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右手で心臓をつかむように押さえ、その場に膝をついた。
<しまった・・・血の効力が!
少し戦い過ぎたか。どこかで、血を・・・でも、どうやって?
ここからじゃ、距離的にバチカンの応援も見込めないし・・・>
理性的思考をめぐらせる中、彼女の肩を触れる手。
「大丈夫か?」
大介が、心配と恐怖の目でエリスを見た。
「お前か。なんでまだここにっ・・・ウッ・・・」
「おい、しっかりしろ!今、救急車を」
「呼ばなくていい!それより、血を」
「えっ?」
「あなたの血を・・・私に分けなさい!」
意味が分からない。
血?一体どういうことなのか?
「おい・・何を言っている?」
大介の頭は混乱する。
だが、脳内を整理する前に、エリスが彼の胸ぐらを掴んで言う。
「何も考えるな!死にたくなかったら、私に、血を分け与えなさい!」
「お、おい」
さっきからこの娘、何を言っているんだ?
彼の思考の混乱は、そのスピードを増す。
「お前、何者なんだ?何をする気なんだ」
「そんなことどうでもいい!
少しだけだ!とにかく血を・・・」
声を段々と荒げていたエリスが黙る。
大介の口から血が出ていることに気付いた。
一瞬にして、本能が理性を押さえつけた。
「ち・・・―――――――んっ・・・―――――――」
目を、とろんとさせたと思いきや、いきなり大介を自らの元へ近づけ、強引に口付けた。
大介の脳内が白くなり、やがて停止した。
ただ、唇を伝ってくる彼女の体温と不思議な感覚、そして口内の血が彼女の口へと流れる情報だけは、受け取っていた。




