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仕組まれた再会。待ち焦がれた再会。

「ではまず白石風紀委員長からご挨拶をどうぞ!」

「………風紀委員の白石だ。今年も例年通り委員はスカウトさせてもらう。以上だ」

「い、以上でいいんですか……?」

「あぁ、此処で話す事は特にないからな」


相変わらず人前に出る事を嫌う人だ。

短い挨拶を済ませて壇上から降り、そのまま体育館を出て行った。

自分勝手でもきちんと仕事をして委員長をやっているのだから可笑しいものだ。


「そ、そうでしたか…………で、では!気を取り直してお次は喜蘂運営委員長からのご挨拶です!」

「………こんにちは。運営委員会の喜蘂伽藍です」


この学園は、生徒会と風紀委員会、そして運営委員会が対立し合っている。

普通は委員長や会長は仲良しこよしをするものだと聞いているが、言っておこう。


あいにくここは普通じゃない。


「運営委員会も新しい委員は指名制です。今年は他校との合同文化祭がありますので、ご協力していただければと思います」


生徒会長と委員長達は目も合わせる事もなければ話す事もない。

3人揃って同率一位というのが気に食わないのか、三つ巴状態。

何の順位かと聞かれれば、男を恋愛対象として見る奴らが勝手に付ける順位の事だ。

一般的な思考の俺からしてみれば意味が分からない。


「そうそう、これは特定の1人に向ける言葉ですが…………」


静まる体育館の中。

奴の声だけがよく響いた。


「必ず見つけてみます。必ず私のモノにしますので待っていてください」


ざわめきが徐々に大きくなる。

そんな中でも悠然と壇上から下がるアイツから目が離せない。

朝、学園長が言っていた言葉を思い出す。


『実はな、委員長になる条件として哀川一夜を探し出してほしいと言われたのだよ。もしかしたらここにいるかもしれない。だから探し出してほしい、と』


アイツは本気だ。

本気で俺を探している。

一年見つからなかっただけで幸運だと思うべきか。

いいや、絶対に見つかってはいけない。

見つかれば、今度こそ俺は………………


「ヒトヨ、どうした」

「い、いや……なんでもない……………」

「顔色が悪いぞ……保健室に行くか…?」

「別にいい………ちょっと眩暈がするだけだ」

「ったく……体調が悪いなら言え。行くぞ。皇もどっかに行ったしな。どうせセフレでもひっかけてんだろ」

「そこまでしなくたって「よくねぇだろ。お前、思ってる以上に身体弱いんだし。もしかしてお前まだ嫌いなのか?」うっ……………」

「後ろに龍先生もいるし大丈夫だろ。今回は」

「い、いやだ…………行きたくない……」

「ヒトヨ………さらに顔色悪くなってってるぞ……」

「お前が保健室に連れてくとか言うからだよ……察しろよ……」


俺は保健室が大嫌いだ。

どの程度かと問われれば、人生で二度と食べたくない物を目の前に出されて食えと言われるレベル。

保健室というよりも養護教諭がトラウマ。


「大丈夫だ。俺も着いていく」

「い、嫌だ…………あそこだけは…あそこだけは勘弁してくれ………」

「龍先生、こいつ体調悪いみたいなんで保健室連れて行ってもいいっすか」

「……本当に顔色悪いな。いいぞ、行って来い」

「ありがとうございます」

「あぁ、あと深月に会ったら弁当持ってきてくれって伝えといてくれ」

「………分かりました」

「よろしくな」


龍垣先生の許可もすんなり貰ってしまい、俺は葛西に手を引かれて保健室へと向かう。

そういえば、出会った頃にも同じようなことがあった。


持ち上がりで高等部に入ってきた訳ではなかったので知り合いは祭とその弟しかいなかった。

クラスにも中々馴染めなかった時、中庭で傷だらけの葛西を見つけた。

その頃は葛西がどんな奴なんかも知らなかったが、俺はぐったりしている葛西の腕を引いて保健室へと突っ込んだ。

授業をさぼる訳にもいかないので、養護教諭に任せてから俺は早々に保健室を後にした。

後日、誰も座っていなかった前の席に葛西が座っていた時は、龍垣先生でさえも「今日で世界は終わるのか?」と呟く程度には話題になった。


「……………なぁ、ヒトヨ」

「なんだ」

「憶えてるか。初めて会った時」

「憶えている」

「あん時、他校の奴らと喧嘩してきたって言ったが、あれは嘘だ」

「は?」

「実は翔梧……風紀委員長とタイマンして逃げてる途中だった」

「はぁ?」


あの泣く子どころか鬼も黙る風紀委員長とタイマンって………


「よくやったな………」

「朝から本気で殴り合ってたが、途中で限界が来てな。一発腹に入れて逃げた」

「あの風紀委員長から逃げたなんてお前凄いな」

「だろ。ドーベルマンみてぇだからよ、翔梧は。粘着質だからちょっとだけ休憩ついでに中庭に逃げた。一息ついてたらお前が来たんだよ」

「そうだったのか…………」

「俺がどういう奴なのか知ってて近寄ってんのかと思ってたが、実際はそうじゃなかった。お前絶対何も考えずに俺を保健室に押し込んだだろ」

「よくわかったな。面倒事は嫌いだけど、けが人は別だ」

「お前のそういうところは好きだし嫌いだ。自分の立場を分かっているのか再三問いたくなる。お前は良い意味でも悪い意味でも危なっかしい。あんまり俺か皇から離れるなよ」

「過保護は止めてくれ」

「過保護にやってかねーとヒトヨが死にかける可能性があるからな。それには応じられない」



こいつ………一度決めたことは絶対に曲げないタイプだろ……

お久しぶりです!そしてあけましておめでとうございます!遅くなりましたすいませんごめんなさい

新キャラが出てくるのは次ですごめんなさい……

そして、ここで言うのもなんですが、落ちは決まってます。

ヒトヨ君は必ず新キャラを含めた誰かとくっつきます。

一通りの流れは出来ているのですが、それを長い文にするとなると………

行き当たりばったりですが、次は3月7日までに投稿できればなと思ってます!では!

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