とある移民推進者の経済観について
移民推進してる連中は何考えてんだろうね? 誰も移民や外人を排斥せよなどといっておらんよ。人をカネ払って雇う気も無い、生産性の向上に何か努力する気も無い、提供するサービスを取捨選択する気すら無い。そんなので人手不足とか笑わせんなというだけの話。フリーランチは無いとかドヤ顔で言うヤツに限って、1円ランチを平然と求めるデフレマニアのその精神性よ。
まず根本的な事なのだが、そもそも移民推進論者は何か勘違いしてないか?
OECD(経済協力開発機構)によると、日本は世界第4位の移民受け入れ大国で、コレは2018年12月に施行された入管改正法以前からである。『日本は外国人労働者や移民が厳しく制限されている』などというイメージは全く現実に即していない。なんでこんなイメージが世間に流布されているかと言うと、これまた下らない言葉遊びの結果である。日本の政治屋の間だけで通用する勝手な定義を制定して『コレは移民制度では無い~』と言ってきたに過ぎない。世界的な定義では、働いている外国人はアルバイトも移民である。
人手不足の指標のひとつに失業率があるが、今の失業率は2.4%である。これはバブル期とだいたい同じだ。人手不足倒産とやらが社会問題になっていただろうか? 単に、好景気でも潰れる企業は存在するというだけの話に過ぎない。
そして高度経済成長期の失業率は驚きの1%台だ。さらに労働市場全体の逼迫ひっぱくをより正しく測るには、賃金の動きも見なければならないが、これも小幅なプラスの域を全く出ていない。人手は足りないとは言うが、それに対してコストを払うほどには必要性を感じていないという事だ。
そういったアレコレをちゃんと理解して移民推進に賛成している人が一体どれだけいるのやら?
とある移民推進者の意見を見直したのだが、実に無茶苦茶な経済認識に基づいて物事を判断している。しかも恐ろしい事に、彼がぶっちぎって頭がおかしいのではない。同様の事を主張する人間はメディアなどでも存在しているのである。経済認識に対する誤った認識というモノが、相互に絡み合い、互いを根拠と主張し合う事で、そびえ立つクソと評するより他に無い珍妙な論説が構築されている。
とある移民推進者を仮にK氏とする。彼の主張を観察すると4つの誤りが根底にあるように思われる。それは、①人口ボーナス原理主義、②デフレマニア、③貨幣という存在に対する無理解、④循環論法的な脱成長論である。それらを解説していき、同様の事を言っておる人間が居らんかの指標としよう。
人口ボーナス・オーナス原理主義
人口ボーナス論とは、労働人口が経済成長にボーナスつまりプラスに働くという説であり、ジジイとガキはマイナスで経済成長にお荷物であると主張する説だ。コレをなんにでも適応する人間は結構多い。
そもそも、この説は供給不足の状態を前提にしている。作れば売れるという状態でなければ、労働者を増やしても全くの無意味だ。そして労働者一人当たりの豊かさについて、この説は一切寄与しない。当たり前だろ? 10を10で割っても、100を100で割っても答えは同じという小学の算数レベルの問題である。
この説の根底にあるのは、南部連合の奴隷制擁護と全く一緒の論理である。原始生活同然の生活をしていた連中に、文明を教えてやったのだから感謝こそされ恨まれる筋合いなど無いという事だ。成程、0から1与えてやれば0の人間は始めは感謝するだろうな。だがうれしいのは最初だけで、すぐにゴミみたいな賃金で雇われている事に気が付き不満を爆発させる。
欧州など、そんなこんなでテロ塗れだ。ついこの間も、ロンドンで更生中のテロリストがテロって射殺されたところだ。そんな対立の根を継承させることこそ、国の借金論者が大好きな、後世にツケを残すという行為なのではなかろうか?
デフレマニア
マクロ経済が全く判っていない人間の発想である。デフレ=お金の価値が高い=商品の値段が安い=良い事という素朴さ極まる認識だ。なぜデフレになるとそうなるのか? という知見が完全に欠けているので「安い!」と言われたら条件反射で礼賛してしまう訳である。
デフレマニアには、インフレは物価の高騰でありコストの上昇だという認識しかない。
徹頭徹尾、『なぜ』という視点が無いのである。
おまけに、無自覚なデフレマニアもおり「俺はデフレ礼賛なんてしてない~」とか言う。
K氏を例に説明しよう。
彼は、今の日本ではコスト上昇によるインフレが起きているから、デフレ対策は必要ないと主張する。
インフレ目標に全く達していない事などは完全に無視し、コスト上昇が起きてるから~の一点張りだ。
では、なにがコスト上昇要因であるかと答えたか?
円安によって輸入コストが上がっていると述べたのだ。
呆れてモノが言えぬとはこの事であろう。
つまり『円安にならぬように円安にしろ』と主張している訳である。
おっそろしい事に、これと類似の事を主張する人間はそれなりにいるのだ。
モノの値段が上がる事を絶対に容認しない人間という奴だ。
デフレというのは生産過剰以外の意味を持たない。売れないからゴミのような値段で売っているのである。需要供給のどちらの問題にせよ、作ればそれなりの値段で売れるというインセンティブこそが人類の発展の基礎である。インフレ値2%とは経済成長に必要最低限度の値であり、先進諸国の平均的なインフレ値を遥かに下回った数値であるという認識が全く無い。
要するに、デフレマニアというのは、何処までも自分の事しか考えていない人間なのである。
自分の為に、生産者は奴隷労働でも何でもしてしろと言っているだけである。
だから奴隷を使い切り、生産物の値段が上がりそうになると奴隷を輸入しろと言ってるのである。
貨幣に対する無理解
カネに対する無理解の最たるは、『富=カネ』という認識だ。
金属主義や重商主義の劣化版である。
信用通貨説の立場では、通貨とは債務の一形態であるとされる。しかし重商主義&金属主義にドップリの人間にとって、黄金=債務という図式は受け入れがたいようだ。故に『労働すると何処からかカネが生まれる』とかいう天賦貨幣説じみた代物となった。
K氏などは、この形式の貨幣説にドップリであり、移民に生産させた物品を移民に消費させれば良いとか主張していた。常識的に考えてみよう、労働者が企業に与える利益よりも賃金の方が多いなどという事象が、営利団体たる企業に起こると思えるだろうか?
借金して赤字を垂れ流すマヌケの存在なしに、そんな事象は説明できない。
そして私企業がそんな状態を維持できると思う方がどうかしている。
脱成長論
ニワトリが先か卵が先か? この手の言動を好む人間はだいたいが脱成長論を唱える。労働人口が減っているから経済成長できないのだぁ~とか、円安になると云々かんぬん。だが似たような人間の言動を複数観察して得られた知見として、そもそも彼らが出してくる屁理屈には誤謬レベルの意味すら無いのだと判った。
彼らは、そもそも『経済成長が何かが判ってない』のだ。
その証拠に、彼らは経済成長について必ずバブルがどうのと提示する。
彼らは経済成長を単に物品価格の上昇としか認識出来ないのである。
ま~一通り見てみたけど、本当に自分の事しか考えていないガチで視野が狭い人間がマクロ経済を語ると、このような意味不明な言動になるのだなぁ~って感じだ。何処までも、カネだけ、今だけ、自分だけという発想の連中が移民推進をしており、そいつが吐き出す見栄えだけ立派にあつらえた言い訳に、多くの人が賛同する訳である。
健全財政論者・デフレマニア・グローバリストという連中は高尚ぶっているだけで、中身は共産主義者と何の違いも無いイデオロギー狂いのど~しようもないカルトだという認識が世間に広まらんとどうにもならんね。カルト団体が責任の逃れに魔女狩りを煽動する事に関して天性の才能があるのは歴史が証明している。