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世界中で起きている移民問題について。

移民推進派は、確信犯なのか騙されているか知らないが、根本的に、移民問題を取り巻く世界の現実を無視している。移民推進に対して、労働力の観点から主張する人たちは一様に主張する。誰でも出来る仕事を少しの期間させるだけで良いと、彼らは帰るし帰す事が出来ると。移民を入れる事で福祉制度の破綻を回避できるだろうと。複数の観点から出鱈目も良いところだと分かる。



 第一に、とっくに日本は移民国家である。就労資格の取得に制限なんて無いのだ。留学目的で来て、アルバイトという名の労働を行い、最後には不法滞在する。難民申請すれば就労資格が得られる。海外ではこんな行為は当然認められない。留学生の就労行為には厳しい制約があり不法就労が見つかれば強制送還だ。難民なんて保護が決定するまで何もできないのが普通。根本的にガバガバなのである。


よく外国人労働者は問題を起こさないだの、問題の過半は旅行者だとか言う人間がいるが、そちらをまともにした時に『不法滞在してでも日本で就労したい』という圧力が何処に来るか考えないのだろうか? だいたい、旅行者の方が問題だ~とか言ったところで、入り口がどちらかの問題でしか無いし「外国人労働者を犯罪者扱いしてる~」なんて感情論に意味があるのだろうか?



 第二に、帰るし帰す事が出来る? こんなものは『現状』でうまくいっているように見えるだけである。今ですら不法滞在者を帰す事など困難な状態だ。日本でも既に貧困者が集まるスラムが復活しているが、そこに入り込まれたらどうしようもない。欧州にあるような警察の立ち入りが出来ない地域などどうしようもないだろう。


そもそも、帰すという行為そのものに反対する声が非常に大きい事を忘れてはいけない。不法入国者の拘留でまるでおぞましい人権弾圧の扱い。家族が居たならナチスのアウシュビッツのような扱いだ。赤ん坊を抱いて「私が犯罪を犯すように見えますか~」などと感情論に訴えての法律破りなど常套手段ではないか? なんで、欧州のようにならないと確信を持てるのかナニカを示されたことは一度もない。



 第三に、現状の労働環境がまともだと思っているのだろうか? 介護の外国人就労希望者など殆どいない。ぶっちゃけ、今の日本に働きに来くる外国人ってのは情弱なのではないか? 少なくとも移民推進派が想定するような外国人労働者は騙されて来ているとしか思えない。なんか円高だから働きに来るとか頭の緩い事を言っている人と対話した事があるが、貨幣価値が10倍になっても給料が10分の一になっていればなんの意味も無い。デフレで何が起きて来たのか全く分かっていない。


デフレ下で育まれて来た、最低限度の褒賞で最大限度の労働成果を得ようという思想自体が現実無視の発想だ。北朝鮮のチョンリマ政策となんの違いがあろうか? そんなモンに納得する外国人いるわけないだろう。無意味に反日感情を煽り立てるだけの行いである。



 第四に、世界を見れば明らかな事だけど、生活保護相当の貧困者など幾らでも世界にいる。そして、我が国は福祉制度が整っている国だ。アメリカのように福祉は自己責任って国ではないのだ。移民を入れたらどうなるかという事は、欧州を見れば明らかでないか。外国人の福祉を維持するために国民に増税するという素晴らしい有様だ。そもそも、移民の入れ過ぎで移民間でも対立があるという無茶苦茶な状況である。


我が国は、国民健康保険も生活保護制度も外国人も利用できる。アメリカ人の利用者もいるという有様だ。さらに言えば、帰化に関してもガバガバなので日本国籍持ってるからって、何処まで信用できるやら。蓮〇議員は過去のインタビューで日本国籍を取得したのは便利だったからで、日本に何の愛着も無いとハッキリ答えている。それどころか、日本国籍を取得したのは屈辱で時が来たら戻すと答えている。そんな「国籍は日本人だけど~」な人間は沢山いる。そんな連中と財産を共有する事に不安を覚えないのが不思議でならない。悪い人間ばかりでないなどと言うが、そんなことは有史以来ずっとそうだ。社会を構成するのに、社会にとって悪い人間の方が多い状態なんて、そりゃその社会は崩壊しているだろう。



 第五に、そもそも、誰でもできる仕事ってナニ? 数年働いてもらっただけで十分? こんな事を、思考してなお真に受ける人間は、真面目に働いた事が無いか、下民どもの仕事なんぞ猫がやっても同じだと考えているかのどちらかだろう。入社1年目の能力と入社3年目の能力が同じか少しは考えて貰いたいモノだ。マニュアルに従えばできるなどという意見もあるが。どのマニュアルだよ? 業務をマニュアル化するなどどの業種でも広く行われている事だ。マニュアル=誰でもできるなんて図式は成立し得ない。こんな事を言う人はパイロットや航空管制官が誰でも出来ると思っているのだろうか?


そもそも、本当に誰でも出来る仕事に誰もカネなど払わない。誰でも出来る仕事で生きていく事は誰にも出来ないというオチだ。だいたい、マニュアルを守らせるのがどれだけ大変な事だと思っているのだろうか? 脳ミソが付いているのか? と思うような労災が普通にあるぞ。



 第六に、言葉が違う事をどう認識しているのだろうか? 言葉が通じても在日朝鮮人だのといった問題が起きるわけだが。移民推進派の人間は言葉が通じないという事をどう認識してるのだろうか? 業務時間中は成程、型通りの対応してりゃ良いが、業務が終わった後に一体どうする気なのだろうか?


恐ろしい事に、外国語で運転免許を取れる自治体があるらしいが、事故を起こしたときどうする気なんだ? 日本語か外国語か、どちらかが一方的な譲歩を迫られる社会になる事は確実だろう。




 だいたい、人口でしか経済を評価しない人たちは、何故に人口豊富なアフリカやら南米が未だに混沌として貧困であるか説明できるのだろうか? 彼らは国家とか共同体というモノをまるで空気のように当然の存在か、諸悪の根源だと考えているようだ。歴史上の様々な国が何に苦しんだかと言えば、そういう共同体意識を作り上げる事に最も苦労してきたのだろうが⋯⋯⋯そんな事は全く考えていない。


彼らの言説でもっとも信用できないという点は、グローバリズムに対してダブルスタンダードが過ぎる事だ。彼らは良く言う「法人税を上げると企業が逃げる」だの「人件費を抑えないと国際競争力が落ちて企業が逃げる」などなど、グローバリストの主張の際たるだ。その片方で移民政策が国益になるとか言う意見で不思議な事は『労働者が国境を越えて自由に行き来しない』と考えているのだ。まぁ、使い捨てたら目の前から消える事を自由な行き来だと解釈しているのかもしれないが⋯⋯⋯



 我が国の未来は今のスウェーデンのようなどうしようもない状態だろう。

スウェーデンと聞いて何を思い浮かべるだろうか? 高福祉社会? 幸福な北欧国家?

今のスウェーデンの姿は過酷な重税と無法地帯と薄っぺらな福祉しかない不幸な北欧国家だ。


Dan Eliasson警視総監によると、スウェーデンには警察管理外地域があるという。文字通りの意味で警察が立ち入る事が出来ない地域だ。それも1つや2つでは無い、61か所だ。しかもたった1年で55から61に増えたという。しかもその内23か所は完全に無法地帯と化しているそうだ。今のスウェーデンは1975年から犯罪率が300%に増加。レイプ事件は世界3位というどうしようもない国だ。だいたい移民成功国といわれるシンガポールですら移民が問題になっているのにうまくいくと思えるのが不思議だ。



 いまや、移民を入れて不満の噴出が無い国は産油諸国位となった。産油諸国の移民依存率はすさまじい。UAEなどは自国民より外国人の方が多い有様である。彼らは何故、移民を入れても問題が表面化しないのだろうか? 少し調べた結果、その凄まじい労働政策の賜物であると分かった。こんなもん、まともな先進国では実施不可能だ。そこには多文化共生とかいう甘っちょろい考えなど微塵の欠片も無い。


それは湾岸アラブ型エスノクラシーというモノである。エスノクラシーとは、特定の民族集団が他の民族集団を抑圧的に支配する統治形態である。国民と移民間に差別的な格差があるのは当然として、移民の内でも賃金を出身国で区別するなど徹底している。


その結果、国民は移民に対して優越感を感じ、移民はそれぞれの国家グループに分断され統一的な労働運動を行う事が出来ない(そもそも、移民にそんな権利は無いようであるが)その他、移民のパスポート取り上げ、雇用者(産油諸国では雇用者が身元引受人となる)が自己都合で自由に解雇できる等々ある。そして、人口比が外国人に高まると、その分、国民は移民に対して権利優勢を求める。最低極まる労働環境、福祉環境であるがゆえに産油諸国では不法滞在者は余りに過酷な労働環境に嫌気がさして逃亡した者に限られるとか。


 なんだかどっかで聞いたことがあるなぁ。そう、移民推進派の主張をまんま成立させた社会だ。唯一の成功例は此処まで徹底してやっているのだ。コレを日本で出来るか? 出来るわけが無いし、ホントにやりたいのか? やれると思っている人は、こんな事が何故出来るのかという事が全く分かっていない。


産油諸国は実に権威主義的独裁国家群だ。この間も、他国の領土内の政府施設でなんだか良く解らぬ理由でバラバラ殺人しちゃうような普通でない国だ。ぶっちゃけリッチな北朝鮮である。コレで不満が爆発しないのは石油マネーばら撒きによって国民が外国人労働者と所得格差を付けているからである。とどのつまり、産油諸国だから出来るのだ、という当然の結論しかない。



 移民推進派は労働希望者が増えると賃金はどうなりますか? という労働市場における需要と供給の原則について一切何も答える事が出来ない。市場原理を無制限に礼賛しながら、市場原理を逸脱した発言ばかりだ。だいたい、自由競争の社会が不安定で不正に満ちた世界である事など、19世紀のイギリスを見れば明らかであるし、そこで議論しつくされている。


市場原理主義が必要な規制を一般化するのは手遅れになってからだ。なろう小説か? と問いたくなる惨状である。高いかねを払って、便所を洗ったスポンジで洗った食器で飲み食いさせられるなど当然の事と理解せねばならないだろう。

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