表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/42

国債金利がマイナスからプラスに転じると財政破綻するという珍説について

 まず、何故に金利や利回りがマイナスなのに国債が買われるのかを説明しよう。

国債というのは、償還期限を迎えると額面の日本円が支払われる。そして、自国通貨建ての変動国債の日本国債は、債務不履行の可能性はゼロである。つまり日本国債=日本円なわけだ。単にカネを貯め込む事を考えるなら金庫代を払うよりかは国債を買った方が貯めるだけなら安上がりという背景がこのデフレ時代にはある。利益がマイナスになるような投資はおかしい? それにも普通に真っ当かつごもっともな理由がある。


マイナス金利であっても、利益が出るロジックはとても単純だ。

マイナス金利以上に円高・ドル安になれば為替で利益を出せる。


要するに、だ~れも日本政府や日銀がデフレ脱却に努力すると信じていない。

アメリカはドル安誘導していくと信じられている。ただ単にそれだけの話だ。


たったこれだけの為替についての知識が無い人間が、金利が低いのに国債が買われる理由をこねくり回して作り上げたのが『国債バブル』とかいう戯言である。ま、バブルだから一度価値が下がると弾けてしまう~というのが、金利が上がると財政破綻する~という珍説の全容な訳だ。ぶっちゃけバブルについても全く知識が無いのでは? といった感じである。


バブルというのは、純粋にみんなが買っているから俺も買おうという現象である。

それはバグじみた行為や法律違反などの無茶がなければ始まりも継続もしない。

買うにたる実在の理由があるなら、それは単なる需要の増加なのである。


ついでに言うと、昨今の国際債券市場は完全に狂っている。欧州の最高格付けランクの国債より、日本国債の利回りの方が高いとかいう現象が起きているのだ。今現在の10年モノのドイツ国債が-0.34%に対して日本は-0.10%だ。今の世界では日本国債は高利回りで、ドルの為替ヘッジを加えれば非常に魅力的だそうだ。日本国債がよく見えるのだから、完全にイカれている。今はマシになってるが、一時はドイツ-0.87に対して日本-0.31だった事もあったそうだ。



ついでに言うと、売られるとどうのという面においても、複数の理由からアホ草って感じである。


第一に、投資市場では損切に失敗してマイナス資産を抱える事をババを引くと言う。金利がプラスになったからと、マイナス金利の国債を売りに出して、誰が買うのか? 少なくともプラス金利の国債を買おうという人間は誰も見向きもしないだろう。


第二に、今現在、日本国債の最大保有者は日本銀行であり、市場銀行からも新規発行も国債はみ~んな買い占めちゃってる有様だ。現物国債が全く不足している。これで、いったいどうやって日本国債のバブルとやらを起こすのやら? 金利が問題だと言うなら日銀に引き取らせば良いだけである。


第三に、量的緩和により銀行の収益が悪化する~とか言うが、その時点で金利が高くなると~とかいう主張が崩壊している。その日本円を国内市場で運用されるのなら、それは結局は税という形で国庫に還流されるのである。銀行は過度に儲けすぎているのか? それとも儲けが少なすぎて困っているのか? 破綻論者はそんな程度の設定も出来ない。


第四に、この金利が上がると破綻説は、バブルだから~が根拠であり、どうバブルが起きているのかなどは一切提示出来ない。バブルでないと自説が崩壊するから、今、バブルが起きているのだ~と言っているだけである。為替ヘッジしても利率が0.ナンボ%。取引回数も激減して、債券市場は消滅するんじゃないの? とか危ぶまれているのが現実だ。実に景気の良いバブルがあったもんだ。配給の列に並ぶことを、バブルと表現する奴はいない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ