僕・理麻「はぅ・・・最近抱きつかれるの多いなぁ・・・」
登場人物ページにはないキャラがどーんと、前に出てきますが。
今回のキャラは登場人物ページに、載せることは(いまのとこ)ないかと・・・。
碧條学園での午前の授業を受けている理麻は内心ホッとしていた。授業内容は確かに濃いものの、そんなについていけないほどではないからだった。これなら何とかやっていけそうだと思っている。まぁ、理麻は元来成績優秀の生徒なので、そんな心配無用なのだが・・・。
そして、午前の授業が終わり、昼休みとなった。理麻がノート類を机の中にしまっていると、前の席の玲治が振り返ってきた。
「理麻、昼食いに食堂行くだろ?」
「うん!」
「なんか元気でたな?」
「ご飯!」
「昔っからよく食ってたもんな。」
食堂へ向かおうと、2人がたちあがったときだった。教室の前のほうから2人組が近づいてきた。
「玲治ー!ごはん行こうぜー!!」
と、玲治を訪ねてきたのにもかかわらず、その二人組のうちの一人がなぜか理麻に後ろから抱きついた。突然のことで、理麻はすっぽりとその生徒の腕の中に埋もれた。
「・・・ぇ・・・・ふぇ・・・・!?」
「紫音、いきなり抱きつくのだめだって言ったでしょ?」
抱きついてないもう一人があきれながら言う。理麻はわけがわからず腕の中であたふたしている。
「転入生、ぎゅー!!ってか、玲治って転入生と知り合いだったんだな。」
「幼馴染だよ。つか、理麻離せよ。」
「癖なんだから仕方ないだろー!」
「はう・・・・・。」
「理麻大丈夫か?」
「ん・・・・も・・・・だめかも・・・・・・。」
「ったく。」
理麻のギブアップを聞いて、玲治は理麻とその生徒を離した。
「うぅー。もうちょっとぎゅーしてたかった。ま、いっか。悪いな、こうしちゃうの癖なんだよ俺の。俺、井上紫音。よろしくー。」
「癖もいい加減直したら?僕は入野悠っていうんだ。さっきはこの馬鹿がごめんね?」
「馬鹿っていうな―!!」
「馬鹿、ちび。」
「ちびじゃない、転入生のほうがちびっこいぞ!!」
「こら!」
「れ・・・・れいじ・・・・・。」
解放された理麻はこの現状についていけず、くいくいと玲治の制服を引っ張った。
「大丈夫だって。こいつらいつもこうなんだ。でも、本気じゃないからさ。いい奴らだし・・・ちょっと変わってるけど。だからそんな心配すんなって。」
「ん・・・・わかってるけど・・・・。」
「ね、理麻君だっけ?理麻君って、もしかして人見知りするタイプ?」
「え・・・・。」
「そ。昔っからこんなかんじ。とくに初めて会うやつとかにはこんなだな。な、理麻。」
「(こくん)」
「そっかー。じゃ、紫音のやっぱり驚かせすぎちゃったよね。ごめんね。でも、人見知りって大変だよね。僕の従兄弟にもさ、居るからよくわかるよ。」
「人見知りか―。俺には縁ないなーそういうのー。」
「だろうな。」
「でも!俺らもう初対面じゃなくなったよな!」
「は?」
「今度は何を言い出す気だ?」
「だって俺もう、理麻の友達になったんだから、仲良しだろ?人見知りする必要もないだろ!」
「とも・・・だち・・・・?」
「あ、僕も僕も。これからよろしくね、理麻君。」
「・・・・・・・・あり・・・がと・・・・・。」
2人の言葉に、理麻はふんわりと笑って答えたのだった。
やはりこういう友達は理麻には必要だろうと考えて出した二人です。
あくまで友達の設定なので、恋愛には発展させません。