北朝鮮問題の本質と米朝対談はどうなったかについて
北朝鮮問題というのは「北と国交正常化するか」、もっとはっきり言っちゃえば2002年に小泉が日朝平壌宣言で、北との国交正常化にあたって支払うと宣言した、『戦後賠償』なるモノを実施するか否かという問題だ。
ちなみに宣言について、外務省の解説には『朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認』・『朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射の凍結
モラトリアム
を2003年以降も更に延長していく意向を表明』とある。だが、北朝鮮がミサイル問題に関して、国際的合意を順守したかだの、ミサイル発射を止めたかという事など今更言うまでもないだろう。彼らはそのいずれも一切守っていない。
要するに、北朝鮮はカネと経済支援はありがたく頂戴するけど、核開発は継続するし、それをネタに金を強請ることは続けるという事だ。北にやたらと好意的な人たちは、この事実から意図的に目を背けるわけである。
この間の米朝会談の交渉結果で、日本との関わりについても、この平壌宣言の内容を踏襲したものだった。だから北への経済支援だのが含まれるわけだ。しかし体制保障という言葉がやたらと取り上げられているが、こんなものはアメリカが「殺すのは最後にしてやる」と言っているだけである。対する北朝鮮もこれまで何度も言ってきたように非核化やりますと口先だけの約束をしているだけだ。お互いに方便だけを並べて何の具体的なことを言っていないのである。
決定されたことは、北が非核化すれば経済制裁を止めるという事だけで、現在も経済制裁は続いている。具体的に決定されたことは米韓軍事訓練の中止ぐらいであろうか? 半島情勢を勘案しての米韓合同演習の中止は過去にもある。1992年には毎年していた20万規模の実働演習チーム・スピリットを止めた。しかし北が核開発を放棄しなかったために、翌年の93年に演習が再開された。或いはトランプ大統領は前々から、在韓米軍を引き上げたい旨を述べており、在韓米軍撤退の動きの一部なのかもしれない。
さて非核化の費用について、北朝鮮の要望を聞くかのような印象操作行っており、その費用を日本が負担するとアベが言った~とマスコミが印象操作を行っている。対象になっていることはIAEAの核査察の初期費用を国際的な取り決めで負担するという事である。某新聞を読むときは、見出しを無視したほうが良い。内容と全く対応していない見出しばっかりである。
さて、国際的な約定では核放棄と引き換えに経済協力という事であり、それは日本も宣言の形で表明している、その必要性については置いておくが。しかし北が核を放棄する事などありえないだろう。なぜなら、それが北が唯一保有する交渉カードであり、資産だからだ。それ以外のカードと言ったら、破産してお前の国に難民を送り込むぞとかいう自爆宣言ぐらいしかないのである。
貧相極まる経済、冷戦期から何も変わらない基礎軍事力、大したことのない人口と、はっきり言えば核でも持たないと北の事を見る者などいないのだ。そしてそれを保有することで金ファミリーが独裁統治を行う担保とできる。だから北朝鮮⋯⋯いや、金ファミリーは核開発を諦めない。それに核を諦めれば北が豊かになる道は現実に開いていたのだ。国家として、ひとつの上がりを北朝鮮はとっくに遂げているのである。それがなぜ遂げられなかったか? 初めから核を捨てる気など無かったから。これに尽きる。
拉致問題というのは、国交正常化のしない理由のひとつとして存在するに過ぎない扱いなのだ。北からしたら些事であり、我が国に蔓延るサヨク連中からしても問題にする事などあり得ないといった感じだ。実際に、「いわゆる拉致」だとか「拉致は右翼の捏造」だなんて言説で存在しないモノとして扱い数十年放置してきたのだ。向こうとしても、「えっ」って感じなのだろう。現実問題として、拉致被害者の遺骨の位置すら把握していない可能性は十分あり、単なる侮日感情や情報保全から、遺骨の取り違えや生存の隠匿が起こなわれたという事は低いのではないかと思う。
北朝鮮の問題というのは、夢見がちな共産主義者が思い描くような何物も存在しない、単なるカネと権力の話だ。世界唯一の原始共産体制とか言っているが、単に貧乏なだけだ。そして、キムファミリーは己の権力が制限されるのを嫌がって、中国やロシアに助けを求めることもしようとしていないだけなのだ。
中国に支援を求めれば、彼らは快く受け入れてくれるだろう。中国は自国で過剰生産される資材の消費先を貪欲に探しており、その貪欲さからアメリカから経済制裁を食らう事になった。無論、我が国にとってもその貪欲さは大きな問題となっている。北朝鮮が「我々に投資してくれ」と言えば、たちまちチベットやウイグルのように発展できるだろう。キムファミリーはそれが嫌だから、日本に「金だけ出せ」と言っているのだ。
まるでニートの戯言だがバブル期なら出たかもしれない、というか外務省をはじめ各省庁は未だにバブル脳だ、財務省も含めて。金がそこらに転がっていて、けしからん無駄な投機が横行していると思っている。国民にとって、最も現実的な北朝鮮問題というのは、「今のデフレ時代にそんな金が何処にあるんですか? あるなら国民のために使ってください」という事だ。こういった当たり前の感想が、サヨクらには気に食わないのだ。
どうやら朝鮮戦争時(!)の遺骨を北朝鮮はアメリカに返還する事で合意があったようだ。ちなみにウォール・ストリート・ジャーナルによると、2011年にも北はイギリスとの関係改善の一環で英軍パイロットの遺骨が返還をしている。その時ロンドンの専門家は、とても面白いものを見つけたそうだ。
北朝鮮が遺骨と称して送ってきたのは、動物の死骸だったそうだ。そもそも、少し考えればわかる。人を埋葬するというのは宗教的行事だ。真の共産主義者、真の唯物論者なら人間の死体はゴミと一緒の存在だ。ましてや敵国の人間の死体など、まともな方法で埋葬されていないとしても不思議でも何でもない。