とある移民推進者の経済感覚Ⅱ
とある移民推進者、K氏と推定されている人物がアホな事を言っておったようだ。今回はエッセイでは無く、別の作者様の感想欄で黒文字投稿者名でやっておる。余りに特徴的過ぎる文体でバレバレだし、黒文字投稿者名も、実に本人の人間性がにじみ出たネーミングである。かの人物は、そういう他人を侮辱するネームでエッセイや感想を行う行為を常習的に行っているらしい。
彼の妄言を陳列し、どのようなアホさか分解し提示していこう。
”貨幣中立説を理解すべきやね。貨幣流通量は需要と供給に対して中立や。インフレだろうがデフレだろうが需要と供給に対して影響を及ぼさない。”
この貨幣中立説というのは、要するに、おカネが2倍になれば物価は2倍、おカネが半分になれば物価も半分になるという訳だ。物価がスライドするだけだから、インフレもデフレも無いんだよ~という事である。こんな貨幣数量説の骨董品を持ちだしてくる事に驚きだ。こんなのにはケインズ先生が遠く昔に答えておられる。
1936年『雇用、利子、お金の一般理論』第2章Ⅲ。現実にいっせのーでで賃金や値段が変動するわけではない以上は、先んじて変化した人間は明らかにインフレ・デフレの影響を受けることになる。それを勝手に平均値で考えて、何も問題ありちぇ~んとか言ってる古典派の連中は、そこらの労働者よりはるかに頭が悪いのだろうとケインズは述べている。
彼は、このようにデフレやインフレなんて無いんだ~という宗教を勝手に創造しているようだ。
彼がデフレが原因で不況になっていないと主張する根拠を見てみよう。
(貨幣中立説が成立するか否かについて)
”短期的には意見が別れるけど長期的には成立する。デフレ不況が長期的に続くなら、それはデフレが原因やない。デフレだから不況やなくて不況だからデフレなんや。”
そもそもが、貨幣中立説についてもデフレ・インフレについても全くの無知と言えよう。
彼の勝手な現実解釈をすべて受け入れたとして、貨幣中立説の立場では、デフレは解消されており、供給の過少による不況が起きてるという事になる。つまりはインフレになっているという事だ。
金とモノの関係は、インフレかデフレ、或いは均衡しているかのどれかしかあり得ない。今の不況は何が原因なんですかぁ~という場合、不況だからデフレなんや~というのは、なんの説明にもなっていない。
単に、極めて単純な貨幣中立説や貨幣ヴェール論のインフレ・デフレなんて存在しない~という言説を強弁しているだけである。
長期的にはそうなると言ったから~というアレだが、そもそも経済学には長期の明瞭な定義なんて無いのだ。何故なら、現実の経済は放任されても完全競争でも無いからだ。所詮、貨幣数量説の長期制約というのは、カネを増やしても生産能力の限界にいずれはぶつかる、とか、減少したカネの分量に応じた生産能力が再規定される程度の意味合いしか存在しない。
2014年に何があっただろうか? そう『消費税増税』である。国債発行と公共事業投資を削って、おまけに金融緩和までサボってる状態でコレをしたもんだから、社会全体に対する貨幣流入量は一気に激減した。要するに、他ならぬ貨幣数量説によって、デフレが継続する理由が説明出来てしまうのである。
なぜK氏はこの決定的なイベントを無視するのだろうか?
そうしなければ、彼の循環論法は破綻してしまうからである。
①貨幣ヴェール論によって、経済政策は無効なんや~
②貨幣ヴェール論によって、経済状況は実態を完璧に表してるんや~
③貨幣ヴェール論をみれば、不況だからデフレやと判るんや~
ごめん、こりゃ循環論法じゃなくて単なるトートロジー、同じ事の言い換えだったわ。
デフレだから不況やなくて不況だからデフレなんや~と強弁しているだけである。
だがまあ~K氏の妄言は続く。
”同じことが財政出動にも言える。財政出動は手段であって目的やない。実態の是正こそが目的なんや。
産業構造の是正、税制の是正、格差の是正、少子化高齢化対策、外国人労働者の是非、待遇。これらこそ議論すべき主題であってMMTどうこうはピントがズレておるのだ。”
”政府の支出は民間資産!
そうやって不良債権を産んできた歴史を忘れてるやな。財政出動先はなんでもええねんか?管理費だけ掛かる使わないインフラ作って民間資産が増えると申すか?”
どうもK氏は、ケインズ先生がそういった事柄よりカネを埋めて掘り返す事業をせよと述べていると勘違いをしているようだ。勿論、もっとマシな事業があるだろうがと述べているし、本当にそういうモノが無いならピラミッドでも建てればと述べているに過ぎない。そもそも現実の日本の状態を見て、必要な公共事業とか考える意味すら無い。既存設備の更新というイベントにとっくに突入しているし、東日本大震災の後始末もまだ終わっていない。適当に手を振れば必要な事業にぶつかる有様だ。
彼は、これ等の事業や、自分が提示した事業において費用や人員の必要が発生し無いとでも思っているのだろうか? 単純に労基法を守らせるだけで、労働基準監督署が必要で、大量の人員を必要としているのに?
MMTは単にカネが無いから財政支出が出来ませんというのはアホの言い訳であると述べているに過ぎない。MMTどうこうはピントがズレているのは間違いないね。勿論、K氏が、だがね。
まぁとりあえず、無駄な公共事業が~とか言ってれば何か言った気になれる人物なのだろうな。
管理費が~という意見の時点で、彼が経済の流れについて何も知らない事が十分見て取れる。
貨幣中立説自体がそういう面を多く含んでいるのだが、K氏の様に勝手に拡大解釈して貨幣数量説を単純化して運用する人間に特に顕著な現象がある。
カネとモノの区別が付いていない。
彼は、おカネは使うと社会から消滅すると思っているのだろう。
うまい棒は食べると無くるようにだ。
(質量保存的には、うまい棒も世界から消滅する訳でないがな)
”国民が返す借金じゃない!
出口戦略をマルっと無視しとるなぁ。国債はいつかは国民の税金使って償還せんとアカンぞ。出口に置いて政府紙幣やヘリマネ使えばさらにインフレ制御不可になるだけや!
金利を上げたら日銀の損失が増えて金利低けりゃ地銀が死ぬ板はさみの現実を見よ!”
特にこの部分はスゴイ!
K氏は日銀破綻論者でもあるわけだ。以前のべたアホ破綻論者一覧を総舐めするんじゃなかろうか?
出口戦略の意味を完全にはき違えとるなぁ。出口戦略とは金融政策の終了や停止でしかない。
そして、国債が実際には国債により借り換えされ続けているのは、単なる事実である。
PB黒字論者が勝手に作った、借金はゼロに~という前提を勝手に押し付けるなという話だ。
そして出ました、政府が紙幣を発行するとインフレが制御できなくなる~
別に政府が直接紙幣を発行しなくても良いし、先進国はみな同様のシステムで支出している。
さて、ハイパーインフレだの制御不能なインフレの国がどれだけあるのやら? 答えゼロ。
ハイパーインフレが~とか言う割に、世界すべての人は、そのようなリスクが存在しないと認識しているようだ。低金利の債権とはどういう意味の存在かK氏には理解出来ないのだろう。
日銀の損失が~とかは完全にギャグである。日銀が営利企業だと思ってるわけだ。
”インフレってのは逆進性を持つんや。固定資産を持つ金持ちが得をし、流動資産しか持たない貧乏人は死ぬ!少子高齢化はインフレ圧力やしな!結論として!似非MMT信者は望み通りにインフレに殺される定め也!”
な、デフレマニアだったろ。という感じである。
インフレの逆進性で提示しているロジックが、もう気が狂うほどアホらしい!
たった一文に、突っ込み処が超濃縮されておる。
『固定資産を持つ金持ちが得をし、流動資産しか持たない貧乏人は死ぬ!』
当たり前だが、会社から支払われている『賃金』というものは流動資産では無い。流動資産というのは、会計における資産のうち通常1年以内に現金化、費用化ができるもの指す。
そして、賃金はインフレに合わせて上昇していく、それは彼の大好きな貨幣中立論を尊重すれば自明極まる事柄だ。彼は、デフレに対しては貨幣中立論を提示し「何も問題はない」と主張するが、インフレに対しては「大問題だ~」と主張する訳だ。都合の良いつまみ食い論法だな。
問題なのは、ケインズの言う通り”変化する時間差”であり、それは富や価値の不均衡、無駄な努力をしている、或いは努力不足といったモノで生じるものだ。それを補填すべきか否かもまた別の問題である。
K氏が夢想するインフレの逆進性とやらは、
要するに、現金貯金だけで生活している貧乏人は死ぬと述べているのだ。
年金でも生活保護でもなく、現金貯金だけで生活できる貧乏人ねェ?
K氏はニートか何かだからそういう事を言うのだろうか? もっと現実見ろ(爆)