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「国民一人あたり874万円」の国の借金とやらを貸しているの誰ですか? というお話

Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.

アルベルト・アインシュタイン

 プロパガンダの最も基本にして王道、常套手段とも言えるのは何か? 『間違った言葉』を使用する事である。間違った言葉が間違いである所以は、本来には存在しない”前提”を含んでいる事である。国の借金が~という言葉には「国民ひとりあたり」という前提が巧妙に関係つけられているのである。誰が金を貸しているのか? これを見てもまだ国の借金が~とかいう奴は、自分が騙されたことを認めたくないないだけか、日本国に破綻してもらいたい奴なのだろう。


だいたい、「国の借金が~」とか言っているが、具体的に何なんだよと思わないだろうか? なんか色々言っているが、要するに『国債全ての残高』だろといつも思う。それ以外に1013兆円の国の借金と表現できる代物がないのは明白なのだから。では誰が国(政府)に金を貸しているのだろうか? 『日本銀行の資金循環データ』を見れば公開されている。我が国に一番金を貸しているのは誰なのか?


ジャンジャジャ~ン、今明かされる衝撃の真実~

一番金を貸しているのは46%の日本銀行でした~

第二位は国内の銀行などでが40%となっております~

海外保有は6.4%程度


日本銀行は日本政府の子会社であり、日本銀行が得た最終的な利益は”国民の財産”として『日本銀行法第53条』に基づき国庫に納付される。これを国庫納付金という。そして、そもそもこれらの国債は2013年より行われた量的緩和により、日本銀行が民間銀行より購入したものである。つまりは事実上、国債を46%返済したのと全く変わらない訳である。財政破綻論者は、自分の借金を自分で買い戻しても、自分に利息を払うことで破綻する~と言っておるのである。これがどれだけバカバカしい事かお分かりだろうか?


さらに言えば、残りの40%と6%もまるで問題にならない。そもそも、この国債は日本円建ての国債である。つまり、返済は¥でされる訳だ。そして日本銀行券とは日本銀行が発行するものである。これは海外の主な中央銀行でも、ほぼ同様の制度が設けられている。財政破綻論者は、「財政破綻」とは一体いかなる状況を指して言っているのか? そのことを最低限は定義してから騒いでもらいたいもんだ。



 ところで、最近少しずつ話題になっているMMT:現代貨幣理論( Modern Monetary Theory)という言葉を聞いた事は無いだろうか? 一般的に金融と言う語句はFinanceが用いられるが、不思議なことに財政破綻論者が「現代”金融”理論」などと訳し紹介されている経済理論だ。その内容は実際には過激でも異端でも何でもない。現実を普通に観察すれば、その存在が明々白々に存在する事を再確認しただけの事だとわかる。さて、この理論が現代貨幣理論として在るならば、従来の古い貨幣理論とは一体何なのか?


それは『金本位制度』である。彼らがお金や借金について語るときに用いられる”常識”とやらは、家計簿感覚の経済観だけでなく、この古っ臭い貨幣観を前提に語っているのである。MMTが再発見(?)したものとは、信用創造と通貨発行益という、カネの価値についての事柄であるが、これらが現実に存在している事など、ありとあらゆる観点から自明過ぎる事柄なのである。


日本銀行のサイトを見ればよい

『国が中央銀行に対して、銀行券を独占的に発行する権利を与えていることにより、通貨発行益が生じるからです。』と通貨を発行することで利益が生じる事を認めている。


マネーストックを見ればよい

預金通貨が695兆2,143億円、準通貨が534兆1,204億円に対して紙幣が108兆7,111億円、貨幣が4兆8,696億円しかない。日銀当座預金を合わせたマネタリーベース507兆3,520億円を考えても、実に2倍強のおカネが流通しているのである。


財務省の『外国格付け会社宛意見書要旨』を見ればよい

《日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか》と堂々と書いていやがる。


こう言うと、「ハイパーインフレが~」とか「金利が急騰する~」と言い出すのがお定まりの財政破綻論者の主張だ。だが現実は? 国債金利は15年モノで0.1、それ以下の年数は軒並みマイナスという有様。インフレ値は? インフレ目標の2%すら達成できずに日銀は達成目標をそそくさと隠す始末。


この現状で、衰退国家が~と言いたいだけの人たちは「インフレになったら~」とか「金利が上がったら~」とか言い出すのだから、経済音痴というのは救いがたい罪業であろう。あのねえ、今はデフレ・低インフレが問題になってんの。はっきり言って病的な反インフレ原理主義者である。彼の理屈をわかりやすく例えるなら、低血圧で死にそうなやつに、血圧が高いと心筋梗塞になって死んでしまう! とかほざいて心臓を止めようとしているのである。自分の心電図をまずフラットにしてみてそれが健康的か判断しろよなと言うより他にない。

そもそも国債の金利が上がったら~という主張は何なんだろうね?

相場変動でどうやって儲けたり損するのかが根本的にわかっとらんとしか思えん。

金利変動など変則的な契約を結ばない限り、「金利は契約を結んだ時点の金利が適用される」

こんなの商取引の常識だろ? な~んでそれがわからんのか理解できん。


借金の額だけ見て負担が~破綻が~などと主張するのは、資本に投資して稼ぐという資本主義の根幹が全く理解出来ていない証拠であり、そちらの方が余程に封建時代的な経済感覚と言うべきだろう。

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