Side?「いい歳してはしゃいでんなよ、え、転入生?」
ちょっと理麻から視点を別にします。
やっと出せた!!もう達成感でいっぱいです。
俺が教室につくのはいつもHR開始五分前。それでも別にどうってことないだろ。間に合えばよし。でも、今日の教室はいつもとは少し違った。まぁ、いつもがやがやしてんのは変わんないんだけど・・・今日はそれ以上に騒がしい。・・・・・あ、そういや、昨日橘のやつが転入生来るよー・・・とか言ってたな。転入生ねぇ・・・・って、こんな時期に?もうすぐゴールデンウィークっていう時期に?どんなタイミングだよ・・・。つか、転入生ごときでそんなに騒ぐなよ。いい歳して・・・。
内心そう思いつつ、彼は自分の席である窓際、後ろから二番目の席に腰を下ろした。学園指定の紺色のかばんを無造作に机の上に投げ出す。赤い携帯を取り出し、何気なくいじくる。それでもざわめく周りの声は聞こえたまま。
はぁ・・・退屈。やっぱ俺もあいつと同じ公立行けばよかったかなぁ・・・。こんなとこいたって、ひまなだけだし。やっぱあいついないとなぁ・・・・。何してんだろうな今頃。あれからあんま連絡してないし・・・夜も会わないしなぁ・・・・。今度連絡取ってみっかな・・・。
すると、全国共通。あのお決まりのチャイムが鳴る。そしてそのすぐ後に担任の橘が入ってきた。相変わらずちっさい。
「おはようございますー!あはは・・・みんなもう早くしろって顔してるねー。んー・・・あんまりせかすのもかわいそうな気もするんだけどな・・・・。」
何一人で言ってんだろうか・・・。かわいそうって誰が?もしかして転入生がか?なんでかわいそう?ま、いいや、って・・・メール十件も誰だ!?
自分のところに来ていたメールの量に驚いてる彼をよそに、転入生が姿を現した。周りの騒がしさがざわめきに変わる。
「え・・・っと・・・し・・・篠宮・・・理麻です・・・・。よろしくおねがいします・・・・。」
ぴく・・・・
十件ものメールと格闘していた男の手が止まった。削除しますか?の画面から教室の前に立つ転入生を見る。
まさか・・・いやそんなはずない・・・・此処にいるわけがない・・・。だってあいつはいま、公立の高校に通ってるはず・・・。でも・・・篠宮ってたしかにいってたか?
黒板には、橘が書いたのだろう篠宮理麻の字が白く黒板にある。
間違いない・・・のか・・・・
そして、教卓の横にちょこんとたつその転入生を見て、一之瀬玲治は思わず携帯を落っことしそうになった。
間違いない。メガネをかけてるのがやや気になるが、だが本当に間違いない。でもなぜ・・・なんでここに?
いるはずのない幼馴染の姿がそこにあった。
やっと出てきたね、玲治。
彼がいなきゃ、始まんないんですこの話は。
影の主人公って言ってもいいキャラ。さ、理麻に振り回されるんだ!!なんて・・・。