメイドにまかせよう。しばらくはベッドで安静の上寄生花で栄養をとってもらう。」


「では、今日の夜にでも奇襲をかけましょう。」


『 じゃあ、楽しみましょう 』

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